ヴェルディ東京移転YES
川淵チェアマンGOサイン

 ヴェルディ川崎の東京移転に、事実上のゴーサインが出た。Jリーグの川淵三郎チェア マン(62)は19日、理事会後の会見で「現状では移転を止める動きはない」と発言。 クラブの経営安定のためには本拠地移転を認める考えを示した。ヴェルディは93年にも 東京移転を打診していたが、当時はJリーグの反対にあっていた。移転はJリーグ理事会 の承認が必要で、早ければ次回(11月16日)の理事会で結論が出る。

11・16理事会で結論

川淵チェアマンに聞く
ホーム・等々力競技場の観客動員が伸び悩むヴェルディ。東京移転で人気回復なるか(3
月13日の対セレッソ大阪戦から)
ホーム・等々力競技場の観客動員が伸び悩むヴェルディ。東京移転で人気回復なるか(3 月13日の対セレッソ大阪戦から)

 Jリーグの最高責任者である川淵チェアマンから注目の発言が飛び出した。「クラブの 安定経営が最優先。移転によって経営が改善されるならば認められる」会見でチェアマン は「クラブの安定経営」という言葉を何度も口にした。昨年度のリーグ戦入場者数は36 6万6496人で、絶頂期だった95年度の615万9691人の約半分に落ち込んでい る。こうした現状では「ホームタウンを変更してはならない」という地域密着の理念も捨 てざるを得なかった。

 チェアマンはこれまでのヴェルディの地域密着に対する努力を評価。「ヴェルディが積 極的に地域に根付こうとしたことは認める。観客が増えるならば、移転はむしろ歓迎すべ きこと」来季からは本拠地を同じくする川崎フロンターレのJ1昇格が確実で、競合によ る観客減少にも配慮した。

 受け入れ先の東京都は、移転に歓迎ムード。財政難に悩む都にとって、FC東京とヴェ ルディの2チームが新スタジアムを使用すれば、スタジアムの維持が容易になる。自治体 の承認という最低条件はクリアできそうだ。

 本拠地移転に関して、Jリーグ規約では1年以上前までに申請する必要があると明記さ れているが、チェアマンはこれに関しても柔軟な姿勢を見せた。ヴェルディが本拠地に予 定している東京スタジアムの完成は2001年。ヴェルディが早期の移転を望んだ場合、 来季は国立競技場や駒沢競技場などを暫定本拠地とする“ウルトラC”案が認められる可 能性もある。
 
  前回のヴェルディ移転問題
 ▽93年10月19日 東京・調布市が米軍基地跡地に建設する新スタジアムに合わせ て、ヴェルディと東京ガスに対し誘致活動。
 ▽12月3日 渡辺恒雄・読売新聞社社長がヴェルディの東京移転構想を発表。
 ▽6日 小川一成社長(当時)が川崎市長を訪れ、東京・調布への移転構想を伝える。 川崎市側は反発。
 ▽7日 ヴェルディと川崎市がJリーグに事情説明。リーグが「白紙に戻して」と残留 を直訴。
 ▽9日 サッカー協会理事会でヴェルディに移転希望撤回を要望。
 ▽10日 調布市が円満解決を前提に正式誘致を決定。川崎市は誘致に反対。
 ▽14日 Jリーグが実行委員会で「Jリーグの理念に反する」と東京移転の白紙撤回 を勧告。ヴェルディも同勧告を了承。
 
  
 〇…ヴェルディ川崎の東京移転へ、川淵チェアマンが前向きな話をしたことを受けて、 この日、東京・稲城のクラブハウスにいたヴェルディの坂田信久社長(58)は「(チェ アマンが)そう言ってくれるのは、うれしいですが、(東京移転は)まだクラブとして検 討中の段階なので詳しいことは何もコメントできない」と明言を避けた。