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『エヴァ』講座

 『エヴァンゲリオン』新規参入ファンのために、ここで、ざっとこれまでのエヴァについて振り返ってみよう。

そもそもエヴァとは?
 95年10月から96年3月まで、テレビ東京系で放映されたテレビアニメ・シリーズ(全26話)。平均視聴率こそ7・1%だったが、後半からジワジワと口コミを中心に盛り上がり、放映終了後のブームへとつながっていった。映画は、このTVシリーズの続編。

TVシリーズのストーリーは?
 西暦2015年。人類は、15年前の大災害「セカンド・インパクト」からようやく立ち直りつつあった。しかし、そんな人類を新たな脅威が襲う。「使徒」と呼ばれる謎の巨大物体が襲来したのだ。使徒が目指すのは第3新東京市。どうやら、この街には使徒にとって重要な「何か」があるらしい。この危機をなぜか予測していた超国家的組織・特務機関ネルフは、唯一使徒に対抗可能な汎用人型決戦兵器・人造人間エヴァンゲリオンを極秘裏に開発していた。しかし、この「エヴァ」に搭乗できるのは、選ばれた14歳の少年少女だけだった……。
 物語は、ネルフの司令である父・碇ゲンドウに突然呼び出され、自分の意志に関係なくエヴァに搭乗することになった主人公・碇シンジの視点を中心に語られていく。シンジは幼い頃父に捨てられたと思い込み、他人との接触を極度に恐れている。また、彼を取り巻くネルフの人々も皆一様に心に傷を持ち、精神を病んでいる。

25・26話で何が起こった?
 TVシリーズの最終2話である25・26話。物語は突如、それまでの伏線やSF的な展開をいっさい放棄して、主人公・碇シンジの内的世界を描くのみで終わった。そしてシンジが精神的に解放され、他の登場人物から「おめでとう」と祝福されて幕を閉じた。落書きのようなラフ画など、(実験的)という言葉すら逸脱した表現方法も含めて、この終わり方には、ファンの間では賛否両論が噴出、エヴァ人気をさらに広める一因となった。
300億円アニメ?
 とにかく関連ソフトが売れに売れた。ビデオ・LDが各10巻合計で250万本以上、サントラ版(アルバム)が3枚で100万枚以上、コミックス(3巻)、フィルムブック(9巻)が合計で770万部、3月から公開された映画『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』は123万人を動員した。
 そのほか、プラモデル、関連グッズの売り上げも含めると、軽く300億円を突破している。しかもまだ、TVシリーズのビデオ・LDは完結していないし、劇場版のパッケージも発売されていないのだ。いったい、いつまで売れ続けるのだろうか。
エヴァを作ったガイナックスって、どんな会社?
 84年12月、大阪近辺のSF・アニメファンのグループが集まり設立。アマチュア時代から自主制作アニメの評価は高かった。代表作は連続テレビアニメ『ふしぎの海のナディア』(90年・NHK)、育成シミュレーションゲーム『プリンセスメーカー』(91年)。ホームページ(http://www.gainax.co.jp/)もあるので、興味のある人は、のぞいてみるといいだろう。
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