SOFT レビュー
電撃オンライン編集部がオススメするソフトを個性的なレビュアーがアツく語る!
タイトル 『キングダム ハーツ』 レビュアー 犬くん

誰もが知っているディズニーアニメのキャラクター総出演RPG!
そのゲーム性やいかに!? (3,664文字)

 ディズニーアニメって普段あまり観る機会はなかなかありませんけど、そのキャラクターの知名度たるや、日本で言うところの「サザエさん」や「ドラえもん」クラスに匹敵しますよね。なぜだろうと考えてみたら……そう、子供の頃に母親や幼稚園の先生が読んでくれた絵本の影響が、大人になっても記憶の奥底にしっかり根付いているんですよ。だからなのかな。『キングダム ハーツ』をプレイしたときに「懐かしい」と感じたのは。これだけ世界中の人に愛されているディズニーキャラクターをゲームのカラーとして馴染ませるには、スクウェアの開発陣もきっと苦労されたに違いありません。まさか普通に扱うわけにはいかないし、かといってキャラクターだけ登場させても味気ない。下手したら「なんだ、キャラゲーか」と思われかねない危険性すらある。そんなプレッシャーもあるであろう『キングダム ハーツ』のゲーム性は、クリエイターの腕が試される難しい作品だったに違いない。
 で、結論から言うと「総じて素晴らしい」と断言できる仕上がりになっており、恥ずかしながら自分自身ではココまでのデキは期待していなかった。開発陣の方には失礼なのですが「ん〜キャラゲー?」と思っていたんですよ。ぼくも。いや、ほんと、ごめんなさい! 最近、ギャルゲーの仕事が多いせいか、キャラモノに対してヒネた視点で見てしまう癖が付いてしまったようで……(汗)。やはり天下のディズニーキャラクターを採用するわけですから、ゲームとしての完成度が低いとゲームそのもののみならず、キャラクターの顔にも泥を塗る結果になるわけですから、生半可なデキにはできないでしょう。それは当然ですよね。ゲームを実際にプレイするまでは、ここまで深く考えもしなかったわけですが、逆にぼく自身が『キングダム ハーツ』から教わった気分です。「キャラクターを活かすことは、こういうことなのだ!」ということを。勉強になりました(笑)。

●あのキャラもこのキャラも……懐かしいキャラが出てきます!
 このゲームは主人公の視点を通じてディズニーキャラクターたちとふれあい、ディズニーの世界観、キャラクター、ストーリーから「何か」を感じとれれば、それはプレイヤーにとって最高に有意義なゲームとして心に残ることでしょう。まさにそんなゲームなんですよ! なんて表現すればいいのかな……。大人になって見失いかけていた何か。子供の頃に輝いていた何かを思い起こさせてくれるんですよね。それで「懐かしい」と冒頭で書いたわけですが。それはキャラクターに対する懐かしさでもあり、幼い頃にディズニーの絵本を読んだときの、その時代の記憶を鎖の連鎖のように甦らせてくれる効果だと思うんですけどね……。「ドナルド」が喋って「クマのプーさん」が登場しようものなら「うわ〜、小さい頃に読んだ絵本と同じだ!」と感激すると同時に、その頃の自分が思い起こされるわけです。まぁ、裏を返せば自分はジジーになったんだなぁと痛感するわけですが(笑)。そんなディズニーワールドを『キングダム ハーツ』がどこまで再現しきれるかがゲームのポイントとなるわけですが、キャラクターについてはほぼ総登場すると言っても良いです。電撃プレイステーションVol.205の攻略ページを見ていただいてもわかりますが、まぁよくこれだけのキャラクターやお話をゲームに詰め込んだな……と感心させられるほどで、しかもそれがゲームのストーリーとして破綻していない作りは素晴らしいの一言。よく考えてみてください。数あるディズニーのお話をゲームのストーリーとして一本にまとめつつ、しかもディズニーそれぞれの世界観が上手く生かされているわけです。つまり、合い重なる事のない物語が多数存在するのにストーリーとして1本にまとめられている。「え? どうやって?」と思うでしょ? それこそが『キングダム ハーツ』の秀逸なシステムなのですが……。

