宮阪、決勝ＦＫで２位に浮上…山形

　◆Ｊ２第９節　北九州０―１山形（２２日・北九州市立城陸上競技場）　Ｊ２山形がＪ１への自動昇格圏内の２位に浮上した。山形は敵地で北九州と対戦し、１―０で勝利した。前半２０分にＭＦ宮阪政樹（２２）がゴール中央約１７メートルの位置から、直接ＦＫを沈めた一撃が決勝点となった。初対戦の難敵を下して今季６勝目をもぎ取った。明大から加入したルーキーの２戦ぶり３得点目で、今季２度目の３連勝で今季最高の２位に躍進。目標の１年でのＪ１復帰への道がはっきりと見えてきた。

　モンテが昇格圏内にキター！　ＭＦ秋葉へのファウルで得た直接ＦＫの前半２０分のチャンス。宮阪は助走２歩で６枚のＤＦを越える弾道でボールをゴールに突き刺した。「壁を越すイメージで蹴った。ＧＫにさわられたけど入ってよかった」。今季最高の２位へとチームを押し上げる一発。得点後はベンチ前で頭をはたかれ、明大の５年先輩のＤＦ石井にはあごをつかまれる手荒い祝福を受けた。

　今季３点目、ＦＫ弾は先月２０日の甲府戦以来プロ入り２発目だ。「甲府戦で決めてから力をぬいて蹴るようにしている」と感触がよみがえってきた。目標は点の取れるボランチ。Ｆ東京Ｕ―１５に入団した中学時代は当時、トップチームで活躍していたＭＦ宮沢（現大分）の蹴り方をまねた。「ボールの持ち方、置き方は僕と同じスタイル。（先月１７日の）大分戦でも話ができた」。“師匠”と再会したことで、自分の原点のＦＫを思い出した。

　山形が獲得を決めたのは技術だけではない。「大学選抜では試合に出られなくても主将としてチームに献身的だった。それがオファーの決め手」とクラブ関係者。小柄なサイズ（１６９センチ）から声がかからず、ＪＦＬのホンダロック（宮崎）以外オファーはなかった掘り出し物。将来は主将として首脳陣から期待されている。“幹部候補”だ。８日の横浜Ｃ戦では契約を希望する５人以上の代理人が試合を観戦。クラブ内外からの注目度はＪ２屈指の存在だ。

　黒星からスタートしたがこの白星で自動昇格圏に躍進。山形よりも８度も気温が高い北九州での一戦に勝利し、「地元より湿度も高い難しい状況で力を発揮してくれた」と奥野監督も選手の底力に感激。咲き始めた山形の桜と歩調を合わせるようにモンテの勢いと成績も一気に開花してきた。