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■「千里ニュータウン43年…、“追われる人々”」 2005/11/10 放送

日本初のニュータウンとして完成して43年、いま大きな転機を迎えている、大阪の千里ニュータウンをめぐる問題です。

成長期に、続々と分譲された集合住宅は、老朽化対策に追われ、大規模な建替えが始まろうとしています。

しかし、そのプロジェクトの影で、住み慣れたニュータウンから排除されようとしている人たちがいます。




今や空前のマンションブーム。

地価の下落と低金利にのって、都心を中心に、次々と建設が進められています。

今、日本国内の集合住宅は、およそ466万戸。

少子化による人口減少が叫ばれ、家余りが懸念されても、昨年度、新たに18万戸以上が作られました。

その一方で…

<国土交通省住宅局・前田亮氏>
「古い耐震基準に基づく、昭和56年以前のに建てられたマンションストックが、約100万戸あります。耐震化をどう図るか、バリアフリー化されていないなど住居水準の問題も出てきております」


大阪の北部に広がる『千里ニュータウン』。

1962年、日本初のニュータウンとして華々しく誕生。

当時、ダイニングキッチンや風呂のある生活は、夢の団地暮らしとして、もてはやされました。

『千里桃山台第2団地』は、1969年に作られた大規模団地で、広大な敷地に17棟が立ち並んでいます。

最寄りの阪急『南千里駅』から徒歩3分という好立地と、緑豊かな環境に恵まれますが、何せ築36年という古い建物。

エレベーターもなく、細かい間取りは、今のライフスタイルには合いません。


そこで持ち上がったのが、『建替え問題』です。

今の建物を全て壊して、新たに最高15階建てのマンションなどを、11棟建てるというものです。

この計画で、団地全体の戸数は、380戸から769戸に倍増。

住民は、建て増した分の販売利益で、建設費用をまかなえるため、基本的に新たな負担はありません。

<今年3月の建替え決議>
「賛成305。反対58。棄権・無効3名。5分の4以上により成立。以上の通り、可決、承認されました」

かくして、住民の5分の4以上の83.3%がこの案に賛成、建替えが決議されました。


ところが…

<決議で反対した放示さん>
「今の計画では、満足でない部分があります」
「私はここから動く気は全くないんです。今回の決議で、いよいよ意志が固まってしまいました」

建替え決議の無効などを訴え、4つの家族が裁判を起こしたのです。

決議で反対した放示さん夫婦は今、デベロッパーから、27年住み慣れた部屋から退去し、売り渡すよう求められています。

<決議で反対した放示さん>
「生活環境のいろんな説明は、図面上でしているが、高齢者には向かない」

たとえば建替え案では、車を家の前に止められなくなり、駐車場までの距離が遠くなる恐れがあります。

しかも建坪が大きくなることで、空地が少なくなり、豊かな緑が減ってしまうのも心配です。


放示さんの存在を、デベロッパーはどう受け止めているのでしょうか。

私たちは取材を申し込みましたが、「裁判で係争中の件であり、コメントは控えたい」との返事。

そもそも、集合住宅の建て替えは、『建物の区分所有等に関する法律』で、こう定められています。

【区分所有法・第70条1】
「全体の5分の4以上、各建物の3分の2以上の賛成で、建物の一括建替え決議が可能」

要するに、多数決=数の論理というわけですが、「それで終わってしまうと、大きな禍根が残るだけ」と指摘する専門家もいます。

<全国マンション管理組合連合会・谷垣千秋事務局長>
「マンションが密室化してしまう。マンションの中で行われていることが、外からは全然見えないという状況が出来てしまう。悪く言えば、リンチみたいな状況が起こりやすい。こういった建替え問題の特徴。ものすごく根深い住民対立を生み出す」

国土交通省は、マンション建替えの合意形成がスムーズになされるよう、指針を出しています。

<国土交通省住宅局・前田亮氏>
「区分所有者に対して、知識が十分普及するよう、勉強会・説明会をしたり。あるいは、建替え内容の情報提供を徹底したりすることが必要」


放示さんたちが、今回の建替え案に不信感を持つのには、もうひとつ理由があります。

建物の老朽化についての調査が、不十分だったというのです。

<放示さんの弁護士・遠藤比呂通氏>
「17棟のうち、3つの棟をサンプリングして、ほかの14の棟については、調査が行われていないんです。ひとつひとつ壊すのですから、ひとつひとつ調査するのが当たり前なのに、“一体、自分の棟はどうなっているんですか”」

団地の住民には、決議前に適正な情報提供が十分になされたと言えるのかどうか?

その判断は、司法に委ねられています。


すでに多くの住民が、仮住まい先への引っ越しを終え、2年後の完成を心待ちにしています。

ただ、放示さん夫妻は、思い出が詰まったこの部屋に留まることにしました。

<決議で反対した放示さん>
「どうこうと言われると困るんですが、愛着が大変あるんです。動きたくない、これが第一番です」


マンションは、終の棲家ではないのでしょうか。

老後をゆったり暮らしたいという小さな声は、多数決を前に、かき消されようとしています。




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