今日のニュース(朝刊)



発行/2000年 3月 3日/北日本新聞

1 日数制限で4月以降予約激減/県内の特養ショートステイ

 介護保険制度導入が目前に迫り、県内の特別養護老人ホームで、四月以降のショー  
トステイ(短期入所)の利用予約が激減している。今年二月、制度の導入に伴って利  
用日数の上限が定められたためで、四月以降の予約が一件もない施設もある。各施設  
の職員は「介護保険のスタートで、在宅介護がかえって困難になるケースもありそう  
だ」と不安を募らせている。

 ショートステイは、自宅で暮らすお年寄りが、特養ホームなどに数日―一カ月程度  
宿泊して介護を受けるサービス。家族が日ごろの介護疲れをいやしたり、旅行で外出  
する際や農繁期などに利用する。

 これまでは利用者や家族の事情に応じ、自由に利用することができた。介護保険の  
導入後は、要介護度に基づいて利用日数が制限される。家族の介護負担が最も重い「  
要介護5」の判定を受けた人で半年当たり四十二日、一番軽い「要支援」は七日とな  
る。

 ショートステイ用のベッド十床を備える富山市小西のアルペンハイツは例年、四月  
の農繁期に向けて二月ごろから予約が相次ぐ。今年は二月下旬になっても、二件しか  
予約が入らなかった。

 高岡市上渡の香野苑も予約は低調。二十床のベッドは昨年のこの時期、四月分の約  
三割が予約で埋まっていた。今年は「白紙に近い状態」という。同苑は「緊急時に備  
えて、予約を手控えているのかもしれない」と推測する。

 二十床ある大門町中村のこぶし園も、四月以降の予約はまだない。同園在宅介護支  
援センターは「要介護認定や、ケアプランの作成作業が終わっておらず、いつ、どれ  
だけの日数利用できるか分からないのも理由の一つだ」と指摘する。

 富山市水橋新堀のしらいわ苑には最近、施設への入所を希望する家族が増えてきた  
。同苑の芝木正幸事務長は「在宅介護に不安を抱いたのだろう。介護保険制度は在宅  
介護重視を掲げているのに、このままでは逆の流れが生まれかねない」と話している  
。


2 魚津の山中に消えた2氷見女性足取り消えて4年/県警、捜査徹底を確認

 今年一月、新潟県柏崎市で九年間監禁されていた女性が保護された事件を受け、県  
警は県内の行方不明者の洗い直しを進めている。このうち、平成八年に姿を消した氷  
見市の女性二人=当時(19)=は依然、足取りがつかめず、事故や事件に巻き込ま  
れた痕跡すら見つかっていない。二人の家族は「あきらめようと思っているが、もう  
一度会えたら…」と、かすかな希望をつないでいる。

 二人は県立高校の同級生。八年五月五日夜、軽乗用車一台で氷見市から魚津市に向  
かったまま行方不明になった。二人のうち一人は出掛ける直前、家族に「魚津のお化  
け屋敷に行く」と告げている。同市には、中心部から約十キロ離れた山間地に温泉旅  
館跡があり、当時は「肝試しスポット」として、若者や暴走族のたまり場となってい  
た。

 県警と氷見、魚津署は、二人が事件に巻き込まれたか、海や谷底に転落した可能性  
があるとみて周辺を捜索。二人が旅館跡近くまで行ったことは確認できたが、それ以  
後の足取りはぷっつり途絶えている。軽乗用車が県外に出た形跡はなく、車はいまだ  
に見つかっていない。翌年三月には二人の写真や特徴を掲載した「たずね人」のポス  
ターをつくり、情報提供を求めた。

 失そうから間もなく四年。新潟県の少女監禁事件が明らかになり、警察庁は全国の  
未成年者行方不明事件の捜査の見直しを通達した。県警刑事部と生活安全部は二月二  
十二日、捜索の継続を再確認し、あらためて預金通帳やポケベルの通信記録、運転免  
許証の更新状況など調べたが、痕跡は見つかっていない。

 一人の女性の祖母は「そろそろ孫娘の魂を休ませる場所を作ろうと考えている。で  
もあきらめきれなくて…」と漏らす。もう一人の女性の祖父母は「朝起きると、庭に  
あの子の車が止まっていないか探してしまう。新潟の女性のようにうまく発見できれ  
ばいいが、もう国内にいないのかもしれない」と肩を落とした。孫娘の部屋は、今で  
も四年前のままにしてあるという。

