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電離層の変化、東日本大震災でも…予知に有望? 東日本大震災から約4か月。「想定外」のマグニチュード(M)9・0だった超巨大地震には、直前予知に結びつくような前兆現象があったのだろうか。 今回の地震で注目されたのは、高度80キロより上空に広がる電離層の変化だ。大気中の原子が太陽などのエネルギーを受け、電子とイオンに分かれる領域で、ラジオなどの電波を反射する。 北海道大学の日置(へき)幸介教授(地球物理学)はGPS(全地球測位システム)衛星から届く電波を利用して、電離層の電子密度の変化を調べた。すると、震源域上空では地震の40分前から、密度が周囲より最大1割ほど高くなっていた。 M8・8のチリ地震(2010年)やM9・1のスマトラ島沖地震(04年)の時も同様の現象が起きていたことが分かったが、M8・0の北海道十勝沖地震(03年)では、わずかに多い程度だった。日置教授は「メカニズムは不明だが、巨大地震の直前予知には有望な手法だ」と期待する。 「電離層の異常は、地震の約5日前に起こっていた」と分析するのは、電気通信大学の早川正士名誉教授(地震電磁気学)。電離層に乱れが生じていたことが、上空の電波の伝わり方から分かった。地震直前の地殻内のひび割れなどが振動となって大気を伝わるためと考えられ、内陸部のM6以上の地震(震源の深さ40キロ以下)でも、発生の約1週間前に起こるという。 (2011年7月15日 読売新聞)
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