にんげんゆうゆう   番組表 これまでの放送より 郭・言 お便り
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● シリーズ ●
「自分を責めないで」
自閉症に関連する障害の一つであるアスペルガー症候群の女性が、職業を持って自立して生きる姿を取り上げました。

【「自閉者」として生きる】
出演:杉山登志郎さん(静岡大学教授)

自閉連邦市民であることは、少しも恥ずかしいことではない
私たちは、姿かたちが地球人によく似ています。姿が似ているばかりに地球人と見間違えられ、地球人らしくふるまうことを要求される。ふるさとの文化を恥ずかしいものだと思いこんでしまう人もいます。
なんと悲しいことでしょう。自閉連邦市民であることは、少しも恥ずかしいことではないのです。この部屋はこれまで地球人を真似ようとして傷つき、疲れてしまった在外市民が誇りを取り戻す場所として開設されました。(ニキさんのホームページ「自閉連邦在地球領事館附属図書館」より)

ニキ・リンコさんにとって、現実の物事の、意味のつながりを理解するのは難しいことです。他の人と同じように暮らすために、弱点を克服しようとしましたが、どうしても同じにはなれませんでした。
「レストランに連れて行ってもらって注文する場面では、『注文』という行為が理解できてなかった。言えば言ったものが出てくるといった因果関係を知らなかったので。パターンで暗記したせりふを毎回正確に発音していました。
物事を見ていても、スライドのようにつながっていない」

2年前に自閉症障害の一つであるアスペルガー症候群と診断されたニキさんは、ANI(国際自閉ネットワーク)の集会に参加しました。
「受付で、赤・黄色・緑のコミュニケーション・コントロール・バッジを渡されます。
関わらないでほしいときは赤、親しい人とだけ交流したいときは黄色、話しかける自信がないので話しかけてほしい人は緑。どんな交流もOKのときは外す。
意向に添わない交流をしかけられることはない」

アメリカから帰国後、ニキさんは自分と同じような障害を持つ人たちについての本を2冊翻訳しました。
翻訳は自閉者の感性をいかすことができる仕事だとニキさんは言います。
「『文体』や『口調』を楽しんでしまうのも、『受け売り』『引用』が好きなのも、私だけでなく、仲間たちの多くが共有する性質だ。
翻訳だと、自分で内容を作らずに、原文の文体に合わせた文体を選ぶことができそう」

仕事が増えてから、ニキさんは自閉的な行動を積極的に取り入れるようになりました。
「体を揺することで、長時間座っていられるとか、手を振る、首を振るなどで、考えをまとめられる。手首を噛むことで、ショックをしずめ、パニックを予防できる」
自閉者としての自分の感覚を大切にすることと、この社会の中で自立して生きていくことは、両立できるとニキさんは信じています。

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