A blog on Life Hacks, unique ideas, things that are beautiful, etc... By the 100SHIKI.com owner.
December 27, 2005 04:13 AM
本はよく買う。そしてよく捨てる。
というわけで本棚の新陳代謝はとっても早いのですが、今年生き延びた「これは2006年も読み返さなくちゃ!」本をメモ程度にご紹介。
このエントリー、毎年やってみようっと。いい人生の記録になりそうですね。
では早速。ちなみに便宜的に12位から1位まで発表していますが、あまり順位は関係ないです。僕のなかでは全部いい本だと思っています。
■ 12位 気配りのつぼ
個人的に目指すものはたくさんありますが、その一つが「気配り大王」です。別にかっこつけているのではなくて(いや、そういう意味もあるが)、やっぱりちょっとした親切をしてよろこばれるとうれしいですよね。女性の荷物を持ってあげたり、スカートをほめてあげたり(女性ばっかか)。
そうした気配りで毎日が楽しくなるのを知っていたのでこの本は「うんうん」とうなづきながら一気に読みました。「いますぐ喜ばれる25のコツ」とオビにあるように、人を喜ばせる、ちょっとした小技が掲載されています。
相談に乗るツボ、話をスムーズに切り出すツボ、とか、自分でもすでに実践していたものもありますが、どれもみんなやった方がいいよ!と(個人的に)思えるものばかりです。
あたりまえといえばあたりまえかもしれませんが、やっぱり「気配りはいい!」と再認識できた本でした。自分がやっていない新しい気配りの仕方もたくさん仕入れることができました。その日以来実践しております。毎日を気分良く過ごしたい方に是非。
■ 11位 一日10分で字が見ちがえるほど上手くなる
職場の近くの本屋でなんとなく衝動買いした一冊。こういうノウハウ系の本って読んでふーん、で終わることが多いのですが、これは読んだ後に近くのカフェで早速実践。
字がうまく見えるための法則がいくつか紹介されているのですが、それを試しに使ってみたらあら不思議。すごいことになっちゃいました。
うまい字、といわれると語弊があるかもしれませんが、間違いなく「丁寧に書いている」とか「気持ちが込められている」といった字になります。いままでのふにゃ字は何だったんだ、と思うことしきり。
人の習慣はそんな簡単に変えられないので普段はいつもどおりの横着な書き方ですが、ここぞ!というときにこの知識は威力を発揮してくれています。最初は二、三の法則を覚えれば十分ですが、たまに読み返して新しい法則を仕入れては自分の変化におどろいてみたりしています。
もっと早く読んでおけばよかった・・・と思える数少ない本の中の一冊です。
■ 10位 ノンデザイナーズ・デザインブック Second Edition
一般的なビジネス書ではないですが、仕事上とっても役に立っているなぁ、と思える本。
読んだのはすでに数年前。その当時はコンサルティング企業に勤めていて、自分で言うのもなんですが、資料作りはとても得意でした(今でも得意だよ)。クライアントにも「綺麗な資料だねぇ」と言われることしきり(うれしかったなぁ)。
しかし仕事が大きくなってくると自分だけで資料を作っているわけにはいきません。ここはあなた、そこは君ね、と部下にふっていく必要があります。しかし部下からあがってくるのはなんだかなぁ、というものばかり(とりあえず見た目で×)。
そんなときに「あ、そういえばあの本を読ませよう!」を思ったのがこの本。ここに書かれているのは、「いかに内容に沿った見た目にするか」というDTPの基礎の法則です。たった四つぐらいなのですが、知っているのと知らないのでは雲泥の差です。
「君たち、これを読んできたまえ!」(偉そうだったなぁ)、と言い放った次の日の彼らの資料といったら!感動しました。ちょっとしたテクニックでこうも変わるのね、という経験でした。「何があったんだ?」と当時の上司に聞かれたりして得意げでした。そういえば。今思い出した。
ビジネスをしているとなにかとモノを造ることがあると思いますが、ビジネス文書に限らず、サイト造りやホワイトボードプレゼンなんかにも応用できるすぐれた本です。前半はレイアウトについて、後半はフォントについて。ほんと、もう、なんか、全員読んで!と思える一冊です。
