ライトオ急坂苦にせず/スプリンターズS
<スプリンターズS:田端到の血ェック&CHECK>
今開催の中山は異常に時計が速く、芝が軽すぎるため、前残りの競馬が続出している。重賞は3クラ行われ、マイネルモルゲン、コスモバルク、トーセンダンディと、すべて逃げ馬が勝った。
短距離はどうか。芝1200メートルは全部で12クラのうち、なんと10クラで逃げ馬が連対。4角6番手以降の位置から連対した馬は1頭しかいない。先週のセプテンバーSもソルトレイクスターとアタゴタイショウの「行った行った」で決まった。最終週もこの傾向が続くかどうかは分からないが、このような単調な競馬がJRAの望む姿であるならば、馬券を買う側はそれに乗っかるだけだ。
<本命>カルストンライトオ 韋駄天(いだてん)の逃げ馬カルストンライトオを狙う。この馬に関しては、平たんが得意で、急坂コースは割引という評価が定着している。現実に中山芝は【0002】、阪神芝は【0122】と不振だ。しかし、父ウォーニングの代表産駒、サニングデールやAJCC勝ちのダンツジャッジなどは、坂を苦にしない。また、起伏の激しい欧州で多数のG1勝ち馬を送り出し、古馬になってからの成長力もある。
そういう目でカルストンライトオの成績を見直すと、中山の2戦はマイルの朝日杯FSと、ハナを切らなかった昨年のスプリンターズSで、敗因は別にあることに気付く。マイル以上の距離と休み明けを除外すれば、急坂コースも実は崩れていない。逃げ馬断然有利の今の馬場なら、G1でも勝負になる。
<対抗>シスタートウショウ 近親に桜花賞馬シスタートウショウ。母はダンディルートの3×2、母の父トウショウフリートはソシアルバタフライ(トウショウボーイの母)の3×3という凝りに凝った配合。サクラバクシンオー産駒はショウナンカンプのように、古馬になって強くなった馬がG1級に育つ。
<単穴>ゴールデンキャスト タイキシャトル産駒は旬のうちに狙いたい。「まだここは家賃が高いのでは」と様子を見てしまうと、ウインクリューガーやメイショウボーラーのように難なくG1の壁を突破し、逆にスランプに入ると立ち直りに時間がかかる。内枠に不安はあるが、絶好調の今こそ買う手だ。(血統評論家)
[2004/9/29/07:06 紙面から]
|