あとはジーコを、勝利を信じるしかない
今週から横浜Mの練習におじゃましている。S級のコーチライセンス取得のためのリポートはすでに提出し、あとは結果を待つだけなのだが、いままで勉強してきたことの総仕上げのつもりで、私が最も尊敬する日本人指導者、岡田監督にお願いして、チームに入っている。来週いっぱい、お世話になり、多くのものを吸収したいと思う。快く受け入れてくれた岡田監督には、心から感謝している。
日本代表が8日の練習試合で国内合宿を打ち上げ、9日午後に、オマーンに向けて出発する。選手は、飛行機に乗り込んだ瞬間から戦いが始まっていることを忘れないでほしい。
オマーンとの時差は5時間。私は時差が苦手で、時差ボケを解消するのに5、6日かかった。個人差はあるが、試合はオマーン入りして4日目。ギリギリの時間だと思う。当然、ドクターから指示があると思うが、機内での過ごし方が重要になってくる。いつ寝るのか。どのくらい寝るのか。食事など、それぞれがしっかりと考えて、準備を整えてほしい。
気温差15度、特に涼しい日本から高温多湿のオマーン入りする場合、調整が難しい。直前まで日本で合宿する調整方法が正しいのかどうか、正直言って私にも分からない。なぜ、中田英を呼ばないのかという疑問も残る。ただ、ここまできたらジーコ監督の選択を信じるしかない。この期に及んで不安がっても、何の意味もない。今まで通りのサッカーを実践できれば、必ず道は開ける。
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今大会からルールが変わり、同勝ち点の場合は直接対決の成績が優先される。日本は2点差で負けなければ最終予選に向かって大きく前進することになる。逆に2点差で敗れると、1次突破は絶望的になる。つまり、このオマーン戦はリーグ戦の中の1試合とはいえ、アウエーで戦う1発勝負の“決勝戦”に等しい。
間違っても、先制点を早い時間帯に与えないことだ。そのためには慎重な戦い方を要求される。
不用意なパスミスをしない。リスクを承知で無理な攻撃を仕掛けない。両サイドMFが同時に攻撃参加しない。2人のボランチのうち、どちらかがセンターを固め、3バックと連動して4人が相手FWに対応する。消極的になって引きすぎず、中盤をコンパクトに保つ。怖いのはセットプレーであり、自陣で不用意な反則をしないこと。
カギは攻守の切り替えのスピード。決戦の時は来た。あとは勝利を信じるのみ。
(ラモス瑠偉)
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