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レイハラカミさんプロフィール

1970年、広島市生まれ。大学進学のため京都に移る。卒業後、個人で音楽制作の仕事を始めイベントなどの音楽を手がける。96年、レコード会社に送ったデモテープが認められ、世界的テクノアーティスト・ケンイシイのリミックスによりデ
ビュー。その後、自分自身の作品や竹村延和などのリミックスで国内外の注目を集め、2001年4月に発売されたアルバム「レッド・カーブ」はテクノ・電子音楽以外にもロックやジャズのファンを巻きこんで話題となる。最近ではフジロックフェスティバルやロックバンド“くるり”のイベントに出演するなど、ジャンルを超えて活動の幅を広げている。

ハラカミさんのお気に入りスポットはココ!

“レイ・ハラカミ”音楽
このアルバムは、聞いているだけで気持ちがよくなればいいと思って作ったという。聞き手を選ばないハラカミさんの音楽は、自然と耳に馴染む。「歌を入れる必要がないので歌はありません。言葉が入ることでその言葉自体の意味を考えてしまう。僕には歌詞で伝える音楽ははしっくりいかないんですよ。もちろん僕の曲にも意図的なものはありますが、聞いている人にそれを押し付ける気はありません。ゆったりした気分になって色々なことを感じとってくれればいいですね」。
ハラカミさんは、自分の部屋でコンピュータと音源を使って作曲をしている。「自宅にスタジオがあるいというのは、かなりの集中力が必要です。朝起きた瞬間から音を作れる環境が整っているんですからね。自由はあるものの自分に責任を持たないと作れませんよ」と笑う。とにかく音楽が大好きだというハラカミさんは、普段からいい作品に触れ、行き詰まったときは人に会うことでリフレッシュしているという。「僕の音楽は変な間とか展開が多いんです。これには大学時代に勉強した映像が関係していると思います。音楽を作るというよりも時間演出をしている感覚です。何でもいっぱい入れ込んでしまうのではなく、限られた時間をアレンジする感覚で作っています」。
ロックイベントへの出演
フジロックフェスティバルやロックバンドの“くるり”のイベントなどにも多数出演しているハラカミさん。
「僕の場合、ギターやキーボードを弾くこともなく、ビジュアル的な要素が少ない上、僕の前後に演奏したグループは踊れる音楽だったので会場が盛り上がらないのではないかと心配しました」。
心配をよそにお客さんは反応も良く、ハラカミさんのリアルタイムミックスを満喫していたそうだ。
環境音楽との出会い
中学生のとき、ロック歌手のブライアン・アダムスが好きだったというハラカミさん。「ラジオ番組で“ブライアン・アダムス”だと思って録音したのが、間違って“ブライアン・イーノ”というミュージシャンだったんです」。その間違いがきっかけで、“イーノ”の音楽を聞くようになり、環境音楽的なものに興味を持ち始めたという。「彼の音楽は、ゆったりしているんだけど、リズムやテンポがあって、すごく自由な感覚を感じます」。
デビュー
大学では映像の勉強をしていたハラカミさん。「映像をやっていると必然的に音楽も関わってきますよね。だから趣味の延長として友達の音楽作品などを自分の映像にミックスしたりしていたんですよ。その作品を見た音楽関係者の勧めで、音楽製作の仕事をすることになりました」。大学卒業後、フリーとして音楽製作の仕事を始めたハラカミさんは、ケーブルテレビやビデオなどの音楽製作を手がける。その後、イベントやビジネスショーなどの音楽製作も手がけるようになる。このようなクライアントのニーズにこたえることが主体の仕事をした経験は、とてもいい勉強になったと言う。
「これらの仕事を重ねているうち、自分の作品の中でも自分が買いたいと思える曲が何曲かできたんですよ。そこでいくつかのレコード会社にデモテープを送ってみたら、その中の一つから返事があってレコードが発売されることになりました」。
「レッドカーブ」の発売以来、ライブやリミックスの仕事が増え忙しくなったというハラカミさん。「今年は、去年の10倍以上の仕事をしているように思います。東京に拠点を移そうかと思うこともありますが、東京は情報や仕事が多い分、音楽活動に専念する時間が減ってしまうような気がして嫌なんです。その点京都は自分のペースで仕事ができるから僕にとっては最良の場所です」。
今後の活動
「この仕事を死ぬまでやり続けたいですね。自分が買いたいと思える作品を作れていることは幸せなことです。
せっかく“レイ・ハラカミ”という名前を出すからには責任を持って作っていきたいですね」。
来年前半は、違うジャンルのアーティストとのコラボレーションが予定されている。「今後は、海外アーティストとのコラボレーションもやってみたいですね」。