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目が覚めてみますと、視点がえっらく下がっていましたとさ。
具体的に言うと大人の膝下ぐらい。
せいぜい50?p、寝っ転がって見えるような景色だ。


「…………おぎゃ?」


首を傾げて漏れた疑問の声に、また首をひねる。

「あり?」と言ったはずが、口から出た言葉は「おぎゃ?」である。
おぎゃ、おぎゃ……と幼児プレイもやっていないのにそれしか言えない。
いや、悔しいけど童貞だからそんなパラダイスやったことないけどさ。やったことないけどよ! けっ!


………なーんて軽く現実逃避してみても改善しないこの事態。

うん、猛烈におかしい。とてもおかしい。

ついでに手と足の感覚が鈍かったり、妙に息苦しかったり、なんか肌が無駄にぷにぷにしてたりするのがまたとてもおかしい。
まさに違和感全開。分かりやすく言うなら、さっきまでガン○ムに乗っていたのに、目が覚めると新品のボー○に乗せられている……といったところか。


……………ていうか、実際にこうして赤ん坊になってるんだから違和感あるのは当然なんだよなー、こりゃ。ははは。


というわけで。はい、3、2、1。


「ほ──────ほぎゃぁぁぁあああああああああああああっ!!? げぶぅっ!?!
(な──────なんじゃこりゃぁぁぁあああああああああっ!!? ごはぁっ!?!)」


太陽に○えろの刑事よろしく、赤ん坊に逆戻りした俺は盛大に叫んで………なぜか思いっきり吐血した。







『日向に産まれた(ある意味)稀代の異才 プロローグ』






時は流れ、でもそれほど流れはてなくてあれより三日。
叫んだ瞬間なぜかいきなり死にかけた俺は、ようやく自分の身に降りかかったこのとんでも事態をほ乳瓶くわえながら認識した。
認識したくなかったが、するしかなかったとも言うが。

耳をこらせば、誰かの話し声が聞こえる聞こえる。

ふつーに日常会話に出てくるチャクラ、あと忍。
どうみても古くさい木造建築。
俺の親父……らしい日向ヒザシという白目のおっさん。

結論と共に、文句を一言。



…………ここ、NARUTOの世界かよ……



なんて、初っぱなから軽く落ち込んでみる。ゲゲェー!?とかどっかの額に肉がある超人達の驚き方すらできないや。
現実逃避はいけない。うん、まったくいけないんだけど………こんな死にやすい世界に目が覚めたら来てます、なんて分かったらやってられねーわけな
のです。

FUCK! まったく、俺のピュアな心がやさぐれちまうZE!

なんて思いながらカラになったほ乳瓶を床に捨て、おしゃぶりに切り替える俺こと不良赤ちゃん。
中年のおっさんよろしくあぐらをかいて濁った目をしながら、「ぶばぁ〜」とおしゃぶり片手にたばこ吸ってるみたいな仕草をする。子供好きの人が見
れば、一発で幼児虐待に走るだろう姿だ。ざまーみろさっきの乳母め! 薬混入しまくったまっずいミルクを飲ませた報いじゃわい!
そんな全力で拗ねながら、俺は隣の布団へ視線を移して─────


「ぶぅ…………ちゅぱちゅぱ、ちゅぱちゅぱちゅばぶばぶばぶぶぶぁ
(あー…………ありえね、憑依SSの上に原作キャラ絡みのオリキャラかよ)」


─────すやすやと眠る赤ん坊……日向ネジの姿を見て頭を抱えた。


あっははは、いや、ほんとありえないってこれ。
憑依している状況はともかく、まだサスケとかカカシとかシカマルとかじゃなくて『ネジの双子の兄貴』なんてオリキャラになってどーしろと!?

