ビタミン剤や各種のサプリメント(栄養補助食品)を服用しても、消化器系のがんの発症率は下がらず、逆に死亡危険度が高まる人たちがいることを、セルビア・モンテネグロのニス大学の研究チームが突き止め、英医学誌ランセットで報告した。安易な栄養補助食品の使用に警鐘を鳴らす研究と言えそうだ。
従来の疫学調査14件を分析し、計17万人以上のデータを集めた。いずれの調査でもビタミンA、C、Eやβカロチン、セレニウムの服用状況をみているが、ビタミン剤などにみせかけたニセの成分を服用した人たちと比べ、本物を服用していた人たちで、食道、胃、大腸、直腸、すい臓、肝臓などのがんを防ぐ効果は確認できなかった。
逆に、服用した人のがんによる死亡危険度は、服用しない人より6%高かった。特にβカロチンとビタミンAをあわせて服用した場合は30%、βカロチンとビタミンEなら10%増加した。研究チームによれば、推計通りなら、これらを服用した場合、統計的には100万人のうち9000人の死期を早めることになるという。
(2004年11月8日 読売新聞 無断転載禁止)