剣が峰日記

2001/0721土 
ドラゴンクエストU 任侠鉄砲玉伝説



2001/0721土

先日
柳川氏が
ドラクエUを
プレーしていると書いたが
今日は
「ほのおの祠」の在処が分からず
悪戦苦闘しているようである。

本当に器用だなと思うのが、
ちょっとドラクエをやったかと思うと
テレビもつけっぱなしで
すぐに
作曲部屋に戻って
ゴリゴリ作り
しばらくするとまたテレビに向かって

「ほのおの祠〜」

と叫び
かと思うと
また作曲をしに行ってしまう。

だいたい計ったように
三十分くらいずつ
あっちをやり
こっちをやり
と大変忙しい。

どっちかをまず
片づければ良いのに、
と思うのだが、
ご本人にとっては
それがいたく快適らしい。


とはいえ、僕も、
柳川氏が
ドラクエに戻るたびに
ぼーっと手を止めて
見ているのだから
人のことは言えないのですが。


と言っているうちに
柳川氏、
とうとう諦めて
「ほのおの祠」の在処を
文明の利器の力で
割り出すことに決めたらしい。


そう。


インターネットで検索である。





ドラクエU 攻略





これだけのキーワードで
どかっとヒットしたらしい。
その内の一つに
明確な攻略が書かれてあったらしく












ビバ、インターネットゥ」









と雄叫びを上げて
「ほのおの祠」に
到達する柳川氏。


なんだこりゃ
松明が燃えてるだけで
別に溶岩が燃え盛ってるとか
そういうわけじゃ
ねえじゃねえかと
テレビに向かって
文句を垂れる柳川氏。


そのうち
気が抜けたのか、
タバコに火をつけ、



「それにしてもさぁ」



と半ば
コントローラーを投げ出して
こちらに声をかける
柳川氏。




「子供心にも思ったことなんだけれど」







はあ、
とぼんやり返す僕。









「世界の命運を賭けて
旅立つ
一国の王子が」















身支度するものと言えば」
















「ドス(銅の剣)一本と
五十ゴールドだけ
ってのは」















「どうなのよ」













どうなのよと
言われたところで
そういうゲームなんだから
しょうがないだろうと思い、

















鉄砲玉だから
じゃないですか」














と適当に
答えたところ
ふいに
沈黙する
柳川氏。













「そ……」












「そうかぁ」










感慨深く
うなずく柳川氏。











「そうだったんだぁ」

















この王子たち、
鉄砲玉だったんだぁ


















なんだか
しきりと納得する柳川氏。

そりゃねえ
そう考えるしか
ないでしょう、
と調子に乗って合わせる僕。





「道理でさぁ」





と柳川氏が
感得したように言う。






「ローレシアの城を出るとき
みんながみんな
王子がハーゴンを倒すよう
祈ってくれるんだけど」











無事に帰って来いとは
言ってくれないんだよ」












「きっともう
城の後継者
決まってるんだよ」










「王様の隣にいる
大臣
とかに」









「なんてこった…」





一種呆然として
煙草を吸う柳川氏。










「ローレシアの王子、
敵を間違えてるよ」








そうかぁ、
なるほどぉ、
なとどしきりに
呟くうちに、
ふと、







「そうか」







と、
膝を叩く柳川氏。


どーしたんですか
と訊く僕。









「国として考えるから
不条理なんだ」



はぁ。




「ローレシアとかサマルトリアとか、
これらは全部なんだ」



組?








