第1節 ケーススタディ〜ある地方都市にみられた犯罪の変容

 本節では、ケーススタディとして、北関東に位置する地方都市である栃木県足利市における犯罪の変容を分析し、これが、全国のその他の地域についても妥当するかどうかについて考察を試みることとした。
 この白書においてケーススタディの手法を採ることとしたのは、全国統計に表れた数字のみによって犯罪の変容を分析するのではなく、社会変化の動向を具体的にとらえやすい1つの都市について、きめ細かな分析を試みようという意図によるものである。
 なお、栃木県足利市を対象として選定したのは、主として次の理由によるものである。
[1] 人口の社会増が少ないこと
 足利市の人口は、過去20年間、全国の人口の伸びをやや下回る伸び率で緩やかに増加し、大幅な人口増がないという点で比較的安定した検討対象である(図1−1)。また、犯罪の認知件数も、ほぼ全国のそれと軌を一にしている(図1−2)。
[2] 1警察署が1市を管轄していること
 足利警察署1署が足利市全域を管轄しており、市の範囲と警察署の管轄区域が同一であるため、警察活動の分析に適当である。
[3] 県境地域に位置すること
 足利市は、群馬県と隣接しているほか、茨城県、埼玉県とも近く、県境を越えた犯罪が警察活動に与える影響等を分析する上で、適当な検討対象である。

図1−1 足利市の人口の推移(昭和47〜平成3年)

図1−2 足利市における刑法犯認知件数の推移(昭和47〜平成3年)

[4] 大規模な企業施設や交通機関等の変化が少ないこと
 都市によっては、鉱山の閉鎖等によりその表情が一変する場合もあるが、足利市の場合、このような社会的な変化は緩やかで、犯罪の変容に関しても全国的に妥当する傾向を抽出するのに比較的適当である。
[5] 最近において、大規模な事件捜査が行われたこと
 平成3年には、足利警察署において全国的に注目を集めた幼女誘拐殺人事件を検挙しており、捜査活動の困難化についての分析を行うのに適当な検討対象である。


足利市の紹介
 足利市は、栃木県南西部、群馬県との県境に位置し、東京から80キロメートルの距離にあり、市を東西に横切って渡良瀬川が流れ、北には緑なす山並み、南には関東平野がひらけている。

[1] 「歴史と文化のまち」足利市
 足利市には、足利公園古墳群、史跡足利学校等の歴史的遺産が多く、また、室町幕府を開設した足利氏発祥の地でもある。
[2] 「織物業のまち」足利市
 足利市では、古くから織物業が栄え、奈良時代には「かもしかおり」が供進されたと伝えられている。戦前は足利銘仙、戦後はトリコット織(メリヤスに似せて織られた織物の一種)の生産が盛んであったが、石油ショック後、織物業はかつての勢いを失い、ゴム、プラスチック製造業等様々な分野の工業が進出している。
[3] 「北関東時代・両毛新時代」へと向かう足利市
 足利市内の主な交通網として、道路は国道50号、293号が、鉄道はJR両毛線、東武伊勢崎線がある。また、北関東横断道路の通過と足利市のインターチェンジの設置が決まったことに伴い、周辺地域の開発計画が検討されている。
 平成3年に市制70周年を迎えた足利市は、21世紀を展望した「充実した街づくり」を進めている。


1 新市街地等の形成と警察事象の分布等の変化

(1) 足利市における変化

 足利市は、関東平野の北方に連なる山岳地帯と平野部との境に古くから開け、栃木県の南西部、群馬県との県境地域に位置している。市制施行は大正10年と古く、その後、周辺の町村を合併して現在に至っている。従来、人口が集中していたのは、いわゆる旧市内(市制施行時における市の区域)であり、周辺部は農村地帯を形成していた。

