さる11月の某日、悠紀エンタープライズで、『サムライスピリッツ零』の開発者さんを集めた座談会が行われました。
 暴露アリ、苦労話アリとファンの方なら楽しめること請け合いの内容となりました。

■高屋どりお
 本作の企画兼ディレクター
 ←のドットを打っていたら、なぜかヒゲだけリテイクの嵐でした(泣)。
■さくらいとおる
 熱きハートのシナリオ屋。企画やポリゴンや雑用も大好き。
 ゲーム会社を転戦し、激動の時代を生き抜いたツワモノとの噂です。
■たっくん
 熱い魂を持つ炎のグラフィッカー。
 ゲーム企画の知識も持つ敏腕ぶりで大活躍!
■たみやみやび
 最近入社した今回の座談会のインタビュアー。
 雑誌のライターからドット打ち、ゲーム企画までいろいろしてました。


 みなさんの担当個所を教えてください。

 開発リーダーです。人集め、企画内容の決定、ディレクションなどをやっていました。

 シナリオ全般とか企画関連とか雑用スペシャリストとか。そんな感じですかね。

 主にグラフィックチームのリーダーを担当をしました。
 開発を開始した時には何人くらいおられたんですか?

 5人くらい?

 たしか、そんなくらい。

 とても対戦格闘ゲーム作るような人数じゃあなかったような(笑)。

 あははは。最終的には何人くらいでした?

 えーと、いま、資料がないので、正確な数は判らないけど……15人くらいだっけ?

 それでも対戦格闘ゲーム作るような人数じゃないですね(笑)。
 開発期間はどれくらいでしたか?

 去年の10月終わりから始まって10ヶ月かかりました。

 元の素材があるから、なんとかなるだろう・・と思ってたら、データの解析やツールの作成に手間取って、やっとこさゲームが動き始めたのが……4月くらいかな。これまでもいろんな開発にいたけど、今回は特に厳しかった。

 ホント、始めはもう、本当に何もなかった状態でしたね〜。

 その頃……まだいなかったですよ、ワシ。

 で、一番最初に動いたのがなぜか「腐れ外道」(笑)。

 でしたね(笑)。

 あの時は、みんなでモニターの前に集まって「うおー!! でけぇー!!」って歓声上げて。なにせ、あの大きさを、実際にNEOGEOで動かせるかわからないまま、描いてたからね。
 サムライスピリッツが発売されたころは、私もまだ学生だったんですが、みなさんとこのタイトルのつながりを教えていただけませんか?

 私は96年までSNKにいまして、初代のデバックから参加して、真サムスピと斬紅郎ではドットを打って、天草降臨で企画になりました。それ以降には関わってないです。

 私は零から参加しましたので、サムライスピリッツは初参加になります。

 ワシはユーザーとして、ずっと初代からシリーズを通してプレイしてましたが、生活費削ってNEO-GEOを買って徹夜三昧で大変な日々を過ごしてました(笑)。

 初代と真はめっちゃやりましたね、私も。

 開発陣のみんなもプレイヤーから開発者になった人間が多くて、楽しくも熱い開発だったね。
 過去のシリーズと比較して意識した部分はありましたか?

 最も売れて、一番知られていた真サムスピをベースに、いろいろと過去のシリーズの良い所を混ぜてシェイプアップしました。あとは、シリーズのコンセプトを昇華するよう心がけて。

 つまり一撃でバッサリ〜(一同爆笑)。それこそサムライ。たまらんですね。

 そうそう。間合いをとって、一撃を叩き込む! みたいな。初代とか真は実際にやりこんでいくと、蹴りがつよかったり、投げが強かったりしてたので、やはりそこは、剣で勝負してもらいたい……という事が最大のポイントだね。

 では、絵についても伺いたいんですが……やはり旧キャラクターを意識する部分はありましたか?

