宇多田ヒカル紅白辞退

紅白歌合戦の出場を辞退した宇多田ヒカル。NHKは大きな目玉を失ってがっくり 宇多田ヒカルが紅白出場を辞退―。今年の「NHK紅白歌合戦」(12月31日)の目玉の一つとされていた歌手・宇多田ヒカル(16)が、「レコーディング専念」を理由に出場を辞退したことが14日、分かった。東京・渋谷の同局で行われた定例会見で発表された。宇多田に熱烈ラブコールを送っていた海老沢勝二会長(65)も「残念」と渋い表情。一番の目玉を失った同局は落胆している。

 紅白から、今年一番の注目歌手が消えた。NHKと宇多田側は今月5日に「紅白出場」について話し合った。その席上で、宇多田の父親で所属事務所代表取締役の宇多田照實(てるざね)さんと所属レコード会社が、「紅白の出場歌手選考リストから外してほしい」とNHKに申し入れた。

 宇多田側は理由を「学業優先の方針のため、学校が休みになる冬休みしかレコーディングなどの制作活動に専念できない。紅白は時期的に重なってしまう」と説明。NHKはこの申し入れを受け、宇多田をリストから外し、出場要請を断念した。NHKによると、この時期の出場辞退表明は、昨年の歌手・都はるみ(51)に次いで2人目。極めて異例だという。

 宇多田は今年、日本の音楽史上初めて700万枚のアルバムを売り上げた。出演したテレビ番組は軒並み視聴率がアップ。一躍、音楽シーンのトップに躍り出た。NHKは今年6月に早々と出演を要請。先月の定例会見では、海老沢会長自ら「人気が高くて歌も評判となれば出演交渉する」とラブコールを送っていた。

 宇多田にふられた形の海老沢会長は渋い表情。「いろいろな面で活躍した人なので、ぜひ出演してもらいたかったが、事務所の申し入れを受けざるを得ない。残念です」とがっくり肩を落とした。

 今年の紅白は1900年代最後の年で、しかも第50回の節目に当たる。NHKは例年以上に力をいれていたため、一番の目玉を失ったショックは大きい。同局のある職員は「出ハナで大きくつまずいた。今年の紅白はいったいどうなるのか」と、宇多田の辞退に不安そうな表情を浮かべていた。

 ◇テーマ決まる  今年の紅白のテーマは「歌おう未来へ〜時代と世代を越えて」に決まったことがこの日、同局から発表された。「2000年を新しい出発点とし、世代を越えて99年最後の時間を楽しもう」というもの。

 今年は12月31日午後7時半から同11時45分まで放送の予定で、例年より開始時間を30分繰り上げる方向。このため、出場者も例年の紅白各25組から数組増える。また、これまで番組に挟んでいた5分間のニュースを10分に延長し、「2000年問題」も詳しく取り上げる。

 司会者は11月中旬に、出演者は11月下旬〜12月上旬に発表される。

 また、紅白に続く「ゆく年くる年」(後11時45分)では紅白が終わったNHKホールに再びカメラを戻し、出演者全員で2000年のカウントダウンをする。


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