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マイバッグで万引き スーパーや書店、自衛に腐心

2020/8/14 9:24 (2020/8/14 12:15更新)
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つちうら古書倶楽部(茨城県土浦市)では、入店時にエコバッグを預けるよう呼び掛けている(同店提供)

つちうら古書倶楽部(茨城県土浦市)では、入店時にエコバッグを預けるよう呼び掛けている(同店提供)

レジ袋の提供が7月から有料化されたことを受け、スーパーや書店の間で「マイバッグを悪用した万引きが増える」との懸念が広がっている。未精算の商品を入れられれば万引きを見破るのは難しく、実際に被害も起きている。買い物中はマイバッグを預かるなど、店側は自衛に追われる。

7月中旬、東京都練馬区のスーパー「アキダイ」で、周囲をうかがう女性がいた。店員の死角に移動し、買い物カゴの商品を次々とマイバッグに詰め込む。カゴに残した数点の会計を済ませ、店を出たところを警戒中の店員が呼び止めた。バッグには果物や鮮魚など5点、計約1500円分の未精算品が入っていた。

店では4月ごろからマイバッグを使った万引きが目立ち始め、7月以降は少なくとも6件起きた。レジ袋の商品は精算済みと判断しやすいが、マイバッグは分かりづらい。秋葉弘道社長は「万引きの疑いがあっても、確信がなければ声をかけるのは難しい」と悩む。

同店は対策として、7月下旬から精算前後で買い物カゴの色を変えた。レジ近くの台でマイバッグへ商品を詰められるのは精算後のカゴからに限定。精算前のカゴを持った客がマイバッグを広げるなど不審な動きにも気付きやすくなるという。

「エコバッグは必ずレジにお預けください」。茨城県土浦市の古書店「つちうら古書倶楽部」は7月末、店の入り口に張り紙を掲示した。万引きが多発しているとして、マイバッグや口の開いた手提げバッグはレジに預けるか、畳んでおくよう呼びかける。

店主の佐々木嘉弘さん(66)によると、7月以降、来店時に空だったマイバッグが膨らんだ状態で店を出る客が目に付くようになった。狙われるのは、絶版の漫画や小説など高額な本ばかり。佐々木さんは「古本なので『家から持ってきた』と言われればどうしようもない。お客さんを疑うようなことはしたくないが苦肉の策だ」と話す。

レジ袋の有料提供は、プラスチックごみの削減を目的に7月1日に義務化された。店頭でエコバッグを販売する小売店もあり、持参する人は増えている。大手コンビニエンスストアが7月に実施した調査では、レジ袋の辞退率は7割を超えた。

小売業界ではマイバッグが普及し始めた2000年代から万引きに悩まされてきた。全国万引犯罪防止機構(東京・千代田)の10年度の調査では全国のスーパーや書店、薬局など319社の4割弱が「マイバッグの影響で万引きが増えた」と回答した。

機構は12年、店内のマナーとして「マイバッグは折り畳んだ状態で持ち込む」「他店で買い物した場合はバッグの口を閉めて入店する」などの提言をまとめた。今年8月からは、こうした内容を記載したポスターを小売店などに配布している。

警察庁の統計によると、19年の刑法犯全体の認知件数は約74万件で、09年から6割減った。万引きも減少傾向だが、19年は約9万3千件で、同期間の減り幅は3割にとどまる。機構の光真章事務局長は「マイバッグの普及が加速する中、店側の自衛策には限界もある。警察や行政、消費者団体なども連携して万引き対策を講じていく必要がある」と話している。

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