ちなみに俺の名前はクサビ。日向クサビである。
ネジにクサビ……とまぁなんとも安直なネーミングセンスであるが、今はそんなことはどうでもいい。
あれか? ヒナタでも口説いてナルヒナ派やネジヒナ派にケンカ売れとでも? それともネジといい兄弟からBLの道に踏み込んで「うほっ、いい白眼!
」とかでもやれというのか? 絶対にそんな未来はごめんだが、どうしようもないときは受けだけには回らない覚悟を決めよう。俺が責めだ。


…………なんかこんなことをまず考えるあたり、オタクの自分に言葉もない。


なんて遠い目をして、ちゅぱちゅぱとおしゃぶりをしゃぶる赤ん坊日向クサビ。生後一ヶ月、たぶん木の葉の里一やさぐれた赤ちゃんである。


「ばぶばぶば〜ぶばぶ、ばぶぶぶぶぶばばあびゃきゃびゅぶぶぶ。ばぶば…………
(だいたいこーいうのはさ、オリキャラってだけで強いじゃん。けどさ……………)」


正直、これはないって思うのだが────この日向クサビ、とにかく病弱である。


それも超、ド、極が付くくらいのまさしくオメガ病弱。
例えるなら雨の日の○ッキーマン、もしくはかめはめ波覚える前のヤ○チャ、よくて栽培○ン。
一応日向の分家頭だから血脈『だけ』は一級品、おまけに白眼持ってるからすごいドーピング視界を持ってはいる……………けど叫んだぐらいで吐血す
る体なんて、ボクいらないよぅ! ありえないよぅ!(涙目)

『クサビ、機械の体は欲しくない?』とかメー○ルに言われたら一も二もなくひょこひょこついて行っちゃうぞ、この駄目スペック肉体。

何せはいはいがまともにできない体ってどうよワト○ン君。
おまけに眠ってるネジを見てみれば、この野郎……………俺から才能全部吸い取ったんじゃねぇかってくらいのチャクラ量しやがって! 泣くぞ!? 
泣くぞこんちくしょう!?

と、あっという間に最強オリキャラがハーレム作るというありがちなSSのフラグは潰れました。

まぁスレキャラとか最強オリキャラとか、そんな自己満足まっしぐらな話大嫌いだからいいけどさ………せめて、せめて人並みの才能が欲しかった……
………うう。

───唯一ましなものと言えばチャクラコントロールぐらいだ。
俺がこの日向クサビに憑依した影響か、はたまた本当に取り憑いて体を操作しているせいなのか。それだけはめちゃくちゃ細かい精度で操ることができ
る。
今もおしゃぶりくわえてあぐらかきながらだが、そんな何気ない体勢でも延命のため体内でチャクラを無駄なく運用している。


はい、今すげーとか思った人手を挙げてー。

うん、でもねぇ…………この体そうしてなきゃ死ぬの。チャクラなんて便利パワーを最大効率で無駄なく体内循環させないとさ、即天国へご招待なポン
コツなのさ。
それでもすげーって言うとか、無理だよね、うん、無理。


………NARUTOの世界でさ、日常生活送るのさえチャクラ使わないと死ぬのって既に死亡フラグじゃん。


で、また思考はここでループ。
ふとんの上で拗ねながらおしゃぶりをちゅぱちゅぱ吸い続けるしかないわけである。


────しかし真剣な話、これからどうするべきなのだろう?


さっきまで何やら生前?のオタ知識で拗ねてみたりしてたわけなのだが、実際このNARUTOの世界、本気で危ないのだ。
何もしなくても十数年後の中忍試験には大蛇丸が攻めてくるわ、そうでなくてもこの体は白眼持ちの日向一族。このまま病弱ですよって屋敷でだらだら
過ごしていたとしても、狙われる確率かなり高いのである。原作でもヒナタとか誘拐された経験あるし。
となると、このまま病弱っ子を演じて楽々ニート生活はやらない方がいいだろう。
少なくとも、俺はこの病弱で、ポンコツで、人より圧倒的に少ないチャクラ量の、たいしたものはチャクラコントロールだけというどこまでも才能も見
込みもくそもない『日向クサビ』として最低限生き抜くための戦闘能力を手に入れなければならないのだ!
………言ってて自分でくじけそうだったけど。