■ 9位 金持ち兄さんの王道―専門家をカモにする人・される人
金持ち父さん系の類似書か?と思いきや、思わぬ良書だった本。著者の藤田さんが不動産などで成功していく話が書かれています。
そこには「考えることを人に任せることのリスク」が彼の経験を踏まえて書いてあります。売られるままに売られるのではなく、自分の常識と照らし合わせてきちんと理解しながらお金を使っていくべき(&増やしていくべき)、という彼の主張は明快かつ爽快です。
どんなに複雑に見えることでも投げ出さずに自分なりの考えを持って行動すること。それをこの本に教えてもらいました。
個人的には説明を聞いていて面倒だったらまかせちゃえ、ってことがよくあったのですが(それで確かに痛い目みてる・・・orz)、この本を読んでから重要な局面では粘り強く勉強しようと思えるようになりました。
藤田さんの経験はやっぱりすごいので、勉強するプロセスを楽しめるようになったし、決断を急かせる業者はそもそも信用できないということもわかったような気になっています(個人的にね)。専門家、という言葉にはだまされてはいけませんよね。頼れるのは自分の知性だけですな。勉強になりました。
■ 8位 パフォーマンスマネジメント
良い本はその本全体の主張がびしっ!と通っていて、ちょろっと一言紹介するだけでは十分説明できない、というのが僕の主張ですが、そうした本の中の一冊(なのでなかなか東京ブックで紹介できんかった)。
この本は古典的な行動分析学がわかりやすくストーリー仕立てで書いてあります。学術書でありながら(なのかな?)、読みやすさは抜群です。
主張自体はちょっと学問的ですが、それほど難しくないのですぐ習得できます。つまるところ、問題が発生し続ける行動となっているのは何か?それをどう変えればよいか?ということがわかる問題解決手法です。
いくつかのルールからこの手法がなりたつのですが、個人的にもとっても役に立っています。この本を読んでから「問題は気合で解決!」ということがなくなりました。
なおこの本では人間関係から職場の生産性向上まで、いくつかのケーススタディを使ってこの手法がどう有効であるかが繰り返し書かれています。この場合はどうなの?ということに丁寧に答えていて、とってもわかりやすいです。
現場で使う場合はこの手法になにか名前をつけるといいかもですね。「問題が起きたら○○で解決してみようよ!」といえる職場はとっても素敵かと思われ。
■ 7位 出会う人みな、仕事の先生
公私ともにお世話になっている内海さんの本。これも増刷してほしい数少ない本の一冊(単行本にもなってほしい)。アマゾンではもう新品がなくて、マーケットプレースで2,500円です・・・。
内海さんに会うといつもおもしろい話を聞かせていただきます(主にマーケティング系)。内海さんの話がおもしろいのはその話が理論的とか学術的だとかそういうことではなくて、「あぁ、普通に生活していても、そういう視点を持てばいいのですね」と思わせてくれるところです。
だからいつも題材は身近なもの。人間の習慣を支える隠れた優良企業の話だとか、普段みんながよく見聞きしているけど気付いていないマーケティング的な仕掛けだとか。
そうした話はとりもなおさず内海さんの観察眼から来ており、その着眼点をこの本で学ぶことができます。書名のとおり、彼が「出会う人みな、仕事の先生」なのです。
有名企業の社長さんや著名コンサルタントの話も載っていますが、普通(でもないか)の大学生やホームレスの人にも話をきき、そこからどんなマーケティング手法を思いついたかが書いてあります。
人に会ったらその人からどんなことを学べばいいか、そんなことを教えてくれる本です。あ、ちなみに以前紹介して一気にオンライン書店から在庫がなくなった(らしい)「サンリオの奇跡」も内海さんに教えてもらいました。サンリオへの見方が変わる良書です、こちらもよろしければ。
■ 6位 お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ
「人たらし」の異名を持つ中村さんの本。行商から始めて独立、現在はほぼ一年中講演活動をされているという波乱万丈の彼の半生をつづった本です。
新幹線で隣に座った人と必ず仲良くなる方法とか、本書には彼なりの人と出会うためのテクニックがたくさん詰まっています。
人生の中で何人の人に出会えるか。それは人生にどんなインパクトがもたらすのか。
