桃井はるこのバーチャリアンコ日記Vol.34

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97年

3月30日

 今日は、アイドルオムニバスライブ「ピュアドロップスVol.5」に出演しました。

 わたしは、開演2時間前に会場である「中目黒サウンドビート」に到着しました。ここは、いわゆるカラオケボックスで、そこのパーティールームのような部屋でのステージになります。さっそく、今日わたしと同じ1部に出演するプレアイドルのみなさんが会場に集まり、リハーサルです。わたしは以前ライブや宣材撮りで一緒になったことがあった、しのづか美優ちゃん、相葉さやかちゃんといっしょに自分の番を待っていました。

 前回の日記のとおり、わたし自身がアイドルのライブに出るのは今日で最後です。総勢15組のプレアイドルのみなさんが出演する中で、今日のわたしの出番はなんと、15番め。音合わせの時、本番と同じように歌いながら、今はまだお客さんがいないこの会場に、いったいどれくらいの人が来て、応援してくれるかな、って、不安と期待が入り交じった心境になりました。

 リハが終わり、衣装や荷物を持ってエレベーターで控え室に向かおう、としたら...おお!わたしの高校でのクラスメイト、アイドルの沢野ユカリちゃんが来てくれているじゃありませんか!ユカリちゃん、ありがとぉー。と、いうことで、わたしは控え室で、ユカリちゃん、同じライブに出演するさやかちゃん、冬花ひとみちゃん、清水香里ちゃん達と待ち時間を過ごしました。

 控え室はカラオケボックスの一室です。わたしの出番まで、まだ3時間くらいあります。みんなでおしゃべりしたり、プリクラ交換したりして過ごしました。ユカリちゃんは今、元ラズベリーのメンバーの方と一緒にグループを組んでるので、「ねぇ!カリメロ」をカラオケでハモって歌ったりもしました。そんなこんなで、だんだんとわたしの出番が近づいてきました。

 わたしは「ときめきメモリアル」の冬服のコスプレ衣装に袖を通し、胸のリボンと同じ色のヘアバンドを装着しました。

 挨拶をして、舞台の袖に入りました。ステージの音が聞こえます。一緒に待っていたわたしの前の順番の水城里菜さんが司会の声に呼ばれ、飛び出して行きました。

 あぁ、次だ。わたしは、あんまり緊張しないほうだと思っていたのですが、ひとつのイベントを締めくくるという重大な任務、そして、プレアイドルの最後のステージが始まるんだ、っていう気持ちで、鼓動がすこし速くなっているのを感じていました。

 水城さんの曲の終わりが聞こえました。わたしは、ライトの中へ元気よく跳び出していきました。

 すごい。大入り満員、すずなり(死語?)です。ひとりひとりの顔を見ます。知ってる人もいるけど、知らない人もいっぱいいます。

 最初の曲「同級生」を歌い終わり、みなさんに挨拶をしました。そして、言いました。「突然ですが、桃井はるこはプレアイドル活動を休止します」。みなさんが「えーっ!」ってびっくり(びっくりしたふり、かな^^;)してくださいました。わたしは、今回プレアイドル活動をやめようと思った気持ちをお話しました。実は、ここはあえてなにを話すか考えないでステージに上がったので、なんて言ったかよく憶えていません。でも、今の素直な気持ちをそのまま伝えました。

 そして、高校卒業、とかいろんな意味をこめて「さよならのチャイム」。みなさん真剣に聴いて、わたしのことを見ていてくれていて、感慨深かったです。

 最後の曲は「おニャン子クラブメドレー」。この曲は、原宿の歩行者天国でわたしがはじめて「桃井はる子」と名乗った時にも最後に歌った曲、そして、わたしのアイドルの原点といえる「おニャン子」、イベントに行くきっかけとなった水野あおいさんがメンバーだった「フェアリーテール」というグループの曲であること、そんな思いで選曲しました。

 みなさん、曲に合わせて手拍子をしてくださって、要所要所で叫んでくださって、とってもうれしかったです。わがままなわたしに暖かい声援をおくってくれて、みんなとっても優しいな、ってとても幸せな気持ちになりました。

 こうして、桃井はるこ最後のステージはアッっという間に終わってしまいました。でも、みなさんのおかげで、ほんとに、とってもすてきなメモリアルになりました。どうもありがとうございました。

 桃井はるこは今日でプレアイドル活動を休止します。その理由のひとつに、「桃井はるこは、自分じゃなくて、本当にアイドルに向いてる子がいると思っている」っていうことがあったんです。最後のライブの日、その思いを確認する出来事がありました。

 1部のリハーサルが終わったあと、2部のリハーサルをしていた、加藤西里奈ちゃん。彼女はまだ14歳で、体はちっちゃいけど、才能があるのに努力をしています。いつも、どこで会っても「こんにちはー」って明るく挨拶してくれます。いつも歌も踊りも全力投球で、パワーがあって、かわいい笑顔があって...。たとえリハでも手を抜きません。まだお客さんのいない会場で、本番と同じように、楽しそうに歌い踊っています。...はるこは、本物の輝きを持ってる彼女を見て、幼い頃に思い描いていた理想のアイドル像をそのまま見せてもらった気がして、なんだか信じられないような気持ちにさえなりました。そして、「やっぱりわたしの決断は正しかったんだ」とあらためて感じました。そして、励まされました。

 これからも、桃井はるこは桃井はるこにしかできないこと、桃井はるこが最大に輝ける場所を求めて、がんばっていきます!どうか見守っていてくださいね。


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