すべてのプロレスはショーである


著者: 新宮哲也 チェインズ代表
日付: 2002/1/28
昨日、本屋で立ち読みして思わず夢中で読んでしまった本があります。
『流血の魔術 最強の演技 すべてのプロレスはショーである』
これは26年間に渡ってレフリーを勤めたミスター高橋が書いたプロレス暴露本です。

「プロレスでは星の売り買い(勝利を金で買うこと)はない。真剣勝負だから売り買いがないという意味ではない。最初から勝負が決まっているショーだから、もとより裏で売り買いなどする必要はないということである。シルベスター・スタローンが、映画『ロッキー』の中で相手に勝つために「俺は主役だから負けられないんだ」と相手から”勝ち”を買う必要がないのと同じだ。」


アントニオ猪木というレスラーの真実の姿や、どうやって予め勝ち負けを決めるかという話、負け役についてなどプロレス好きなら読み始めたら止まらなくなる内容です。
そう、僕もプロレスが好きです。さすがに同じ事の繰り返しなので毎週土曜の深夜にやっている新日本プロレスの放送を毎回は観ていませんが、それでも大きなイベントの時のテレビ中継は楽しみにして観ちゃいます。
しかし、小学生の頃からずっと観ていると嫌でも勝ち負けのパターンを発見してしまいます。例えば、初めての外国人選手が登場すると必ず連勝して、団体の威信を掛けて王者との戦いが行われるとか、定期的に抗争が勃発するといったこと。新技を披露すると、必ず数ヶ月はそれが決め技となり勝ち続けること、などがパターン化されています。

実は僕は高校の頃は柔道をやっていましたので、プロレスのように華麗な投げ技がそんな簡単に決まるものではないし、関節技も滅多に決まるはずは無いことを知っているので真剣勝負でないと分かります。もちろん、格闘技の経験が無くても、ロープに振られて律儀に返って来るお約束や、コーナーポストに登る間には倒れている相手が起き上がってはいけないルールなどは誰が見てもバレバレですね。

それでも「全ての試合が映画の中の試合のシーンのように決まっている、一試合として、真剣勝負は無かった」と言うのはショックな話でした。
これはさすがにやらせじゃない!真剣勝負に違いない!と思う場面が何回かあったからです。
しかし、良く考えてみれば、これはここぞと言う時に今までのパターンを破っているわけです。団体総出で、迫真の演出が行われます。
いかにリアルな試合を演出できるかを徹底的に研究しています。そして観客を喜ばせているのです。『ロッキー』などの格闘モノ映画をリアルタイムで見せているのがプロレスなのです。


ビジネスを作る立場としてプロレスの演出に目が行くようになりました。
一人の選手の「予め決まっていた勝利」に、ファンが大歓声で、飛び上がり大喜びするのですよ。
これはもはや芸術のレベルです。

そしてこれは色々な面で応用が効くということです。
組織運営でもセールスでも使えます。
あなたの顧客や社員が仕事で歓声を上げて大喜びすることはありましたか?

プロレスの演出がどう使えるかは自分で考えてください。
「すべてのプロレスはショーである」
プロレスに「ビジネス」や「組織運営」や「サービス」などいろいろ入れてみてください。
ちなみに組織作りは演出がポイントです。
具体的な方法まではさすがにここでは公表できませんけど。




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新宮より



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