 真サムライで追加された4体の構成が上手いなぁ……と、ずっと思ってたので、あの四人をベースに考えました。

 全体的な世界観、雰囲気で浮いてしまってはいけないので、やはりそこはとても念頭において作成しました。
 苦労した点などあれば聞かせてください。

 容量の問題で、入らなかった絵がかなりありましたね。

 メインプログラマーがリムルル好きだったので、テストプレイは全てリムルルで行われてしまって「スタンダードキャラのデータが取れない!」とかも(笑)。

 とにかく、グラフィッカー、プログラマ含めて人が少なかったですね。

 シナリオのボリュームが知らない間にすごいことになってしまったから、かなりの量を削って(笑)。

 いやぁ。要求された仕様に沿って全力で任務遂行したら、ロムに入りきらないとか言われて。それでも、業務用ゲームとしては歴史に残るボリュームと自負していますよ。

 うん、長い。慶寅なんてオープニングだけで3分くらいある。

 普通に長いですね(笑)。ゲームセンターで改めてプレイしたらビックリでしたよ(笑)。

 プレイ時間延びちゃうので、ゲーセンの人に怒られるよね、アレは。

 アレが最初はもっと長かったなんて、我ながら力入れ過ぎたな〜。でも、プレイヤーの方々には好評をいただけているようで何よりです。

 全体的にも賛否がはっきりと分かれるゲームになったよね。ボタン配置一つにしてもそうだけど、天草降臨にあった、14連斬や突き飛ばしからの連続攻撃がなくなったことに対しての批判も多かったかな。

 連続技を残すか、どうかはかなり悩みましたしね。

 批判を受けることを判って、あえて入れた部分もあったから。

 「それがサムライ」っていう僕らの提示ですしね。新キャラ(絵)に関しては、思った以上の反応はもらえたみたいで、嬉しい限りです。
 キャラクターといえば、みなさんの思い入れを聞かせください。

 初めてサムライのキャラに出会ってから10年以上。彼らにはかなりお世話になったので、新キャラ、旧キャラ、全てのキャラに思い入れがあります。

 ワシはシナリオや台詞関連は全キャラ手がけてますので、どのキャラに対しても、愛情いっぱい。 でも、一番のお気に入りは夢路。

 私は特に慶寅と外道ですね。外道は最初に生まれたキャラですし、慶寅は動きのカッコ良さを追求したキャラだけに、やはり愛がありますね。

 だからこそ、開発でも人気(笑)。
 新キャラクターの誕生秘話をお願いします。

 じゃあ今回の主人公の慶寅からですね。最初の頃の会議で『ちょんまげ、着流し、粋』など絵的な方向性が決まったんです。

 設定面では、シリーズの主人公である覇王丸の『風来坊で男気溢れる剣士』に対して、『エリートコースの天才』という対比を持たせたかったんですよ。

 そして、刀ですね。

 会議の時に参考に見た中国映画のDVDのパッケージで刀をたくさん持ってる人がいて「これだー!」って。

 「粋」なキャラだって指定だったんで、シナリオにも「粋」な台詞をちりばめたら「野暮じゃないか?」とツッコミを受けてヘコみましたよ(一同爆笑)。あと、覇王丸との積極的なからみを持たせることで、主人公としての立場を確立させてます。覇王丸や他のキャラとのエンディングのからみで、色々と苦労はありました。
 外道は初期コンセプトから変わってないですね。アースクェイクもいなくなったし、とにかく「巨大」なキャラがほしかった。後は投げキャラが骸羅だけだったので「デカイ投げキャラ」「妖怪」というキーワードだけで生まれてきました。

 色々とキャラ立ての部分で悩んだ部分もありますが、もはや彼の代名詞となった「いただきまぁす」ですが、とにかくこれで押していこうと決めましたね〜(笑)。

 絵の部分では、もともとある固有の妖怪も考えたのですが、固定概念のない餓鬼っぽいデザインになっていって。

 幻庵のせいかな。

 うん。幻庵とアースクエイクの流れというか。
 次に雲飛ですか。

 最初はいなかったんです(キッパリ)。

 ぎゃー(笑)。

 『新キャラは3体で行く』って企画書を書いてる時に販売からのリクエストで、「アジア市場向けのキャラが欲しい」とリクエストがあり、自然な流れで枠組みから自然と老人キャラが生まれました。