●心=(主人公+ドナルド+グーフィー)×それぞれのディズニーワールド
 意味不明な見出しですが、このゲームのシステムを数式にしたらこんな感じになるかなぁ〜なんて(笑)。『キングダム ハーツ』を進めていく上で、プレイヤー側に付くキャラ(NPC)はドナルドとグーフィーで、主人公はストーリー冒頭の島で一緒に暮らしていた少年(リク)と少女(カイリ)を探すべく各ディズニーワールドを冒険することになります。その際、ドナルドとグーフィーが主人公(プレイヤー)とディズニーワールドを繋ぐ掛け橋的な存在として大活躍するわけですが、なぜ主人公が一緒に暮らしていたリクやカイリと離ればなれになったのか……そしてどんな運命に翻弄されていくのか……という部分はオフレコにしておきます。プレイしてからのお楽しみということで(笑)。
 さて、システム面に話を戻すと、数あるディズニーワールドをどうやって1本のストーリーとして収めるか(違和感なく見せるか)ですが、それぞれの物語をステージとして分割し、違う物語やキャラクター同士が干渉しないように工夫されています。そのステージ間の移動に使われるのはドナルドとグーフィーが乗ってきた船「グミシップ」。3D・STG風の亜空間航行に似たシステムを採用し、このあたりは、深く突っ込むと少し違和感があるのですが、ゲームのサブ的な楽しみとして様々なグミシップが設計できるというオマケもあり、ゲーム全体を通して上手く収めてあるな……というのが正直な印象。そりゃね、最初のステージをクリアして「さぁ次!」というところで3Dシューティングが始まったときは正直焦りましたよ(苦笑)。でも、慣れるとどうってことはありません。それぞれのステージ(物語り)間を違和感なく繋ぐ主人公の目的もゲーム全体に上手くマッチしていますし、これだけ完成されていれば上々ではないでしょうか。ちなみに、『キングダム ハーツ』では、ディズニー以外にも『FF』でお馴染みのキャラクターが登場します。このあたりはスクウェアらしい遊び心を感じました。え? どんなキャラかですって? あのキャラとかあのキャラとか……(わからないって! 笑!)。ぼくはプレイヤーの楽しみを奪うことはしたくありません(笑)。

●これをRPGとして捉えられるかはプレイヤー次第!?
 次にゲームの基礎的な部分であるRPGとしての評価について。『キングダム ハーツ』のゲームジャンルはRPGとなっていますが、RPG本来の意味(プレイヤーが物語り上で役割を演じる)という点ではまさにRPGといえる内容です。しかし、ハートレス(敵)とのバトルはアクション要素が濃く、プレイし始めて間もないうちは「ACT系のゲーム!?」だと感じなくもありません。が、ストーリーが進んでいくうちにプレイヤーキャラは『キングダム ハーツ』という世界の住人として存在し、まさに自分がソラ(主人公)という少年を演じていることに気付くでしょう。また、そう感じるのに時間を必要としません。コマンド入力をしてバトルするRPGも楽しいですが、アクションをしながら「自分がプレイしている! 自分がソラを演じている!」と感じとれるRPGも楽しいのではないかと。あくまで個人的な意見ですが、ぼく自身は『FF』的なゲームよりも『キングダム ハーツ』のようなゲームが好きですね。まさに「自分の意志でプレイしている!」と感じとれるから……。何というか、リアルタイムに反応できる(自分の操作結果がフィードバックできる)ものこそがゲームの醍醐味だと思うんですよ。

●イイことばかりでもない……これだけは痛かった!
 最後に痛いところをひとつ。『キングダム ハーツ』は完全な3D視点でゲームを進めていくのですが、その際問題となるのがオートのカメラ視点。大抵のゲームはプレイヤーキャラの後ろに仮想カメラがあるような視野で表現されていますが『キングダム ハーツ』もしかり。しかし痛い点がひとつあり、視点をR1・R2ボタンで回転させるとき、仮想カメラに障害物が当たるとそれが邪魔になって突っ掛かるという現象。例えば、主人公のすぐ後ろに壁があるとします。すると、その壁に突っ掛かって正面を見ることができないのだ。その回避策としてセレクトボタンで主人公視点になるモードもありますが、このモードでは移動できないため移動やアクションをしながら視点を回すということができない。このあたりは、視点を寄せたり引いたりパースをかけることで解決しているゲームが数多くあるため『キングダム ハーツ』もぜひ参考にしてほしかった点でしょうか。酷いときには、見たい方向を見れずにストレスさえ感じる。まぁ、そんなときはマップを頭でイメージしながらキャラを動かせばイイんですけどね。それくらいのことは皆できるでしょうし!? ある意味、この視点問題以外はほぼ完璧なだけに、なおさら惜しまれてなりません。それ以外の操作性は機敏で反応が良く、まったくストレスを感じないですね。メモカ1個でセーブがたくさんできる点も何気にうれしい♪


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レビュアー紹介
犬くん
 ハードのことになると目の色が変わるくせしてXboxを買っていないという腰抜け野郎。それどころかPS2の調子が悪くなり、買い換えないとピンチだとか!? さらに『スパロボIMPACT』と『FE〜封印の剣〜』が同時に出てしまい、遊ぶ時間が欲しい。とにかく欲しい! ダメ?(笑) しょんぼり(涙)。

●好きなゲーム
『ファイアーエムブレム』シリーズ
『スパロボ』シリーズ
『ザナック』(今の気分的に)
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