この「新世紀マナー講座」は1999年1月から2001年3月まで、神戸新聞ホームページ「web-studio」に「田中雅子の世紀末マナー講座」として連載したものに、加筆・訂正を加えて掲載しています。
 第1部 印象
VOL.1 第一印象の大切さ
VOL.2 あいさつ/感じのよい言い方
VOL.3 表情/笑顔の効用
VOL.4 表情/視線
VOL.5 表情/口元
VOL.6 身だしなみ/色彩
VOL.7 身だしなみ/男性編
VOL.8 身だしなみ/女性編
VOL.9 おしゃれ/香水
VOL.10 おしゃれ/ジュエリー
VOL.11 動作/右脳・左脳に働きかける
VOL.12 動作/話す距離は心の距離
VOL.13 印象を決定する自分以外の要素
 第2部 ことば
VOL.1 ことばは想い
VOL.2 次代に伝える正しい敬語
VOL.3 初対面での会話術
VOL.4 笑いは人間関係の潤滑油
VOL.5 褒め言葉の大切さ
VOL.6 口説きのテクニック
VOL.7 真意を図る一つの方法
VOL.8 聞くことの大切さ
VOL.9 会話における間がもつ意味とその効果
VOL.10 肯定的な言葉がもたらす好影響
 
   
 第3部 心
VOL.1 冠婚葬祭/祝儀袋・不祝儀袋の使い分け
VOL.2 冠婚葬祭/弔事での身だしなみ
VOL.3 冠婚葬祭/結婚式でのスピーチ
VOL.4 来客・訪問応対の心得/受付編
VOL.5 来客・訪問応対の心得/名刺の受け渡し編
VOL.6 来客・訪問応対の心得/上座の知識
VOL.7 来客・訪問応対の心得/気持ちよいお茶の出し方・いただき方
VOL.8 電話応対でのこころがけ
VOL.9 メモすることの大切さ
VOL.10 さいごに マナーってなんだろう

【プロローグ】

 マナーの先生と呼ばれる多くの人は、形を整えることを優先しています。形が整えば心もついてくるという考え方なのでしょう。でも、「ふすまの開け閉めは3度で。こんなことジョーシキざますわね。オホホ」などと言われると、なんとなくシラケた気分になってしまうのは私だけでしょうか。

 マナーってなんでしょう。私はこんなふうに考えています。「人が人らしく生きていくための、ささやかな心配り」「心を伝えるすべ」ではないかと。どんなに言葉や形が美しくても、何も伝わってこない、むしろ慇懃無礼ささえ感じてしまう、そんな人はマナーの悪い人です。

 私は大学卒業後、大学病院の教授秘書をしました。そのとき、影になり日向になって励ましてくれた先生がいます。彼は研究「命!」のような人で、お風呂に何日も入っていないような、髪の毛はボサボサ、そばに寄ると少しクサイ…。マナーでいうところの「身だしなみ」に大いに欠ける人でした。でも、何かの折に、ふと差し伸べてくれる温かい心遣い。パリッと白衣を着こなしていても、「ボクはエリートなのサッ」と小指を立てている先生よりも、ずっとずっと伝わる人でした。

  このこととマナーとは、関係がないんじゃないかという人もいるでしょう。いいえ、心のあり方が態度をつくり、態度がマナーに影響を及ぼします。先に述べた慇懃無礼な人というのは、心のあり方がどこかよろしくないはずなのです。

  とはいえ、どんなに気立てのいい人でも、方法を心得ていないと失礼になってしまうこともあります。そこで、心と方法が一体となったマナーが求められるのです。

 私はマナーを「人間関係を支える力」ととらえ、それは3つの要素から成り立つと考えています。まず、印象がよいということ、次にちゃんとした会話ができるということ、そして最後に互いの心をわかりあおうとする気持ち。これらがうまく組み合わされて、「あの人いいなあ」ということになる、つまりマナーのよさにつながっていくのではないかということです。

 1. 印象(人間関係を瞬間的に決定するもの)
 2. コミュニケーション(人間関係を持続させるもの)
 3. 心(人間関係を確かなものへと導くもの)

 そこで、この3つの要素をさらに細かい単元に分けお話をしていきたいと思います。読み終わった後に、今日からやってみようという気になる「わかりやすく」「使いやすく」「楽しい」なおかつ「心が上向きになる」内容を目指したいと思います。

 関心のある単元をクリックしてください。最後から読んでいただいてもOKです。
あなたの心の琴線に少しでも触れることができたら、とてもとても嬉しいです。
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