自民敗北、49議席にとどまる
民主は50議席と大躍進
首相続投も、政権運営は厳しく
| 険しい表情で首相官邸に入る小泉首相=12日午前11時31分、首相官邸で |
第20回参院選の全議席が12日未明、確定した。自民党は49議席にとどまり、勝敗ラインの改選51(欠員含む)を確保できず敗北、与党でも改選過半数(61)割れした。民主党は、改選38議席から大躍進、50を獲得して自民を上回り改選第1党となった。公明党は改選の10から11、共産党は15から4、社民党は改選維持の2となり、「2大政党」の流れが加速した。
自公両党は、非改選と合わせれば参院の安定多数(129)を維持し、小泉純一郎首相の続投を確認したが、2大争点となった年金、イラク多国籍軍への自衛隊参加問題、小泉首相の政治手法への批判が直撃した形で、首相の求心力低下は避けられず、政権運営が厳しさを増すのは確実だ。
総務省発表の投票率は、選挙区56・57%で前回2001年より微増。
比例代表の各党獲得議席は、民主19、自民15、公明8、共産4、社民2。民主は昨年衆院選に続き比例でトップ。自民の竹中平蔵経済財政担当相(約72万票)、民主の白真勲・元朝鮮日報日本支社長(約20万票)、公明の浜四津敏子代表代行(約182万票)、社民の福島瑞穂党首(約64万票)らが当選した。
選挙戦全体の勝敗の鍵を握ったのは、27の1人区。自民、民主両党が互角の戦いを演じ、自民は秋田、滋賀、奈良、高知、長崎、大分の各選挙区で議席を守れず、14勝13敗に終わった。独占していた2人区の群馬も1議席を落とした。
一方、民主はこれまで弱いとされていた東北、四国、九州地方の1人区でも推薦を含めて議席を獲得、全国で15ある2人区で自民と分け合った。さらに、3、4人区の東京、神奈川、愛知で2人当選を果たした。秋田、高知、沖縄は民主、社民両党などが推薦した無所属が勝った。
公明は埼玉、東京、大阪の3選挙区で議席を確保。共産、社民両党は選挙区で獲得議席がなく、無所属の鈴木宗男、辻元清美両元衆院議員は落選した。
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