ROOTS

〜You Can't Put Your Arms Around A Memory


第三回 影響を受けた友人たち Part 1 洋楽デビュー
音楽と出会うきっかけには色々ある。ラジオ、テレビ、雑誌などメディアを通して出会うことも多いけれだろうし、兄姉からの影響というケースもあるだろう。けれどやはり学生にとっては友人からの影響というのは大きなウェイトを占める部分ではなかろうか。


うちの中学にもいたのですよ、変な奴が(褒めてる)。うちの学校でも中3くらいになるとトンガった連中(笑)バンドブームなんか馬鹿にして洋楽を聴くようになっていた。彼らに対して恐らく一番影響力を持っていたのがこの男。

当時既に髪をのばしていて、今の若いひとは知らないだろうが80年代には長髪というのはそれはもうアウト中のアウトだったのだ。(ロン毛なんて言葉はその頃まだない)、しかも文化祭ではアコースティックギターでティラノザウルス・レックス「ホット・ロッド・ママ」を歌う、なんてそんな中学生今でもなかなかいないだろう。


卒業ライブなんてのがあったのだけどその際には他がBOφWYとかブルーハーツをやってるなかN.I.B.というバンドでブラックサバスのコピーをやっていた。しかも長髪に花柄シャツ、ラッパズボンといういでたちで。今の若いひとは知らないだろうが80年代ラッパズボンつったらそれはもうダサさの象徴みたいなものだったのである。親の世代の写真で見て、馬鹿にするためのものでしかなかったのだ。ベルボトムなんていう洒落た呼び方ではなく、あくまで「ラッパズボン」という差別語的な語感のある呼び方をされていたのである。80年代にはインだったスリムジーンズが今やダサさの象徴と化してるのと併せて考えるとなかなかに興味深い。


で、そんな彼がわたしにダビングしてくれたのがDavid Bowie『Ziggy Stardust』だったのだ。Up-BeatBOφWYなど、わたしが好きだった日本のバンドは70年代に青春を過ごしていたひとが多く、そうした人々に致命的な影響力を持っていたのがBowieせんせいだったわけだが、当時契約の関係で彼の70年代の作品はすべて廃盤状態。『Let's Dance』以降の80年代作品やTin Machineしか手に入らなかったのである。当時Bowieのアルバムといえばレコード屋でかなりのプレミアを付けて売られていたという証言もあるのだが、中坊の分際でこの男は何故そんなレア盤を持っていたのか謎ではある。が、ともかくありがたい存在だった。


他にもT-Rex(彼の一番好きなのがT-Rexだった)の『The Slider』『Tanx』のテープを貸してくれたり、それほど仲が良かったわけではないけどやはり大きな影響を与えられていると思う。


そうそう、彼はあの頃からアナログにこだわりを持っていたというのも特筆すべき点だ。昔の音楽はアナログ盤で再生されるのを念頭において録音されているのだからアナログで聴いたほうが良いのだ、と言ってたように思う。今の若いひとは知らないだろうが、80年代末から90年代の頭ってアナログの需要が一番なかった頃だったのだ。みんな「これからはCDだよ」つってヴィニール盤なんかには見向きもしなかった頃なのである。こうしてみると単に古い奴なのが結果として先を行ってたというケースな気もしてきますね。彼はいまどうしているのだろう。

(19990828)

第四回 洋楽デビュー ラジオ篇

index

home