DOS/V博物館

DOS/V Diskette

DOS/Vをその開発者の立場として個人のホームページで扱うのも、公私混同というか、ある種のあつかましさを感じさせるのではないかという気持ちで、このホームページではいままであまりDOS/Vというものの匂いが出ないようにしていましたが、考えてるとDOS/Vも登場からもう10年近くの年月が流れていて、その目的も十分果たし、既にDOS/Vそのものを知らない世代が増えている現状を考えると、このまま自分の記憶が薄れていくのにまかせるよりも、どこかに記録を残しておこうと思い立ち、このページを立ちあげる事にしました。

最初のお断りしておきますが、公式ページではなく、個人ページですので、多聞に個人的な見解もノスタルジーな雰囲気も目に付くとは思いますが、その点はご容赦ください。

この上の写真は、世の中を変えたDOS/Vの2枚組のディスケットです。


目次

DOS/V関連年表

1981  8		IBM PC発表
1982  3		IBM PC/XT発表
1982 10		NEC、PC-9801を発売
1983  3		IBM 5550発表
1983 11		IBM PCjr発表
1984  8		IBM PC/AT発表
1984 10/29      IBM JX発表
1985 02		JustSystem IBM JX用の日本語ワープロ「jX WORD」を発表
1985 05/20      日本語文節変換プログラム(AKIS)発表
1985 11/25      JX-5発表
1986 6/23       JX-II開発中止
1986 12		東芝、J-3100を発表
1987 3/19       1st DOS/Vプロトタイプ on 5570
1987 4		IBM PS/2シリーズ発表 
1987 10/14      2nd DOS/Vプロトタイプ on 5535-M
1988 11/16      IBM 5530Z発表
1989 10         IBM 液晶ラップトップモデル5535-M発表
1990 10/27      IBM VGAを採用した液晶ラップトップモデル5535-Sとその専用OSとしてDOS Ver4.05/V発表
1991  3/11      IBM 「PCオープン・アーキテクチャー推進協議会」(OADG)設立
1991  3/27      IBM PS/55 note発売
1992 10/01	COMPAQ 低価格機Prolinia発表
1992 10/21      IBM PS/V発表
1993  3/31      DOS/V Video Extension(V-Text) 発表
1993  5         IBM ThinkPad220発表
1993 11/08      PC-DOS/VとMS-DOS/Vの違いが明らかに (PC-WAVE '93/12)
1993 11/04      PS/V Vison発表、DOS/V3周年記念(Royal Park Hotel)

DOS/V開発関連記事


IBM JX

IBM-PCの家庭向けバージョンとして発売されたIBM PCjrの日本語化バージョン。JXの名前はJAPANと当時の開発コードネームに由来する。CPUは8088 4.77MHz,メモリ64KB-256KB,3.5" FDDx2というスペックである。解像度は最大720x512ドットと当時のPCの標準であった640x400を引き離していた。英語モードカートリッジを差し込むことで、BIOS ROMを全て置き換えられるような設計のバイリンガルコンセプト、世界初のデュアルシンクモニター、2画面分のVRAMによるスーパーインポーズ、3.5" 720KBのフロッピーディスクドライブの採用など、優れた設計ではあったが商業的には大失敗であった。その後、JXでIBM-PCのソフトが動く事が理解されるにつれ、草の根BBSのホストなど、隠れた所で使われ続けた。


日本語文節変換プログラム(AKIS)

JustSystem製かな漢字変換ATOK2のOEMバージョン。上位機種の5550マルチステーションがまた単漢字変換しか実現していない時期に、強力な連文節変換を実現した。


IBM JX

JXの追加モデル。メモリを256KBに、CPUクロックを7.5MHzに上げたモデル。全面パネルにクロック切り替えスイッチを備えていた。


JX II

幻のJX後継モデル。仮のモデル番号は5510でその後PS/Vがこの番号を使うまでは、永久欠番になるはずであった。CPUは80286。JXフルコンパチブルでありながら、この時期にまだどこでも実現されていなかったVideo ChipによるHardware BitBlt機能を搭載し高速な画像処理を実現していた。BIOS ROMを英語、日本語と物理的に2つ搭載し、それをスイッチで切り替えることで英語BIOSではPC-ATコンパチブルを実現していた。JX IIもバイリンガルモデルであった。

JX II


1st DOS/Vプロトタイプ on 5570

5570は80386を採用したPS/2 Model70の日本モデルであったが、OSは従来の5550シリーズと互換性のある24ドット表示の(/V無しの) 日本語DOS 3.3が提供された。 この時、日本語をHardWareで表示させるために追加されていたのが、日本語表示アダプター/Aである。

Display Adapter V

この時、プロトタイプとして作成されたのが、DOS 3.3/V。まだまだメインメモリが少なくて、メモリ上にフォントパターンを置けないので、漢字フォントROMを搭載した漢字フォントROMカードと組み合わせて日本語を表示した。

Display Adapter V


DOS/V Extension (V-Text)

DOS/Vはソフトウェアでグラフィックスプレーンにフォントを書き込んで表示する方法であるので、原理上、小さいフォントを使ったり、高い解像度のディスプレイを使えば、固定した80桁x25行の日本語ではなく、任意の文字数の表示か可能になる。DOS/V開発時点で、XGAの1024x768の画面を使用したDOS/Xは動作していたが、市場を見ながらDOS/V Extensionとして世の中に登場する。写真はそのきっかけになったXGAディスプレイアダプター

XGA Display Adapter


そもそもDOS/Vとは

PC AT用のPC-DOS(MS-DOS)を日本語が扱えるように拡張したもの。公式にはVGAを使用した液晶ラップトップ5535-Sの専用DOSとして発表された。

しかし、世界に一億台と言われるPC ATでもほとんど動作し、そのまま日本語環境を構築できる事が知れるにつれ、静かに広まっていった。日米のPCの価格差がそれを後押しした。

DOS/Vの"/V"はVGAのVであり、間のスラッシュは、そのころのPS/2やOS/2、XGA/Aなど、IBMが当時使った命名法にならっている。

DOS/Vは特別な日本語用のハードウェアを利用せず、ソフトウェアだけでグラフィックスプレーンにフォントを書き込む事で日本語を表示する。技術的にはこの方法はDOS/Vがはじめての試みではないが、80386とVGAをターゲットにした事が成功の一要因である。DOS/Vの設計(Architecture)を一言で言えば、"Simple is Best"。

初期のDOS/Vのコアのコードは約1万行くらい、これは一人で面倒を見るには丁度いいサイズである。


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