 このため、従来は、犯罪の発生も旧市内を中心とし(図1−3)、さらに、隣接する市町村との境界部分はおおむね田畑であったため、犯罪を犯した後に犯人が現場から逃亡した場合でも、その追跡等が比較的容易であった。
 しかし、過去20年間に、旧市内の人口減少とその周辺地域の人口増加の傾向が顕著となっており、いわゆる人口のドーナツ化が進んでいる状況がうかがわれる(図1−4)。

図1−3 足利市の人口分布(昭和47年)と犯罪発生分布(昭和47〜51年の平均)の比較

図1−4 足利市の地域別人口の伸び率(昭和47〜平成3年)

 また、過去20年間の傾向として、人口の増加はそれほどでもないのに対し、核家族化の進展による世帯数の増加が急激に進んでいる。これら新たに増加した世帯は、車を利用した移動の日常化等により旧市内に居住するメリットが消失したことなどから、従来田畑であった周辺地域に新市街地を形成するようになっており、この結果、旧市内が空洞化することとなっている。このような現象は、統計上、宅地面積の伸びが世帯数の伸びを上回っていることにもその一端がみられる(図1−5、図1−6)。
 新たに形成された新市街地は、旧市内のように一箇所に集中しているのではなく、市内各地に点在するように形成されており、後述するように、その住民の地域社会への結び付きは、従来に比べて弱いものとなっている。

図1−5 足利市の人口、世帯数、1世帯当たり人員の推移(昭和47〜平成3年)

図1−6 足利市の宅地面積の推移(昭和47〜平成3年)

(2) 警察活動にもたらした変化
ア 犯罪分布の変化
 市街地の拡散は、犯罪の分布にも影響を与えている。
 犯罪の認知件数及び人口の伸び率について、昭和47年から51年の平均と62年から平成3年までの平均を比較すると、旧市内以外の地域では、人口の伸び率を上回る率で犯罪の認知件数が増加している一方、旧市内では、犯罪の認知件数はほぼ横ばいとなっている(図1−7)。
 旧市内以外の地域における犯罪の発生が増加し、犯罪が発生する可能性の高い地域が新たに周辺地域に拡大したことは、事件発生時に、警察官がこれまでよりも遠方に出動しなければならない必要性を増大させるとともに、警察官による警戒対象の拡散を生じさせており、捜査員等の配置、運用に当たって重点を置くべき地域が拡大する結果をもたらしている。

図1−7 足利市における年平均犯罪認知件数の地域別伸び率(昭和47〜51、62〜平成3年の平均)

イ 境界地域の市街地化
 市街地の拡散は、従来農地であった隣接市町村との境界地域に、新しい市街地を形成させることとなっている。
 例えば、群馬県との県境付近は、過去20年間の人口及び犯罪認知件数の増加が著しく、このことは、これらの地域における捜査活動強化の必要性を増大させるとともに、他の県警察との協力を恒常的に行っていく必要を増大させている。

(3) 全国の状況
 以上に述べたような地方都市における市街地の拡散とそれに伴う犯罪の変容の状況は、宅地の拡大が、世帯数の増加を超えて、全国的に、特に大都市圏以外の地域において顕著に進行していることからみて(図1−8、図1−9)、これを全国のその他の地域に一般化して考えることができる。

図1−8 都道府県別宅地面積の伸び率(昭和49〜平成2年)

図1−9 都道府県別世帯数の伸び率(昭和45〜平成2年)

2 生活のモビリティーの増大と犯罪の質的変容

(1) 足利市における変化
 足利市における乗用車の保有台数の推移は、図1−10のとおりで、現在では、1世帯当たりの乗用車の保有台数が1台を超えており、本格的なセカンドカー時代に移行している状況がうかがわれる。また、女性の運転免許保有人口は3万9,879人で、15歳以上の全女性人ロの55.8%となっている。これから明らかなように、日常生活における自動車の利用は常態化しつつある。

図1−10 足利市における乗用車登録台数及び1世帯当たり保有台数の推移(昭和47〜平成2年)