「ローレシア鉄砲玉なんだよ」










「一番稼いでいた
ムーンブルク組
ハーゴン組に出入り(喧嘩)を
食らったために
財政難に陥った
ローレシア組
サマルトリア組とが
互いに鉄砲玉を出し合ったんだ」
















ハーゴン
命(タマ)とってこいや」





って。





なるほど。

それで
ドス(銅の剣)一本なわけか

思わず納得する僕。

その途端、
可愛らしいドット絵の
彼らが背負った
耐えがたい悲哀が切々と伝わり
つーんと熱いものが鼻をさす。





ローレシア組の鉄砲玉は
腕っ節と人望を買われ、
ムーンブルク組の一人娘は
おとっつぁんの仇を討つため
サマルトリア組の鉄砲玉は……






ちょっと待て。











なんでのんき者の王子
鉄砲玉なんですか。









切ない任侠道が
サマルトリア組の王子の
のんきさで早くも崩壊。



かと思いきや








「うまく言いくるめられたに
決まってるじゃないか」
















「親分(王様)にしてやるとか
なんとか言われて」









ははぁ。

すぐにまた
納得する僕。


そりゃあ、さぞ、
ローレシア組の鉄砲玉は
憂鬱であろう。


なにせ
ドス(銅の剣)一本で
帰れぬ旅路に出た
かと思いきや、
どう見ても現実を
知らされていない
脳天気な男が
相棒になるわけである。



悲壮の覚悟で
旅を続ける横で








えへへ僕、お城に帰ったら
親分(王様)になれるんだ
良いでしょ〜










と白昼夢のごとき切ない言葉を
繰り返すサマルトリア組の
鉄砲玉。






そりゃ
会心の一撃だって
出るわなぁ。
















しかし
なぜかくも緊急な時に
そんなのんき者を
鉄砲玉にするのか。


考えれば考えるほど
ツジツマが合わないではないか。

そう
柳川氏に訊くと





「何を言ってるんだ
決まってるだろう」



と言われた。











???

僕が要領を得ない
顔をしていると、






「みんな知ってるんだよ」







と言う。









なにを?
とやはり当を得ず、
更に訊く僕












「この王子(鉄砲玉)
レベルアップをすることで
を覚えるか」















途端に
思い当たる僕。













メガンテ














そりゃ
鉄砲玉としては
申し分ないな









というか
もはや
鉄砲玉以外の
何者でもないな











全てを知りながらも
あえて何も口に出さぬ
尚武の男
ローレシア組の鉄砲玉。


一方で
何も知らされず
へらへらと白昼夢を見ながら
将来への一片の疑いも抱かぬ
サマルトリア組の鉄砲玉。

また、
一家を皆殺しにされ
犬畜生の苦界に身を落としていたところを
ラーの鏡で身請けされた
ムーンブルク組の一人娘。


この娘が一番
何も失うものとてない
捨て身の人生を
生きてるのであろう。


自暴自棄になる
ムーンブルク組の一人娘を
気がつかぬところで
そっと支える二人の鉄砲玉たち。


いつしか
人間らしさを取り戻す
ムーンブルク組の一人娘。


しかしその頃には
冒険は佳境に差し迫り、
ついにロンダルキアまで
足を踏み入れたのだった。



着実にレベルアップし、
無自覚のうちに
同じくらい着実に
鉄砲玉人生を
完結させようとする
サマルトリア組の鉄砲玉。

その軽口が
哀れさ以上に、
時として冒険の
苦しさを和らげて
くれていたことに
ふと気づく
ローレシア組の鉄砲玉。


「ようやくここまで来たね〜♪
まぁ君達二人も頑張ったけど
僕なんか頑張りすぎだよね〜♪」
相も変わらず
底抜けに明るい声で
ダンジョンに入ろうとする
サマルトリアの鉄砲玉。