 西垣県警捜査一課長は「事件、事故のどちらに巻き込まれたか断定できないが、こ  
の時期であるし、関心を薄めないよう捜索を徹底したい」と話している。

 県警が受理した家出人の捜索願は十一年が八百五十六人で、今年は二月末までに百  
二十六人を数える。公開されている「尋ね人」は氷見市の女性二人のほか、八年十一  
月に車で家を出たままとなっている大門町の女性=当時(25)=がいる。


3 当時の社長ら4人書類送検/燐化学工業爆発事故/県警と新湊署

 十年十一月に燐化学工業(新湊市新堀)の高純度赤リン製造工場が爆発、従業員二  
人が死傷した事故で、県警と新湊署は二日、業務上過失致死傷の疑いで、東京都調布  
市菊野台、鶴田幸靖同社元社長(68)ら四人を書類送検した。

 このほか書類送検されたのは、仁平寛久同社常務(53)=富山市岩瀬古志町▽大  
村昌康同生産部長(54)=同市豊城町▽中谷正樹同開発チームリーダー(58)=  
同市岩瀬古志町。

 爆発事故は十年十一月二十九日午後零時五分ごろ、同社が製造、開発した高純度赤  
リン製造装置プラントの硝酸処理槽の試運転中に発生。男性従業員一人=当時(23  
)=が死亡、一人(50)が重傷を負った。工場の壁や屋根が吹き飛び、周辺の会社  
などでもガラスが割れるなどの被害が出た。

 調べによると、鶴田社長らは、高純度赤リンの原料となる黄リンと硝酸を混ぜる工  
程で高熱が発生するにもかかわらず、化学反応による爆発の「反応暴走」を回避する  
設備をつくらず、安全性を十分に検討しないまま、従業員に試運転をさせた。

 同装置は事故一カ月前から稼働させたプラントで、開発チームが信号機の発光材料  
など先端電子関連部品の素材となる高純度赤リンを独自に試作。一回目の試運転はチ  
ームほぼ全員で監視したが、事故が起きた二回目の試運転は従業員二人だけが自動化  
された作業を監視していた。

 同署は試運転に至るまでの研究、開発経過や同社幹部の関与状況を捜査。安全な管  
理体制を怠った、危険回避のマニュアルが十分でなかった―などの過失があったと判  
断した。

 同社の中島武俊社長は「事前に労基署にもプラント建設の相談をしており、設備面  
に不備はないと思った。従業員や近隣の会社に迷惑をかけたことは申し訳ない。事故  
を教訓に再起したい」と話した。

 高岡労基署は昨年八月四日、労働安全衛生法違反の疑いで、同社と鶴田元社長、仁  
平常務、大村生産部長を書類送検。地検高岡支部は一つの事件として処分を決める方  
針。


4 富山は2日早い4月7日/桜開花/高岡9日/14年連続暖冬傾向

 富山地方気象台は二日、県内の桜(ソメイヨシノ)の開花予想を発表した。富山は  
平年より二日早い四月七日で、高岡は一日早い九日になる見込み。花芽に影響する二  
月の気温は平年よる低く推移したが、開花を左右する三月の気温が平年より高いこと  
が予想されるためとしている。昨年の富山の開花は四月一日だった。

 今冬(十二―二月)は暖冬で、平年並みの年を含め昭和六十二年から十四年連続に  
なる。

 富山の三カ月間の平均気温は四・〇度で、平年(三・一度)よりやや高かった。降  
雪量は二七四センチで平年(三九五センチ)を下回ったが、平年並みの範囲。真冬日  
は二月十六日の一日のみ。最高気温は一月六日の一八・三度、最低気温は一月二十八  
日の氷点下四・二度だった。

 今冬は寒気が強弱を繰り返し、激しく寒暖が変動した。

 十二月は晴れる日が多かったが、中旬から下旬にかけ寒気が入り、まとまった雪が  
降った。一月は寒気の南下がなく、気温が高めで推移、上旬の平均気温は七・五度と  
観測史上、同期間の第一位を記録した。月の平均気温も四・六度で、第三位の高さと  
なった。

 二月は一転して強い寒気が流れ込み、雪が降り続いた。降雪があったのは二十三日  
間で、降雪量は一六二センチ。下旬は冬型の気圧配置が弱まらず、平均気温が〇・二  
度と史上第五位の冷え込みとなった。



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