[集英社文庫] |
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第28回 ドライバーを バッグに入れない法
アベレージ・ゴルファーがスコアを乱す原因は、一番にドライバー・ショットのミスによる。したがって、スコアをよくしようと思ったら、ドライバー・ショットの精度を高めること。そのためには、最大の距離を求めないようにスウィングすること――と、前二号でお話しました。
ハンディキャップが二桁のゴルファーだったら、バッグにドライバーを入れないこと。これこそ、もっとも賢明な策です。身も蓋もない話のようですが、ある日、ハンディ18の人が一念発起して、バッグからドライバーを抜いてプレーし始めたら、まず間違いなくスコアはよくなります。平均で90の半ばだったスコアが、急に90になり、いつも80台後半でラウンドできるようになり、やがては平均80台半ばのスコアにもなる。3番ウッドや4番ウッドでティ・ショットしていれば、ミスは大幅に減ってくる。手にしているのが、最大の距離を出す道具ではないのですから、当然の結果
でしょう。これがゴルフというものです。 まず、バッグからドライバーを抜くこと――というわたしの言葉を実行した段階で、その人はすでに最大距離を断念しているはず。もともとドライバーよりも短いクラブを手にしているのですから、ミスを犯す確率は低い上に、やみくもに距離を求めていないために、余計にミスは起こらないのです。 さて、平均スコアが大幅に縮まりだした段階で、注意が必要。これほど3ウッド、4ウッドを正確に打てるようになったのだし、もうドライバーに戻してもいいのではないか――と考えるのが、人の常だからです。 このページは集英社広告部の広報誌「ad infinitum」好評連載中のコラムを転載したものです。 |