ふいに
くるりと
こちらを向く
ローレシア組の鉄砲玉。




「お前はここで帰れ」



ただでさえ
しかめっつらしい顔立ちを
いっそう厳しく引き締めて告げる
ローレシア組の鉄砲玉。

これまでの冒険で
深い皺さえ見えるかのような顔で
ぴしりと一言。



「あとは俺たちでやる」


突然そんなことを
言われて
目を丸くする
サマルトリアの鉄砲玉。


「またそんなこと言ってぇ〜♪」
とおどける
サマルトリアの鉄砲玉。

「僕が親分(王様)になっても
仲良くしてあげるから
心配しないでよ〜♪」


この切迫した状況下で
なお、かんに障る明るさを
まき散らす
サマルトリア組の鉄砲玉に、
しかし
ローレシア組の鉄砲玉は
頑としてこれ以上の
彼の参加を否定する。







「初めてお前に会ったとき」




ローレシア組の鉄砲玉が
ぼそっと
押し殺した声音で言う。








一刀両断にしてやりたかった」









思わず
力の盾で身を守る
サマルトリア組の鉄砲玉。







「城を出たかと思えば
祠に行く。
祠に行ったかと思えば
ローレシア組の城に行く。
さんざん探し回った挙げ句
『お兄ちゃんはのんき者だから』
の一言で
全て済ませられ、
しまいには
ローレシア組の城にも居ない。



かと思えば

宿屋で
ゴロゴロしているお前を


いっそ叩き切ってやろうかと
何度思ったことか」



冷たい目の
ムーンブルク組の一人娘を背後に
いやぁと
照れるサマルトリア組の鉄砲玉。



「だいたい」




とこれまでの
憤懣をぶちまける
ローレシア組の鉄砲玉。






「明らかに
残りHPが少なくて
あとは複数攻撃の
呪文で片づけようと
思うモンスターほど
お前が勝手に倒すし」






「中途半端に
すばやさがあるくせに
すぐマヌーサにかかるから
ターンがずれて
微妙に回復が遅れるし。













「どうして
じっとしてないんだお前は」









いやぁ、えへへ
と笑ってごまかす
サマルトリア組の鉄砲玉。

ちらりと
目で助けを求めるが
他人を助ける心の余裕など
犬として暮らす日々のどこかに
置き忘れてきてしまった
氷のような態度の
ムーンブルク組の一人娘。



「そういうわけだ」


ローレシア組の
鉄砲玉の口調は
もはや断定である。







「お前はここで帰れ







戦力として
一切みとめぬかのような
謂いであるが、
しかし実際、
サマルトリア組の鉄砲玉が
パーティの一員として
無能かといえば
決してそんなことはない。


なにせ呪文を一切
使えぬ身の
ローレシア組の鉄砲玉にとって
むしろ攻守ともに
なくてはならない
存在と言ってよかった。


それゆえにこそ
武に生きるローレシア組の
鉄砲玉にとって
サマルトリア組の鉄砲玉は
いつの間にか
傍らにいて当然の存在に
なっていたのだ。

兄弟分として
これほど頼もしく
また心和む相手は
かつていなかった。

もっと言えば、
可愛くて仕方がないのである。

この無邪気で
脳天気でマイペースだが
決して挫けず
辛い冒険にも懸命になって
ついてくるこの鉄砲玉が。


無骨な
ローレシア組の鉄砲玉にとって
そんなサマルトリア組の鉄砲玉が
じきに
自分が実は捨て石であることを
悟るところなど
見たくないのである。


これまで彼が抱いていた
淡い夢が粉々に消し去り
自分が実は遠い以前から
誰からも見捨てられていた
などという
そんな衝撃に、
この可愛い兄弟分の心が
耐えられるとは、
どうしても思えないのである。


ローレシア組の鉄砲玉にとって
そんな風に思う自分が
意外でもあった。
そしてそれ以上に
この兄弟分が
不憫でもあった。

痛切な真実を知らされる
ことはまだ良い。
しかしそれを抱えて
死にに行くことが
哀れだった。

そうした思いを
仏頂面に堅く秘めながらも
かすかにその眼差しに込めて
ムーンブルク組の一人娘を見やる
ローレシア組の鉄砲玉。


え〜、そんなぁ〜
などと
いじけるサマルトリア組の鉄砲玉の背後で
かすかにうなずく
ムーンブルク組の一人娘。

実際、
この娘にとっても、
サマルトリア組の鉄砲玉のことが、
ローレシア組の鉄砲玉と同じように
可愛いのだ。

家族を皆殺しにされ、
一人の女としての誇りも
何もかもを失い、
もはやハーゴンと
刺し違えることだけが
生きる目的と化した
ムーンブルク組の一人娘にとって、
サマルトリア組の鉄砲玉こそ、
生きるということを、
明日を夢見るということを、
微かに微かに思い出させてくれたのだ。