 最初、僕が絵を描いてたら、『チュン○ーみたいなのは出さないのか』とか言われましたよ(笑)。

 うん、最初は女キャラを出してくれ……って話があったんだけど、ミナでもう女性枠が埋まってたから爺さんになって。だとしたら、カッコいいジジイかと(笑)。

 そうそう、かっこいい老人って格闘ゲームには何気にいなくって。ちょうど人気が高まっている武侠を軸として固めたんですよ。

 設定面では、千年前に大暴れして中国全土を大変なことにした過去と、ラストで妻の元へ帰るという……流れで脚本を発注されました。渋いオヤジとかジジイとかマッチョとかハゲとか大好きでしたので、漢文交じりで何かと難しい部分もありましたが、うまくまとめられたと思ってます。
 炎邪と水邪、羅刹丸、レラについても聞かせてください。

 羅刹丸はしろー大野先生の漫画から。炎邪と水邪は、火月と蒼月の修羅と羅刹の性能が大きく違ってたので、別キャラとして立てたのが理由。

 レラもそうでしたね。

 炎邪は人語を話せないというコンセプトにものすごく悩まされました。水邪は神になるつもりでいる危ない奴、というコンセプト。羅刹丸はしろー大野先生の漫画の黒覇王丸がモデルということを知らなくって、覇王丸の反面として行き切ったキャラにしてしまいましたね。
 次にミナですか。

 うん、覇王丸に対しての慶寅と同じように、ナコルルに対するキャラとして、対比させたんだ。キーワードはぶっちゃけ「打倒ナコルル!」(笑)。ヒロインキャラだから人気がでないといけないのに、既に「ナコルル」という大物女優が共演してるでしょ。

 だからアイヌに対して琉球(笑)。絵的には色が黒くて白い髪って部分も初期からでした。

 弓にした理由も、近距離のナコルルに対して、遠距離で闘う。というコンセプトで、とにかく対極。

 外道と同じく、そのジャンルの行ききったコンセプトが全部飛び道具っていう形でしたね。

 自閉症気味とか引きこもりとか、ヒロインにあるまじき指定を受けた時はかなり驚きましたよ(笑)。シナリオ案は複数ありましたが、初期案のシナリオはそうれはもう……。なんというか、ワシは現状のシナリオに落ち着けてよかったなぁ……と(笑)。

 性格設定に関しては、私の趣味が多分に入ってて、あんな子に「近寄らないで」とか言われたら、もう最高じゃないですか!(一同爆笑)

 ミナは最初に見た時には露出が多すぎるような気もしたけど、動いてみたら上品なイメージが伝わってくるので納得だったなー。

 でも、弓なんか持たせちゃったから、ゲーム性の部分じゃ苦労して、楽な部分は無かったんだよ(笑)。
 ボス関係も忘れちゃダメですよ。

 我旺だけど、基本はあちこちで言われているように、やはり信長。戦国っぽいイメージで行こうと、最初から決めていたので。

 セリフも極端に判りやすい台詞をわざわざ入れてます。どこまでもわかりやすく。大好きです。

 開発陣のヒーロー三九六は、始めこそ鬼の名を語ったダメ人間でしかなかったのですが、最終的にはあんな形に落ち着きました。

 夢路はイメージどおりだよね。開発中は「そうじ」って呼ばれてたけど(笑)。
 プレイヤーのみなさんにお伝えしたいことは?

 送っていただいた意見は全て読んでいます。励ましのお言葉から、叱咤のお言葉まで、とてもいい刺激になってます。

 見かけたらとにかく是非、プレイしてください。

 それで「一撃」の快感をぜひ味わってほしいですね。
 サムライスピリッツ零の続編の可能性は?

 今作の人気次第では出ます! 皆さんの清き一票にかかってますので、ちょっとした時間がある時には、どうか100円を握りしめてゲーセンへ(笑)。

 ありがとうございました。それではみなさんこれからご飯との事ですので、いっぱい食べてくださいね!

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※「サムライスピリッツゼロ」は(株)SNKプレイモアの許諾を受けて(株)悠紀エンタープライズが開発するものです。
※「サムライスピリッツ」は(株)SNKプレイモアの登録商標です。