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【ASAHIパソコン NEWS】

「ファイナルファンタジーXI」の驚くべき世界 第2回

仮想空間に「経済」と「文化」が生まれた


ファイナルファンタジーXI
物やサービスのやりとりが、経済活動として成り立つ。FFXIの世界は、すでに設計者の予想もしなかった展開を見せ始めている。(C)SQUARE CO.,LTD.All Rights Reserved

 ファイナルファンタジーXIの特別レポート、2回目となる今回は、MMORPGの特殊性を語る上で、もっともわかりやすい概念である「経済」を見てみよう。

第2回 自然発生する仮想の「経済圏」

 MMORPGを知らない人にとって、もっとも興味深く、驚くべき現象は、仮想世界内で起こる「経済活動」だろう。FFXIでは、以下のような感じになる。

 FFXIは、ゲームの中心を「モンスターとの戦闘」に置いている。生活するための「狩猟」のようなものだと思えばいい。モンスターと戦うと、プレイヤーはその報酬として、お金や様々な「アイテム」を得る。アイテムには、役に立つ武器や道具もあれば、鉱石や塩、動物の骨といった「素材」もある。手に入れたものをどう使うかは、プレイヤーの自由だ。これ以外にも、水辺で釣りをしたりなどして、様々なものを手に入れられる。手に入ったもの全てが、自分に必要なものとは限らない。自分に不要なものは売り払えば、お金が手に入り、好きなものを買える。ここまでが基本、いわば「第一次産業」である。

 物を売るなら、高く売りたいと誰しもが思う。誰もが持っているものを、高く売ることはできない。そこでプレイヤーは、付加価値の高いものを「合成」して販売することになる。鍛冶や革細工、木工に錬金術といった技術を身につけることにより、プレイヤーは手に入れた「素材」を加工、より付加価値の高い物を手にできる。すなわち、より高く売れるわけだ。これはまさに「第二次産業」だ。

 FFXIの都市・社会設計を担当した、スクウェアの岩尾賢一さんは、「税収や株式取引のような概念をのぞけば、現実世界の経済活動に近い要素を実現している」と語る。

 その結果として、ゲーム内では「第三次産業」も生まれ始めている。

●より付加価値の高い商品やサービスを考案し、売った者が勝つ

 価値の高い物を合成するには、それに見合った「合成スキル」が必要だ。また、素材も稀少で、製造コストがかかる。そこで、他人から素材を受け取り、手数料を取って合成を請け負う「合成職人」が誕生する。また、安全で効率の良い狩り場を知る人は、そこに人を案内することで「ガイド」としての対価を得ることもできる。

 FFXIの世界に、最初から決まった「経済の仕組み」はほとんどない。スクウェア側が唯一用意したのは、「プレイヤー間取引」を盛んにするための「値付け」だ。

 品物は、あらかじめ街に用意された店で「下取り」をしてもらえる。だが、下取りの値段はきわめて安い。しかも、その品物が店頭で売りに出されると、下取り価格とは比べ物にならないくらい高い価格で販売される。

 ならばである。プレイヤー同士でいらないものを融通しあった方が、高く売れて安く買えることになる。「競売所」と呼ばれるオークションと、「バザー」と呼ばれる個人間売買に人々が流れ始めた。

 ただしそこからは、スクウェアの予想を超える動きが見られ始めた。

 5月のサービス開始直後、システム構築上の問題から、競売所はまだ機能していなかった。そのため、もっぱらバザーでの取引が主流であった。岩尾さんにとって意外だったのは、バザーで物を売る人々が、一カ所に集まり始めたことだ。人が集まるところの方が物が売れるため、「市」ができるのは当然のことだ。

 そしてサービス開始から約1カ月、競売所が稼働しはじめる。多くの人は、手軽に使える競売所をチェックするのが日課となり、競売所前に人が集まりはじめた。すると、それまでは、街と荒野を結ぶ門に出来ていた「市」が、自然と競売所前に移動していった。

 さらにである。市の中には、同じものを売るライバル同士がいる。相手よりも有利に販売するため、同じ物を売る人の間では、価格競争が始まった。道行く人々に売り込みをする声も大きくなる。結果市はさらににぎやかなものとなっていった。

 また、少しでも物を高く売るために、より価値の高いところへ移動する「行商人」も生まれる。

 例えば、ある街の釣り場の前では、釣りえさが18ギル(FFXI内の通貨単位)で売っていた。遠く離れた彼の故郷では、同じ物は11ギル。彼はすぐに、故郷の近くにいる知り合いに連絡をつける。買えるだけの釣りえさを買ってもらい、自分では1つ16ギルの値を付けて売り始めた。しかも、釣りえさを売る店の横で。

 彼は一晩で百を超えるえさを売り、その場を動くことなく、数百ギルの収入を得た。他人に勝るアイデアを持つ物が勝利を収めるという点も、現実世界と同じである。

●インフレもデフレも起きやすい世界

 だが、FFXIと現実世界の経済には、一つ大きな違いがある。それは「消費」だ。

 FFXI世界では、武器や鎧といった中心的なアイテムは「消耗」しない。食べ物や飲み物も存在するが、戦闘を有利にする「サプリメント」のような位置づけであり、必ず食べねばならないものでもない。すなわち、「生活費」が存在しないのである。

 現実世界の経済は、「生産」と「消費」の両軸で成り立っており、物が消費されるからこそ、経済の水準が安定しやすい。だが消費要素の薄い世界では、物品の価値が不安定になり、インフレやデフレが起きやすくなる。仮想世界においても、「市場崩壊」は深刻な問題となる。プレイヤーのやる気をそぎ、結果としてサービスが成り立たなくなるからだ。また、特定の道具に需要が集中しすぎると、市場が荒れ、世界内で極端な貧富の差が発生、「経済崩壊」につながる。

 岩尾さんも「インフレはきわめて深刻な問題と捉えており、そのために消費要素の段階的な導入を考えている」と語る。現時点で消費という要素が薄いのは、プレイヤーの負担を軽くするためだという。プレイ中に考えねばならない要素が多くなるからだ。

 では、経済コントロールをどうするのか? 仮想世界の維持をどう行うのか? これこそが、MMO RPGを運営する企業に課せられた、最大の問題なのである。FFXIで実際になにが行われているかは、次回に解説することとしよう。(文・西田 宗千佳)



(07/31)


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