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日光市サル餌付け禁止条例とは?




1.日光のサルについて
 日光には野生の「ニホンザル」(学名:Macaca fuscata)という種類が生息しています。
 ニホンザルは本来自然の中に生息し、昼間活動して夜は木の上で眠ります。決まったところに巣をつくることはしません。サルは自然にある植物(例:木の実・木の芽・花・根・地下茎など)や昆虫等を食べているので、エサがありそうなところへと移動しながら生活しています(「遊動生活」といいます)。移動するのは10〜20km2くらいの決まった行動域内です。
 ニホンザルは群をつくって活動します。群の大きさは20〜150頭と様々です。群の構成は、数頭のオトナオスと多くのオトナメス、コドモとなっています。
オ  ス メ  ス
平均体重 12〜15? 8〜13?
平均体長 54〜61? 47〜60?
尾の長さ 8〜12? 7〜10?
歯の本数 乳歯:20本 永久歯:36本(ヒトと同じ)
体 温 38.6℃
繁殖期 10月〜12月
出産期 4月〜6月
寿 命 25〜30年
行 動 オトナになる前に生まれた群から離れ、ヒトリザルになったり他の群に入ったりする。 生まれた群の中で一生過ごす。



2.サルの生活と頭数の昔と今
 大学の先生のお話によりますと現在日光周辺には14のサルの群れがあり、1つの群れにおよそ60頭ずつ生息しているので、全体で約840頭いると予想されます。
 資料が少ないため、日光のサルが昔と比べて増えているのか減っているのか正確にはわかっていませんが、サルを見る機会は昔よりも非常に多くなってきました。
 サルを見る機会が増えたのは、頭数が昔よりずっと増えているからかもしれません。
 あるいは、サルの生活場所が人目につかない山奥から山のふもとや人間の生活する街の近くに移ってきているので見る機会が多くなったのかもしれません。

 増える原因としては日光の場合次の理由が考えられます。

(1)エサをもらえるようになった。
人の食べ物は自然の中にあるドングリや木の芽などよりもずっと栄養が豊富です。それを食べるようになったので栄養が良くなりお産をする回数が増えた。さらに子ザルが栄養不足で死ぬということが少なくなりました。
(2)気候が暖かくなった。
暖冬で雪が少ない冬が続いているため、冬の間に死亡するサルの数が少なくなりました。
 街の近くで生活するようになった理由はこんなことが考えられます。
(1)山の中に比べて食べ物が簡単に手に入る。
・観光客などがエサをくれる。
・農作物があって簡単に食べられる。
(2)サルが増えることにより、街の近くまで生活場所が広がった。

(3)山に棲むところがなくなった。

・山林を経営するために、スギ・ヒノキといった針葉樹を多く植えたため、サルが食べる木の実がならなくなってしまった。
・山の開発などによってサルが生活するところがなくなってしまった。

3.サル被害の昔と今
 サルによる被害が発生するようになったのは今から約30年前です。
 最初の頃は田・畑に入り込み作物を荒らしたりする農作物の被害だけでした。被害の大きさも現在よりはずっと少ないものでした。
 現在のような様々な被害が発生するようになったのは最近10年の話です。
 現在のサルの被害としては以前からあった農作物の被害の他に、農家や民家・物産店へ入り込んで食べ物を持って行くことや、観光客がけがをするという被害まで発生するようになってしまいました。サルの口にはキバ(犬歯)があり、かみつかれて大変な事故になるおそれもあるのです。


サルの被害が発生するようになった理由。

(1)観光客などがサルにエサを与えるようになった。
・人間をこわがらなくなった。
・サルにとってエサをくれる人間は目下であると認識するようになった。
(目下のものには自分の強さを見せようとします)=かみつきひっかきの原因に!
(2)人間がサルを追い払わなくなった。
・昔の農家の人はサルが出るといろいろな手段で追い払っていました。
 しかし今は若い人がみな都会に働きに出てしまって昼間農家にいるのはお年寄りだけになってしまっているので、昔ほどしつこく追い払うことができなくなってしまいました。
→人間をこわがらなくなった。
(3)サルの生息地域が街の近くになった。

4.サル被害対策
 今、人間とサルとの関係が近づきすぎてしまっているので、いろいろな被害が発生しています。
 そこで、被害をなくすために、次の対策をとっています。
(1)サルが出ていたら追い払う。(花火やおもちゃの鉄砲で)
(2)田んぼ・畑を網などで囲む。
 →サルが入れなくなる。
(3)観光客などにチラシを配る。
 →エサを与えないでくださいと注意する。
 →サルは危険ですよと注意する。(人間の指をかみちぎるほどの力があります)
(4)条例を作った。
 →エサを与えてしまっていることが、いろいろな被害の原因となっています。そこで平成12年4月から日光市ではサルにエサを与えることを禁止しました。
(5)有害鳥獣駆除をする。
 →かわいそうですが、本物の鉄砲で殺してしまうこともあります。

5.サルの社会
 サルの社会は人間の社会と全く違います。
人 間 社 会 サ ル 社 会
順  位 順位はなく、みんな平等です。 きっちりとした上下関係が成り立っている。(強いサルが上になる) 30頭の群れならば1番から30番までの順位がついている。
自分よりも弱いものに対して 助け合わなければならない。いじめてはいけない。 強いものが弱いものに対して力を誇示する。
食べ物をあげる相手 平等なので目上・目下関係なく分け与える。 順位が下のサルが上のサルに贈り物として食べ物をあげる。
 つまりサルの立場から考えると、エサをくれる人間は自分より弱いものであるという考えを持つようになり、サルが「ひっかいたり」「かみついたり」ということをするようになるのです。



6.餌付け禁止条例を作った理由
 まずこの「条例」というのは、日光市内だけであてはまる「きまり」のことです。
 日光市は平成12年の4月1日からサルにエサを与えるのを禁止するきまりを作りました。
 人間がサルにエサを与えるようになったから、サルが自分の方が人間よりも強いと考えるようになってしまって、人間を攻撃する(力を誇示する)ようになってしまいました。
 さらにサルにエサをあげようとして近づいたりする人が多くなってしまったので、サルはますます人間をこわがらなくなってしまいました。
 このように、おかしくなってしまった人間とサルの関係を元の状態に戻すために、サルにエサを与えることを禁止しました。


 サルを見るとかわいいのでペットのようについエサを与えてしまいたくなりますが、実はエサを与えることが「サルの社会」をこわしているということを知ってください。




日光市農林課
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