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リーダーな女たちWomen interactive カモミール



イラク戦争反対を訴えハンスト、



【石坂啓さんプロフィール】
1956年、名古屋市生まれ。78年に上京し、手塚治虫に師事。79年、「とろりんなんぼく」でデビュー。おもな作品に「キスより簡単」「正しい戦争」「I’m home」など。エッセー集に「赤ちゃんが来た」「コドモ界の人」「お金の思い出」などがある。ピースボートで北朝鮮を2度訪れた経験も。DJやTVコメンテーターとしても活躍。漫画の連載を近々再開する予定。


漫画家・石坂啓さん

◇社会に一石を投じる作品を

 3月27日、「イラク戦争反対と表現の自由」を掲げて、東京都文京区の光源寺境内に設営した「ピース・テント」で白装束をまとってハンストをした。その後も戦争が終わるまで白米、パン、肉を断っている。

 この例にとどまらず、何事も思い立ったら即、実行するタイプ。「反対を表明したり、事を起こさなければ、暗黙のうちに世論に賛成したことになる」のが耐えられない。

 この実行力は漫画家になったいきさつにも表れている。石坂さんは漫画の神様・故手塚治虫に師事した。地元・名古屋の芸術大学を出て、「美術教師になれ」という両親の声を振り切って上京。「先生に会いたい」一心で手塚プロダクションに就職した。

 「私自身、根っこのところで気楽に生きられない環境で育ったんです。たとえば華僑の祖父母が日中戦争でつらい体験をしていたり、20歳のときに父の経営していた会社が倒産したり。世の中を理不尽に感じることが多かった。そんなときに、大人のスタンスで作品をかいていたのが手塚先生だったんです。先生の作品の根底に流れるテーマ“反戦”にも共感しました」

 1年間、アシスタント生活を送り、79年にデビュー。楽しければいいという当時の風潮になじめなかった。世間に疑問を投げかける作品がコミック誌の片隅にあってもいいだろうと80年代半ばに「キスより簡単」をかいた。まだまだ女性の側から「付き合いたい」「セックスしたい」なんて言えない時代。青年コミック誌には“男に都合のいい女”ばかりがかかれている。そんなのオカシイ、と思った。女の子ももっと発言すべきだ、と。

 世の中のこと、すべてをお金に換算する女子高生を主人公にした「マネームーン」(89年)では、いまでいう援助交際をかいた。バブル時代、すべてをお金に換算する日本社会に育った女子高生に向かって「売春するなどけしからん」という資格はおじさんにはない、という思いをこめた。

 91年に男の子を出産。これまでのペースで漫画を描くことは難しいと悟った。漫画の制作現場は24時間体制で、生活時間はデタラメ。大勢のスタッフを抱え、締め切り間際には修羅場になる。子育てにはまったく向かない環境だ。そこで、ひとりでも書けるエッセーに挑戦しようと考えた。妊娠、出産、子育て中に読んだ育児関連本はどれも「理想的なお母さん」が描かれていることに違和感を感じた。これは現実を書いてないのではないか。“いいお母さん”ではない育児エッセーがあってもいいのではないか、と思い立った。

 このように、石坂さんが生み出す作品は世間に一石を投じ、読者に何かを考えさせるテーマが多い。ただ、社会問題や戦争など重いテーマを扱っても、文章表現やペンタッチの親しみやすさで読者をひきつける唯一無二の作家だ。石坂さんの楽しい性格がそのまま作品に表れているのだろう。

 4月7日はストーリー上、「鉄腕アトム」の誕生日だった。そんなときに戦争をしている人類に対して石坂さんは嘆きながら、ジョークを交えてこう語った。

 「89年に手塚先生が亡くなってから、大きな事件があるたびに、“先生だったら、このことをどう感じられるのかな、どうかくのかな”と想像するようになりました。そうやって考えると、先生が見たかった21世紀は、こんな戦争をしているような現実世界と違うだろうなぁ、と。いっそのこと“宇宙人の襲来”でもあれば、人類は団結して、いい世界になるかもしれませんね(笑)」

【細田尚子、写真も】

 

リーダーな女たち
2003年
女性気象予報士・伊藤香さん
神戸フィルムオフィス代表・田中まこさん
SOHOコンサルタント・笠松ゆみさん
子育てと両立させるパイロット教官・阿部紀子さん
人材派遣会社「テンプスタッフ」社長・篠原欣子さん
漫画家・石坂啓さん
歌手・福田奈々さん
WAHセンター創立者・二居祐子さん
官能小説家・内藤みかさん
注目の中国株アナリスト・柏木理佳さん
宝船熊手「よし田」代表・吉田啓子さん
ジャズ・バイオリニスト 寺井尚子さん
犬猫写真家・新美敬子さん
文化人類学者・中根千枝さん
イラストレーター・田中ひろみさん
最多タイトル保持者の女流棋士・中井広恵さん
サントリー不易流行研究所部長・佐藤友美子さん
香港政府観光局会長、セリーナ・チャウさん
音楽評論家・湯川れい子さん
映画「西洋鏡映画の夜明け」の中国人監督、アン・フーさん
宮板金職人・大熊貴子さん
インデックス社長・小川善美さん

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2003年

2002年


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