中国新聞サンフレ情報
攻撃布陣、守備に反動/第1ステージ '01/7/24

 ヴァレリー新監督を迎えた新生サンフレッチェ広島の第1ステー ジが終わった。結果は5勝10敗で勝ち点13。守備重視から攻撃重視 への転換で、確かに得点力はアップした。その反動で起きた守りの 崩壊も大きく、13位という思わぬ低迷を招いた。変革の中で、揺れ 動いたステージを振り返る。(小西晶)

 この成績を不振と見るか、それとも成長過程と見るか。意見の分 かれるところだろう。結果からはっきり見えるのは、「点は取って も、それ以上に取られた」という現実である。失点33はリーグワー ストで、昨年の第1ステージ(15点)の倍以上。1試合平均失点 (2・2点)が2点を超えたのは、チーム史上初めてだった。

 
≪得点者≫
久 保
高 橋
ユリカ
藤 本
上 村
トウーリオ
駒 野
奥 野
森崎和
大 木

 守りが崩れた最大の原因は、故障や代表への召集などでポポヴィ ッチ、上村というセンターバックのペアが、なかなか組めなかった ことにある。ポポヴィッチは右足の故障で出遅れ、開幕後もワール ドカップ予選への参加で欠場が続いた。

 ポポヴィッチ、上村が先発メンバーに顔をそろえた7試合は、4 連勝を含む5勝2敗の好成績。逆に、2人のどちらかが欠けた試合 は、一度も勝てなかった。

 固定できなかったのは、センターバックだけではない。コリカも オーストラリア代表に召集され、20歳以下日本代表の森崎和、駒野 もチームを空けることが多かった。

 苦肉の策として、沢田、奥野らDFの選手を中盤で起用すること もあった。先発メンバーは15試合で13通り。日替わりオーダーのた めシステムも戦術も習熟できず、機能しない悪循環に陥った。
≪広島の第1ステージの戦績≫
月日相手スコア順位
311A 鹿 島●1―2
17H 祐田●1―415
31H 札幌〇1―011
47A  柏■1―211
14H 福岡●2―314
29A 横浜M●1―216
53H F東京〇3―013
A 市 原〇3―110
12H C大阪□3―2
19H 東京V□3―2
616A 神 戸●0―110
23H G大阪●2―313
77A 清 水●1―513
14A 名古屋■2―313
21H 浦 和●1―313
〇●は90分、□■は延長の勝敗。
Aはアウエー、Hはホームゲーム

 一方、3トップのシステムに挑んだ攻撃は、一定の成果を見せた と言える。得点25はリーグ7位ながら、昨年の第1ステージで5試 合あった無得点負けは、今季わずか1試合。4連勝中はいずれも3 得点をマークするなど、コンフェデ杯の中断までは爆発力を保って いた。

 攻め方も様変わり。ロングボールを多用した昨年と違い、大胆な サイドチェンジや中盤で細かいパスをつないでチャンスをつくるな ど、見た目にもバラエティー豊かになった。

 しかし、中断明け後は、守りの不安が攻撃面にも影響を与えた。 失点を恐れるあまり、両サイドやボランチの選手が守りに入り、攻 撃に参加できなくなった。数的に薄くなった中盤は機能しなくな り、3トップが孤立。常にゲームを支配され、攻め手はカウンター 攻撃のみという守備的な戦いを強いられた。

 ヴァレリー監督は名古屋戦から3トップをあきらめ、3―5―2 にシステムを変更した。迷い続けた今ステージを象徴する出来事だ った。

 試行錯誤した15試合で、ヴァレリー監督は戦術とともに選手の見 極めも行った。第2ステージは獲得した新外国人2人や若手の起用 など、大幅なメンバー変更も示唆している。「攻撃的」という方向 性を確認しながら、いかに守りの出血を抑えるか。その手腕が試さ れる時が来ている。

【写真説明】最終戦を勝利で飾れず5連敗。うなだれる久保(10)らサンフレイレブン


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