この本を読んでそんな単純なことに気付きました。漠然と人と接するのではなくて、熱く何かを造りだしていこう、と思える良書です。
年末はそんな中村さんがつくった店を見たくてわざわざ伊勢まで行ってみたりしました。中村さんはいらっしゃいませんでしたがすごくおいしくて感じのいいお店でしたよ。お近くの方は足を伸ばしてみては。
■ 5位 愛されてお金持ちになる魔法の言葉
友人の編集者が担当した本なので何気なく読んだのですがさすがベストセラー。その当時抱えていた問題がだいぶすっきりしました。
本書はどちらかというと女性向きだと思うのですが男性にもおすすめです。
女性は何を求めていて、男性は何を求めているのか。その答えがシンプルに書いてありました。すっごく役に立っています(個人的に)。
ちなみに本書の一番の主張は夢をかなえるための「口ぐせ理論」みたいなところにあります。いわゆるセルフトークをコントロールするための手法ですね。
こちらもごもっともです。意識的な会話(他の人とだけではなく、自分とも)を心がけるのは大事ですね。
■ 4位 強いリーダーはチームの無意識を動かす
いわゆるNLP系の本。この手の本は興味があってかなり理解しているはずですが、そのなかでも一番実践的なのでは。
いろいろな手法が紹介されていますが、ダブルバインドがもっとも強力だと思います(個人的に)。自分でも交渉の場では意識的に使えるようになりました。また使われているときもすぐわかるようになりました(←こっちの方が重要)。
テクニックに走りすぎるのも問題ありますが(著者もそう主張しています)、それを知っているのと知らないのでは大きく違います。
来年に向け、違ったバックグラウンドの人との仕事が増えてくるかと思います。言葉という武器(というかツール)はいつでも磨いていた方がよいかな、と個人的に思います。
■ 3位 すごい会議
すでにベストセラーだし、著者は友人(というか恩師)だし、どうしようかと思ったのですがやはり大きなインパクトがあったのでご紹介。
ここ何年か会議形式のイベントを行っていますが、そのイベントがうまく行っているのも著者の大橋禅太郎さんのおかげだと思っています。
すごく些細なことなのですが、人をやる気にさせるには、そしてもっと重要なのは、「人のやる気を奪うようなことをどう排除するか」について彼から学びました。感謝してもしきれません。
よく企業でミーティングとかやりますが、頭の中に一つの(僕が思うに)完成されたフォーマットがあるので脱線せずに最短で最高の結果を出す自信があります(きっぱり)。
この本の前半は禅太郎さんの半生が書いてありますが(それもかなりおもしろい)、後半はその「完成されたミーティングのフォーマット」について書いてあります。これでもまだ禅太郎さんの知識の15%ぐらいでしょうが、ビジネスの現場でこの知識は大きな違いを生むことでしょう。
ミーティングが企業からなくならない以上、すべてのビジネスパーソンに学んで欲しいと思う一冊です。
しかし彼の筆力すごいなぁ・・・追いつかなくちゃ。
■ 2位 箱―Getting Out Of The Box
隠れたベストセラー。すでにアマゾンでは新品は手に入らない。マーケットプレースでもめちゃ高(現時点で8,000円・・・)。
自分は原著で読みましたが、「ザ・ゴール」を連想させるストーリー仕立てでリーダーシップについて書いてあります。
最初の20ページぐらいは「それは詭弁では?」と思うような微妙な議論が続いていくのですが、読み進めていくうちに「あぁ、確かにそのとおり・・・」と思うようになります。つくりがうまい。
なぜ人間関係がうまくいかないのか。人間関係の力学とは?いつも接しているだけにうまく見えていない法則みたいなものがだんだんと紐解かれていきます。一気に読んじゃいました。
主人公がいい具合にものわかりが悪くて、何回も何回も疑問に思ったことを質問し、メンター役がそれに答える、という役回り。わかりやすい。
今一番単行本になってほしい一冊。経営者やマネジャーの方は、全社員分くばるとかなりいいと思います。
ちなみに友人が翻訳版を持っていましたが、訳もいい感じでした。手に入るならばおすすめ。
■ 1位 カリスマ体育教師の常勝教育
beBitの遠藤社長から紹介された本。彼のすすめる本はハズレがない。
それはいいとして、荒れまくっていた中学から陸上日本一を何回もたたき出した原田先生の本。この本で個人的に響いたのは次の二つ。
