NHK「紅白歌合戦」の超豪華衣装で知られる歌手の小林幸子(47)が、今年大みそかの紅白を最後に「ド派手衣装」の演出をやめることが24日、明らかになった。ここ10年ほど、お茶の間の視聴者を驚かせてきた舞台セットのような豪華衣装だが、20世紀の終わりとともに“封印”される。29、30日に迫った紅白のリハーサルに合わせ、小林自身が封印に至った心境などを語る予定だ。
大みそかの「風物詩」となった感もある小林の超豪華衣装。ここ10年、年々ゴージャスさを増してきた衣装という名の“舞台装置”は、今年大みそかの紅白で見納めになる。現在はラストとなる今年の「超豪華衣装」の準備が着々と進んでいる。
関係者によれば、衣装演出の封印は小林自身の判断だという。毎年、紅白出場歌手が決まるはるか前から企画、準備を進める年中行事。お茶の間の注目は年々高まり、本紙が集計する紅白の歌手別瞬間視聴率でも上位をキープ。重圧は大変なレベルに達している。
関係者は「そんな状況にひとまず終止符を打ち、新世紀はフレッシュなスタートを切りたい、というのが本人の意向のようです」(関係者)と明かす。NHKの制作サイドにも「今年で最後にしたい」という小林の意向はすでに伝えられている。
小林の衣装が注目され始めたのは、元号が平成に変わったあとの90年以降。下積み時代に同行した金井克子のレビューショーや市川猿之助のスーパー歌舞伎からヒントを得たもので「お客さまが楽しんでくれるなら何でもやる」というプロ精神が基本にあったという。だが、舞台上で披露する歌以上に、衣装が注目を集める状況に、小林サイドも少しずつ違和感を感じ始めていたようだ。
小林は現在のところ、紅白自体の“卒業”は考えておらず、来年以降も「声がかかれば出演する」という方針を守る。今年で連続22回出場。長く目玉歌手として番組を支えたベテランは「従来の華美な衣装ではなく、違った見せ方、演出を考えるのではないか」(関係者)。
6日後に迫った今年の紅白は、小林の豪華衣装のラスト舞台。ファンが長く親しんできた恒例演出だっただけに、多くのファンの反響を呼びそうだ。(幸子 衣装の歴史へ)