この冒険に加わったとき、
ムーンブルク組の一人娘にとって、
この世が滅びることなど、
知ったことではなかった。
それをいうなら、
自分が生きていた世界は、
とうの昔に、
滅んでしまっているのだから。


これ以上
誰が不幸になろうが
知ったことではなかった。

むしろ
幸せな街や村を見るたびに
なぜ自分だけがと
胸が苦しかった。

いっそのこと
城が墜ちたあの日、
怪物たちの手で、
同時に
この世の全てを
滅ぼしてくれれば
良かったのに
とさえ思う。


そんな
ムーンブルク組の一人娘にとって、
サマルトリア組の鉄砲玉が
ひけらかす明るさは、
無性に苛立たしかった一方で、
自分がまだ本当には
絶望しきっていないことを
思い知らせるものだった。

いっそ全てが
滅んでいれば良かったのに。

そういう思いに押し潰されそうになる
心の奥底で
まだ微かな温もりが
生きているのだ。

その温もりが
人間であることの
最後の証明だと
言ってよかった。

それがいつしか
冒険を経るうちに
ムーンブルク組に一人娘にとっての
最後の願いとなった。

自分は
人間として戦って死にたいのだ。

そう思えるようになった
だけで十分だった。


瞬きの間に
互いの万感を
込めてうなずき合う
ローレシア組の鉄砲玉と
ムーンブルク組に一人娘。


「いのりの指輪を渡しなさい」

サマルトリア組の鉄砲玉の
腕を叩く
ムーンブルク組の一人娘。


え……


呆然とする
サマルトリア組の鉄砲玉の
手をとり、
指輪を抜き取る
ムーンブルク組の一人娘。


サマルトリア組の鉄砲玉の
手をとりつつ
自分の手に
祈りの指輪をはめ、



「代わりにこれを渡すわ」


いまや何も付けぬ
サマルトリア組の鉄砲玉の手に
キメラの翼を
押し込む
ムーンブルク組の一人娘。


「あなたの妹さん、
あなたにそっくり
なんですってね」


ふいに、
微かな笑みを込めて言う
ムーンブルク組の一人娘。


え……、そうかな


言葉の意図が分からず
ローレシア組の鉄砲玉を
見やる
サマルトリア組の鉄砲玉。


「のんきなところが
そっくりだった」


ローレシア組の鉄砲玉も
合わせて無骨な顔に
笑みを浮かべる。


「お会いしてみたかったわ」


そんなの、
僕が王様になったら
いつでも……

明るく返そうとするが
ムーンブルク組の一人娘の
手がかすかな
力を込めて
自分の手を握るのに、
ふと言葉を失う
サマルトリア組の鉄砲玉。


「帰りなさい」


ムーンブルク組の一人娘の
手が離れ、
その手に残された
キメラの翼を見つめる
サマルトリア組の鉄砲玉。


でも、そんな、
僕……


慌てて目を上げたときには
ローレシア組の鉄砲玉も
ムーンブルク組の一人娘も
半ば背を向けている。


待って、
もう少しなんだ。


叫ぶサマルトリア組の鉄砲玉。


「心配するな」
ローレシア組の鉄砲玉が言う。
「お前が無事に戻れば
誰もお前が親分(王様)になることに
反対出来ないさ」


「良い王様になりなさい」
ムーンブルク組の一人娘が言う。
「ハーゴンの命は私達が……」


もはや振り返る素振りもみせず
背を向け歩み行く
二人。


その背後で
キメラの翼を握り、
うつむく
サマルトリア組の鉄砲玉。


ふいに、


きっと
そのおもてを上げ、


もう少しなんだ!


サマルトリア組の鉄砲玉が叫ぶ。






もう少しだから!





