【12月2日付紙面】

〜出場歌手発表〜

民放番組出身アーティストがずらり

野猿  大みそか恒例の「第50回NHK紅白歌合戦」(午後7時30分スタート、NHKホール)の出場歌手(紅白各27組)が1日、東京・渋谷の同局で発表された。今年は22年ぶりに活動を再開するかぐや姫など初出場10組、復活組6組で昨年とは16組が入れ替わった。1900年代最後で50回目ということもあり、大物歌手と交渉したが実現せず、昨年同様、野猿など民放番組出身の人気アーティスト頼りが目立った。

フジ出身の11人

 50回記念の紅白に殴り込む野猿は、フジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」から誕生した。メンバーは石橋貴明(38)と木梨憲武(37)を中心に番組スタッフら計11人。石橋らはともかく、フジの番組スタッフもNHKのステージに立つことになる。フジ広報部では「美術さんや衣装さんのスタッフはうちの正社員ではなく、他の民放さんの歌番組にも出演してますし、特に問題はないです」と語るが、今年も民放出身の人気グループが紅白の目玉となりそうだ。

 昨年の紅白では、日本テレビ「ウッチャンナンチャンのウリナリ!」から誕生したポケットビスケッツとブラックビスケッツが目玉企画となった。今年は野猿の番で、出場者会見に出席した石橋は「50回の記念ですし、瞬間最高視聴率を狙いたい。(司会の)久保(純子)アナウンサーはすっごいかわいいので、視聴率1位になったらキスしてもらおうかな」と発言。会見場にいた久保アナが思わぬ要求に赤面する一幕も。

 野猿は話題も豊富だ。11人で、紅白出演グループとしては史上最多人数だ。

 石橋と木梨は「とんねるず」として91年(平成3年)に紅白歌合戦に出場。それぞれパンツ1枚で体に紅白のボディーペインティングをするパフォーマンスで瞬間最高視聴率2位の58・2%を記録した。パンツ1枚400円合計800円の歴代最安値の衣装だった。

 さらに木梨は、96年に「憲三郎&ジョージ山本」というユニットで紅白に出場している。木梨にとって野猿が「初出場3回目」の快挙となる。木梨は「毎回新人の気持ちで出られるので新鮮」と笑った。石橋は「まだやり残したことがある。ライバルは小林(幸子)さんと美川(憲一)さん。NHKがご批判をもらうようなヤツを考えてます」と今回も派手な演出を約束した。
(写真=紅白歌合戦初出場が決まりカメラマンの注文でポーズをとる野猿のメンバー)

◆昨年はポケビ◆

 今年も民放番組で生まれたヒット曲が紅白を席けんしそうだ。野猿をはじめ、Something ELse、19(ジューク)、Hysteric Blue、鈴木あみ(17)などなど。

 NHKの島田源領芸能番組部長は「他局から生まれたが、単に番組のものではなく、曲はヒットとなり社会的に認知されている」と説明した。

 昨年、ポケットビスケッツ&ブラックビスケッツが出演した際、演出をめぐって日本テレビのスタッフが会場のNHKホールに入る異例の事態になった。今回はさらに多くの民放スタッフがNHKで仕事をすることになりそうだ。


かぐや姫、紅白で22年目の再結成

 南こうせつ(50)伊勢正三(48)山田パンダ(53)の3人で、1970年代に一時代を築いた「かぐや姫」が2000年1月1日に新アルバムを発売し、22年ぶりに活動を再開することが1日、分かった。新アルバムは「Best Dreamin’」(2枚組)で、「神田川」「なごり雪」「赤ちょうちん」など40曲が収録される。同アルバム発売後には、全国ツアーが予定されている。

 関係者によると、チューリップやゴダイゴなど70年代のバンドが再結成していることに影響を受け「70年代の歌が再びブームになっている今、20世紀から21世紀に向けてもう一度、かぐや姫として活動したい」という3人の思いが一致し再結成を決めた。

 その矢先の紅白初出場決定で、メンバーは「私たちの歌が21世紀にも歌い継がれることを願いつつ、大みそかに久しぶりに3人で歌います」と話した。

 同グループは75年(昭和50年)4月12日に解散し、同25日に最後のアルバム「かぐや姫TODAY」を発売。その後、ファンからの要望で78年5月に全国9カ所でコンサートを行い、今年8月には福岡の野外コンサートで飛び入りで3人で歌っている。22年ぶりのかぐや姫が全国のファンを沸かせそうだ。

◆うれしい復活組◆

 19年ぶり3回目のゴダイゴ 再結成、そして3カ月限定の復活を紅白出場という形で締めくくれてとても幸せであると同時に、世紀末、メモリアルイヤーの紅白に出場できることをとても光栄に思ってます。

 6年ぶり21回目の八代亜紀(49) 紅白歌合戦というのは歌手にとって特別なものです。その特別な舞台で、カウントダウンを迎えられるというのは、二重の喜びです。

 10年ぶり31回目出場の三波春夫(76) 私も今年で芸能生活60周年を迎えますので紅白歌合戦が50回という節目に出場できることをうれしく思い、張り切って歌います。


