la distinction (卓越化)

情報掲示板を活用してオンラインの読書会を開催します。読書会では、フランスの社会学者ブルデューが著した『ディスタンクシオン』という本を採り上げる予定です。『ディスタンクシオン』は、ブルデューの主著の1つです。藤原書店から邦訳が出版されています。ブルデュー理論やディスタンクシオンの概念は、近年になって日本でも積極的に紹介され、社会学や哲学の方面を中心に大きな影響を与えています。

"ディスタンクシオン"は、邦訳ではよく「卓越化」と訳されます。他者を自分から区別して際だたせることです。卓越化は社会のあらゆる領域に存在します。例えば「趣味」です。趣味は他人と自分を区別する重要な要素です。そしてまた、趣味によって自分や相手が何者であるのかを評価する傾向も存在します。

例えばパチンコを趣味とする人と、現代絵画を趣味とする人とでは、それぞれに自己規定や他者からのまなざしも変わってきます。世の中には色々な考え方がありますが、一般的に多くの人にとって「パチンコ」よりも「現代絵画」の方が「高尚である」「教養がある」と見なされる可能性が高いでしょう。パチンコを趣味とする人にとって、現代絵画は「何となくよそよそしい」「学校で教えられるようなもの」として否定する対象となる可能性が高いですし、現代絵画を趣味とする人にとってパチンコは「くだらない」「だらしない」と映ったりするでしょう。


教育社会の成立


東京都立大学教育学研究所
「現代と教育実践」研究グループが1990年に行った調査

成績と父親の職業(中学2年生)
  ブルーカラー 自営農業 事務販売 専門管理 その他
成績上
19.5
25.7
33.0
45.0
31.3
成績中
34.9
40.6
34.1
29.1
25.0
成績下
45.6
33.7
33.0
25.9
43.8

成績と家庭の年収(単位:万円)(中学2年生)
  〜400 400〜600 600〜800 800〜1200 1200〜
成績上
15.4
24.7
37.6
45.6
37.8
成績中
39.7
37.4
26.2
31.5
24.4
成績下
44.9
37.9
36.2
23.0
37.8

成績と母親の学歴(中学2年生)
  中学 各種・専門 高校 短大 大学
成績上
19.8
34.0
33.8
45.9
57.6
成績中
29.3
30.2
34.8
31.2
20.7
成績下
50.9
35.9
31.4
23.0
21.7


1 およそ教育的働きかけは、恣意的な力による文化的恣意の押しつけとして、客観的には、ひとつの象徴的暴力をなすものである。


日本の結婚形態別、夫妻の学歴組合せ別、同類婚指数
厚生省「結婚に関する人口学的調査」1983、湯沢『図説現代日本の家族問題』1987
結婚形態 夫の学歴 妻の学歴
中卒 高卒 短大・高専卒 大卒
総数 中卒 2.45 0.52 0.13 0.03
高卒 0.62 1.51 0.48 0.19
短大・高専卒 0.20 0.93 3.53 0.79
大卒 0.10 0.87 2.66 4.16
見合い 中卒 2.23 0.52 0.05 -
高卒 0.54 1.61 0.45 0.17
短大・高専卒 0.13 1.11 3.00 1.24
大卒 0.04 0.83 3.31 4.75
恋愛 中卒 2.65 0.53 0.18 0.05
高卒 0.69 1.45 0.48 0.20
短大・高専卒 0.25 0.83 3.72 0.58
大卒 0.15 0.87 2.29 3.78





野郎ども(leds)の文化  (ブルデューとは別の人の研究ですが関連性があります)



ブルデュー死去

 


 

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