いや、ほんと駄目なんだよ、この日向クサビの体。


鏡見てみれば、髪の毛真っ白。目も白眼だから真っ白。産毛も全部真っ白のまっしろしろすけ。
血色悪いなぁ……なんてため息付く姿も、外見からして非健康体だ。

「ばぶぅ……………
(はぁぁ……………)」

落ち込みそうな意識をふるい、これを最後のため息にしようと気を振り絞る。

たしかにこの体は旧式の○クくらい弱いが、事態はそう悲観するもんでもないのかもしれない。
なにせ俺には、この世界がこれからどうなるであろうかという知識が頭の中に入っているのだ。
以前の自室には千に及ぶ漫画、百を超えるパソゲにフィギュア、自由や正義みたいな反則MSを除いたプラモがごろごろしていたのはダテじゃない。
二次創作やSSだってジャンルを問わず読みあさった。NARUTOも何度も読み返してもう内容は完璧に頭に入っている。
なんせFa○eの二次創作では、一般人や慎二に憑依しただけの人さえ原作の知識のみを武器に頑張っているんだ。


それに比べれば、ちょっと気をぬいたら吐血する体とはいえ!

ちょっとチャクラコントロールミスっただけで心臓止まる体とはいえ!

まだチャクラそのものを操れる日向クサビには光があるさ! なんか確認するだけで気が滅入りそうになるけど、たぶん! きっと! そうだといいな



「あばぶぶぶ! ぶぶあばぁばぶばぶばぶぶぶぶぶあびゃびゃびゃばぁ!
(そうだよな! 別に俺は原作ヒロインが欲しいとか高望みしないしな!)」


そう、そんな高難度ミッションに手を出さなければ大丈夫だろう。
これでクサビになる前と併せて彼女いない歴=年齢になるが、既にそんな脱童貞なんて夢はガスマスク付けて○オン公国のジオラマ(ザ○十五体、ゲル○
グ六体、もちろんド○は三体)作るうちに解脱している。
決してシンナーに頭やられてどうでもよくなった、とかでは断じてない。


よし、行ける…………!

変に高望みをせず、脇役上等の精神で行っていればなんか生き残れそうな気がしてきたぞっ!


「ばぶぶぶぶ……(くくくくく……)」とあぐらかきながらにやりと笑う赤ん坊。はたから見ればめちゃくちゃ嫌な光景だろう。





………と、そんな俺の耳にいつ帰ってきたのかヒザシ親父の話し声が聞こえてきた。



瞬間たくらむ悪役ごっこをやめ、ぴたりと障子に張り付いて廊下での立ち話を盗み聞きする。
気分は固体のスネーク。赤ん坊やってるのも暇なので、こういうことしか娯楽がないよなぁ……とか思いながら聞き耳を立てた。



「そうか………ヒアシ様の方もお産まれになったのか。それも、また双子とはな。まぁ私とヒアシ様、クサビとネジの事といい、日向には双子が産まれ
やすいということか」

「はい、どちらも女の子らしく、名前ももう決まっているそうですよ」

「気が早いな、あの方は……どちらも女なら、後継に不安が残るというのに……………それで、名前は?」

「たしか姉の方はヒナタ、妹の方はハナビだったと───」




────Oh、ゴッド。これなんの嫌がらせ?



決意した矢先にこれDEATHか?
なんにもしてないっていうのにいきなり原作から外れるこの仕打ち………うわぁい泣きそう。

がくっと頭を垂れ、それ以上話を聞いていられなくてとぼとぼとふとんにはいはいして帰る俺。
なんかいつの間にか起きていてうーうー言いながらネジがほほをぺちぺちしていますが、構ってやるだけの余裕がないのでみの虫みたいに布団へくるま
る。
背中から哀愁を漂わせながら、一匹の赤ん坊はしくしくと嘘泣きしつつ夢の中へ旅立った。





嗚呼……………できればこれからの人生、これ以上原作とずれてませんよーに、とか願いながら。






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あとがき



はい、メインヒロインはハナビです。
好きなんです、ハナビ。
ぶっちゃけて日向一族のキャラめちゃ好きなんですが、その中でもハナビが飛び抜けて好きです。

それと主人公は弱いです。むしろこれでもかというほど病弱です。
まぁどんどん物差しで測れなくなってはいきますが、基本は低スペック。あっという間にチャクラ切れます。


あと最後に、次話からキャラも会話も増えますが、設定に関してとかここおかしいとかこのキャラはこんなのじゃないという意見は全てこれが二次創作
のパラレルってことで多めに見てくれたらありがたいです。