闇に消えていこうとする
二人の姿に向かって
必死に叫ぶ
サマルトリア組の王子。






もう少しで覚えるから!!
















あの呪文を!!














衝撃が走る。

凍り付いたように立ち止まる
ローレシア組の鉄砲玉と
ムーンブルク組の一人娘。


「お前……まさか……」


愕然として振り返る
ローレシア組の鉄砲玉と
ムーンブルク組の一人娘。


「知って……」


洞窟の入り口で
取り残された
サマルトリア組の鉄砲玉の
目に
ふいに
涙が溢れた。


言葉を失う
ローレシア組の鉄砲玉と
ムーンブルク組の一人娘。




僕、
今、
レベル26だから。



泣きじゃくりながら
大声で告げる
サマルトリア組の鉄砲玉。




王女、
ザオリク覚えたし





病気になって
寝ていた間に
なんだか知らないけれど
世界樹の葉
十一枚もあるし




それを聞いた
ムーンブルク組の一人娘の手が
震えた。


「あなた……」
手で口元を抑える
ムーンブルク組の一人娘。



僕もう
いつでも死ねるから



「くっ……」
歯を噛んで目を閉じる
ローレシア組の鉄砲玉。

その耳に響く
サマルトリア組の鉄砲玉の
痛切な声。






あと
二つか三つ
レベル上がれば
覚えるから




メガンテ

覚えるから










だから置いていかないで



サマルトリア組の王子が叫んだ。


泣きじゃくるように叫んだ。


自分のうかつさ
間抜けさを
呪うローレシア組の鉄砲玉が
再び開いた目に

両手に掲げた
キメラの翼を引き裂く
サマルトリア組の鉄砲玉の
姿が鮮烈に映った。


キメラの翼が
呆気なく千切れとんだ。

まるで悲鳴だった。

事実、
それが
サマルトリア組の鉄砲玉の
心の叫びだった。

もう
帰るところなど
無いのだ。



もうすぐだから

もうすぐ覚えるから


ひたすら
その言葉を
繰り返す
サマルトリア組の鉄砲玉。


ムーンブルク組の一人娘の目に
もう二度と流れないと
思っていた涙が溢れた。


ローレシア組の鉄砲玉が
歯を噛みしめながら
どうして気づいて
やれなかったのだと
無念の涙を流していた。


だから

だから

置いて行かないでよう


泣きながら
洞窟に入ってくる
サマルトリア組の鉄砲玉。


ああ

こいつは

知っているのだ


ローレシア組の鉄砲玉が
泣いた。



自分が
鉄砲玉であることも


自爆要員であることも


スーファミでは
「はかぶさの剣」
出来ないことも



メガンテザオリク
連発になることも



メガンテを使えば
経験値
入って来ないことも



あまつさえ
メガンテが
ラスボスには
効かないことさえも


知っているのだ


知っていてこいつは


城の親分(王様)の言う通り

城のみんなの願い通り

メガンテを
唱えるのだ






そう








まさしく

















鉄砲玉として









置いていかないで……


サマルトリア組の鉄砲玉の泣き顔が
ローレシア組の鉄砲玉の
すぐ目の前にあった。


「行こう」


ローレシア組の鉄砲玉が言った。


「一緒に行こう」


サマルトリア組の鉄砲玉が
また
大きな声で泣いた。


ムーンブルク組の一人娘が
そっと二人から
目をそらし
入り口に打ち捨てられた
キメラの翼を見やった。


世界は
滅びはしないだろう。


引き裂かれた翼を
目にしながら
そう思った。


あの洞窟の外の
日だまりに生きる
人々は
これからもずっと
あそこで
生きていくのだ。


ここから先
洞窟の暗闇へと
向かうのに
それ以上の
理由があるだろうか。


「行くぞ」

ローレシア組の鉄砲玉が言った。


うん
と嬉しそうに
サマルトリア組の鉄砲玉が返す。


ムーンブルク組の一人娘も
小さくうなずき、
そして、
日だまりに捨てられた
キメラの翼から
そっと
目を離した。
























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