プライズを取るためのスピーチメイキング法
−13の法則集−(第2版)

一橋大学 国際部
スピーチセクションOB(平成3年卒業)

神社 純一郎


著作権に関する注意書
本書の著作権は、筆者に帰属し、国内外の法律により保護されています。
非営利目的の英語教育活動において使用する場合に限り、複製することを許可します。

はじめに

なぜこのようなものを、「いまさら」書こうと思い付いたのか、よくわかりません。スピーチというものを、
自分なりにもう一度整理してみようと思ったのかもしれません。

ただひとつ思うことは、スピーチメイキングの手法が、この数年のあいだ、あまり進歩していないのでは
ないかということです。いくつかのスピコンでジャッジをして、そのように感じるのです。

その原因は、土台になるものが明文化されていないことにあるのではないでしょうか。一橋大学におい
ても、スピーチの作り方は「口頭伝承」で、本格的な教科書は見たことがありません。したがって、手法の
改善が個人の能力に負うのみで、体系だって発展していないのではないでしょうか。

 軽い気持ちで書きはじめたのは良かったのですが、(本当は1ヵ月くらいで軽くまとめるつもりでした)本
格的に書きはじめると、あれも盛り込みたい、これも入れたい、いや構成を変えたくなったということで、
のびのびになり、ついに1年以上もかかってしましました。

このマニュアルは主に、一橋大学国際部スピーチセクションの1年生にむけて書かれたものですが、他
大学のスピーチ初心者にとっても有益なものであると信じています。スピーチというのは本来、まったく自
由で良いのですから、私の書いたことがすべての人にとって必ず正しいわけではないでしょう。スピーチ
をはじめたばかりの人にとって、なんらかの役に立てていただければ、それで良いと思っています。

 前の章ほど、重要なことが書いてありますので、初心者の方は、前から順番に読むことをお勧めしま
す。中級者以上の方は、各章が独立して読めるようになっていますので、拾い読みでも十分役立つこと
と思います。

 この小冊子を1つの土台として、スピーチメイキングの手法が発展することを願っています。スピーチ
に関する議論が活発におこなわれ、スピーチやESSの活動がますます盛んになることを祈念して、本書
を後輩諸君に送ります。

神社純一郎

目次

はじめに

フローチャート「スピーチができるまで」
魔法の13の法則一覧表

第1章 「スピーチコンテスト」とは?
    1 スピコンに出るのは喜びか?
    2 目的をはっきりと持て
    3 スピコンの特殊性
    4 プライズの意味

第2章 スピーチを書く前に
    1 「アイディア」を見つける
    2 「未知の情報」を外に求めよ
    3 リサーチのやりかた
    4 フィールドワークの重要性
    5 スピーチの種類

第3章 フローチャートをつくる
    1 フローチャート登場
    2 現状分析法
    3 スピーチたたき

第4章 英文を書く
    1 ワードプロセッサを使って書こう
    2 パラグラフを意識して書く
    3 構造チェックのやりかた
    4 イントロとエンディング
    5 タイトルのつけかた

第5章 英語力の向上
    1 スピーチに求められる英語
    2 外国に行かず、英会話学校にも通わずに英語を勉強する方法
    3 TOEICとTOEFLについて
    4 イングリッシュ・チェック

第6章 デリバリとQA
    1 メモライズ
    2 デリバリの練習法
    3 デリバリの技術的なポイント
    4 ちょっとした「コツ」
    5 QAをうまくきりぬける方法

第7章 スピコンを見る
    1 あなたもジャッジに
    2 本当のプライズ

おわりに


フローチャート 「スピーチができるまで」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

アイディアをつかまえる
↓
リサーチ                       第2章 「スピーチを書く前に」
↓
フィールドワーク
↓
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓
フローチャート                  第3章 「フローチャートをつくる」
↓
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓
文章を書く
↓
構造チェック                    第4章 「英文を書く」
↓
タイトルをつける
↓
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓
メモライズ
↓
デリバリ                        第6章 「デリバリとQA」
↓
Q&A
↓
――――――――――――――――――――――――――――――――――――        
↓
プライズ!!



魔法の13の法則   一覧表

法則1:個人的な目標を設定する必要がある。
法則2:プライズはもっとも重要なもの。
法則3:フローチャートの前に材料をそろえよ。
法則4:リサーチによって「未知の情報」を外部から手に入れよ。
法則5:フィールドワークはセルフイグザンプル。
法則6:スピーチをPHCS構造にあてはめて作ってはいけない。
法則7:論理性だけではメジャーな大会で優勝するスピーチは作れない。
法則8:ひとつのパラグラフには1つのことしか書かない。
法則9:スピーチは立体的に組み立てる。
法則10:スピーチはタイトルがオーディエンスの目にとまったときからはじまる。
法則11:デリバリは「内容」ではなく、「感情」を表現する。
法則12:QAは「もうひとつ別なこと」を提示する。
法則13:真のプライズとは、本当に自分らしい創造力と、独創性のある表現力を身につけること

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