一つは目標をたてて、それを毎日レビューすることの重要性です。もちろん細かいテクニックはありますが(それらもこの本で紹介されています)、毎日徹底的にレビューすることにより、目標にちょっとずつ近づいていきます。
そしてそのサイクルを繰り返し、目標が何回も達成されることにより、「未来をコントロールしている」感覚を養うことができます(自分の目標は必ず達成される!)。実際に日本一を何人も出していることからこれは疑いようのないことでしょう。
この本を読んでから毎日レビューは重要だな、と思い、check*padのモーニングリスト機能を実装した、という裏話があったりします。
もう一つは「心を磨く」ということ。陸上日本一になりたいからといって陸上ばっかりやっていてもだめ、と原田先生は教えてくれます。
社会や家族への奉仕がなければ成功しない、成功は一人では達成できない、他の人に助けてもらわなくちゃいけない、そのための感謝の気持ちを行動で表せ!という主張です(だと解釈しています)。
実際、できる生徒は毎日皿洗いをしたり、親の手伝いをしたりしているそうです。まったくもってそのとおりだと思います。他の人に感謝されて本当の力が湧いてきますものね。
今年はひょんなことから原田先生の講演を聞きにいく機会があったのですが、彼の言葉で印象に残ったものを最後に紹介しておきます。
「敵は誰だ?という問いに『自分です!』と答えられる人が、本当のナレッジワーカーです」
敵がほかでもない自分だからこそ、そこには終わりない進歩があるのですよね。
さて、ここで終わりにしてもいいのですが、もう一冊だけ。
■ 最後の一冊 デカい態度で渡り合え!―世界中で通用する人間関係10のルール
これ、どこで知ったのだろう?とにかく何気なく買った本なのですが、引きずり込まれるように読みました。
戦争を生き延び、会社を立ち上げ大成功した後に大失敗、破産を経てまた大成功した近藤さんの本です。コンサルタントの神田昌典さんが彼について書いた本もありますが、こちらは本人著です。神田さんもすごいですが、近藤さんもすごい筆力。
近藤さんは今年永眠されたのですが、その波乱万丈の人生から編み出された、人間関係をうまくいかせるコツは現代でも十分通用します。昔の方なので言葉遣いが乱暴といえば乱暴な面もあるのですが、本書の副題にあるように「Be a Good Fighter!」となるためにはこのくらいの勢いが必要でしょう。
読み終わった後に「人生かっとばしてやるぞー!」というエネルギーがとめどもなく湧いてきた本。これを紹介せずに今年は終われません。来年に向けて鋭気を養いたい人は是非是非!
以上、12冊+1冊紹介してきました。来年もいい本に出会えるといいな。そしてここで紹介した本はたまに読み返すことにしようっと。年末年始は読書にはいい時期ですね。みなさんのご参考になれば!
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メタ便利ツール Dec 27, 2005 ちょっとややこしいけど便利そうなツー...
100SHIKI | December 27, 2005 10:52 AM
2005年、きみどり図書館管理人の本棚を生き抜いた12冊(暫定版)
百式管理人の田口氏が、新しい試みを始めたようなので見習うことにします。 こういうのがバトンみたいに繋がると、きっと素敵な本にたくさん巡りあえるのでしょうね。 ...
福井市立きみどり図書館 | December 27, 2005 10:55 PM
2005年、百式管理人の本棚を生き抜いた12冊 もちろん本自体も魅力あふれるも
uessay | December 28, 2005 01:39 AM
さっさと次に行くとしよう | December 29, 2005 07:40 AM
コメント一覧
箱―Getting Out Of The Boxは復刻ドットコムで復刊交渉予定になっているようですね。
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=27132
by sasaking | December 27, 2005 12:16 PM
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