あゆとあみ

初出場あゆとあみ、会見で笑顔

 初出場を決めた浜崎あゆみ(21)鈴木あみ(17)はこの日の会見で、隣同士の席になった。浜崎の真っ白のロングコートに対し、鈴木は真っ赤なワンピースで登場。2人は今年、ヒットチャートを争った良きライバルだった。浜崎は「あゆのマミーが機嫌良く喜んでくれたのでうれしい。まだ、実感がないけど、スタッフとか皆さんに感謝しています」。鈴木は「自分らしいステージをつくっていきたい」と初出場の喜びを話した。お互いの印象について、鈴木が「実力を上げるためには自分がライバルだと思ってます。あゆちゃんはかわいいので好きです」と話すと、浜崎も「私も好き」と笑顔を見せた。
(写真=「ライバル意識はありません」と語る浜崎あゆみ(左)と鈴木あみ)

◆やったね初出場◆

演歌盛り上げる

 苦節18年で初出場の原田悠里(44)は「デビュー以来ずっと念願だったのでうれしい。両親や師匠の北島三郎先生、何よりファンの皆さんに感謝したい」と声を詰まらせた。リストラなど逆風が吹き荒れている演歌界からただ1人の初出場で「元気がないといわれていますが、日本の歌ですからね。また盛り上がるように頑張りたい」と話していた。

 初出場の3人組Hysteric Blue でっかい喜びです。と同時にワクワクしてます。歌うことしかできませんが、早く紅白に溶け込めるよう頑張りたい。

 結成1年で初出場の19(ジューク) 本番はマジ気合入れて歌いたい。昨年は九州でお正月してました。紅白を見ていた? バッチリです。


さゆり一転出場 不正融資関与否定

 国民銀行不正融資事件への関与が取りざたされていた石川さゆり(41)が、22回目の出場を決めた。石川は「1999年、締めくくりのお仕事です。大切に歌いたいと思います」とのコメントを発表した。  NHKによると、石川の一連の報道で、11月25日に予定していた出場歌手発表を中止した。29日には島田源領芸能番組部長らが石川と会い、説明を受けた。その場で石川は「何でこんな報道になるのか驚いている」とかかわりを否定。島田部長は「NHKと石川さんとの間には20年の信頼関係がある」。天海プロデューサーも「NHKには捜査権はありませんから」と話し、石川の主張を信じて出場を決めたようだ。

みんなで「だんご」

 今年の国民的ヒット曲「だんご3兄弟」の速水けんたろう(37)と茂森あゆみ(27)は紅組での出場となった。「おかあさんといっしょ」の歌のおねえさんだった茂森は「昨年はこの会見を、隣で番組のリハーサルをしながらのぞきに来ていたのに」と1年間での大変化に驚きのコメント。速水は「みんなの歌なので、大みそかにはみんなで歌ってほしい」と話した。

レコ大司会も

 ソン・フィルトル(仏語でフィルターのない両切りたばこの意)のメンバーの1人である堺正章(53)は、3年連続で白組司会者を務めた93年以来だが、歌手としては76年以来23年ぶりの出場となる。大みそかは紅白の宿敵のTBS「日本レコード大賞」の司会者も務めることになっている。ソン・フィルトルはザ・スパイダースのムッシュかまやつ(61)井上尭之(58)と3人で結成したバンドで「メンバーの年齢を足すと172歳になる高齢バンドです。還暦を迎えたムッシュかまやつが紅白初出場ということもあり、フレッシュな気持ちでステージを楽しみたい」とコメント。井上順(52)の応援も検討されている。

朋ちゃんら12組落選

 昨年の出場者から紅白それぞれ6組ずつ計12組が落選した。LUNA SEAは今年新曲を出しておらず、また1月1日午前0時から東京・有明でライブを行うため辞退した。JUDY AND MARYは活動休止中で対象外だった。橋幸夫(56)山本譲二(49)らは演歌の低迷の余波を受けた形。工藤静香(29)華原朋美(25)TUBE、T・M・RevolutionらはNHKの選考基準に届かず落選した。

大物実現せず

 【選考経過】今年のテーマは「歌おう未来へ〜時代と世代を越えて」で時間枠拡大により、出場枠が4組増えた。初出場10組だが、それほど新鮮な顔触れとはならなかった。特に白組の初出場5組も、かぐや姫、ソン・フィルトル、野猿は純粋な初出場ではなく、Something ELseも民放番組出身ユニットで、新鮮な男性歌手のコマ不足を感じさせた。紅組は鈴木あみ、浜崎あゆみらが実力で初出場。

 一方、50回目の記念紅白というわりには、驚く出場者はなかった。今年最大の注目の宇多田ヒカルには早々と断られた。矢沢永吉、サザンオールスターズ、松任谷由実、井上陽水、坂本龍一らにも出演要請したが実現には至らなかった。

 当初は11月25日に出場歌手を発表する予定だったが、天海修一チーフプロデューサーは「4組増加したのと、石川さんの件がありましたので」と説明していた。選考は今年もNHK放送文化研究所が行った3600人を対象にしたタレント調査などを参考にして行われたという。


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