 この結果、県境、市域境を越えての通勤、通学等が増加するなど、1日を単位とする人の流出、流入が活発化し(図1−11)、人々の生活範囲、行動範囲が著しく拡大していることがうかがわれる。また、バス等の公共輸送機関の利用者はむしろ減少傾向にあり、生活範囲の拡大は、専ら自動車の利用によるものであることが推定される。

図1−11 足利市における昼間流入、流出人口の推移(昭和45〜60年)

(2) 警察活動にもたらした変化
 (1)に述べたような変化は、足利市における警察活動に次のような影響を与えている。
ア 自動車利用犯罪を想定した捜査
 自動車の利用が日常化、一般化したことにより、犯罪が発生した場合において、犯人が自動車を利用して逃亡することを想定した初動捜査活動を行う必要性が高まっている。
 ところが、足利市の市域は、東西約15キロメートル、南北約20キロメートルであり、自動車を利用すれば、市内のどこからでも数分から数十分で市域外に到達することが可能である。
 このため、犯罪発生時の緊急配備を、関係する警察署又は県警察と合同で行う必要性が増大しており、他県で事件が発生した場合等に足利警察署管内に発令される緊急配備の件数は、昭和47年から49年までの間には年平均7.7件であったものが、平成元年から3年までの間には年平均15.0件とほぼ倍増している。
イ 裏付け捜査等の捜査活動の広域化
 市民の生活範囲が市域を越えて拡大していることは、市民が犯罪の被害者となった場合や事件の参考人となった場合に、個人の行動についての裏付け捜査を行う必要から、県境や署境を越えた捜査活動を行わなければならない場面を増大させている。
 足利警察署においても、警察署の管轄区域の境界や県境を越えた捜査活動が常態化しており、4年4月中、足利警察署刑事課員が足利警察署の管轄外で捜査を行った回数は1人平均約8回、そのうち県外で捜査を行った回数は1人平均約4回となっている。また、3年12月に検挙した幼女誘拐殺人事件(被害者は足利市居住の幼女)の捜査に当たっては、目撃者等の参考人が足利市以外に居住している可能性も高かったことから、情報提供を呼び掛けるためのチラシ等を足利市以外の地域で約2万2,000枚配布している。
(3) 全国の状況
 足利市でみられたような変化は、全国的な傾向としても表れている。
 すなわち、乗用車の普及は、この20年間に著しく進んでおり(図1−12)、中でも、大都市圏以外の府県でその伸び率が顕著で、これらの府県においては本格的なセカンドカー時代が到来している。また、県境等を越えて通勤、通学する者の数も年々増加している(図1−13)。
 これらは、生活、行動範囲の拡大が全国的な現象であることを示しており、後述するように、署境、県境を越えた捜査は全国的に日常化している(第2節1参照)。

図1−12 都道府県別1世帯当たり乗用車保有台数(平成2年)

図1−13 県境を越えた通勤、通学者の割合の推移(昭和50〜平成2年)

3 地域社会における人と人の関係の希薄化

(1) 足利市における変化
ア 女性の社会進出の状況
 足利市では古くから繊維工業が盛んであり、多くの女性が家内工業等に従事し、また、農業に携わる女性の数も相当数あった。このため、戦後の高度成長期(昭和45年)には、全就業人口に占める女性の割合が43.5%と、全国の39.3%を上回っていた。昭和49年の第1次石油ショック後に繊維工業が衰退するとその割合は急激に低下したが、その後、製造業、農業以外の業種における主婦を含めた女性の社会進出が急速に進んだことにより、平成2年には、女性の就業者数は、昭和45年の水準と同程度になっている(図1−14)。
 農業や家内工業に従事する女性が減少し、第3次産業に従事する女性が増加したことは、昼間不在となる世帯を増加させる一つの要因となっ

図1−14 足利市における女性の産業別就業人口の推移(昭和45〜平成2年)

ている。このような昼間不在世帯の増加は、後述するように、警察の行う聞き込み捜査等をより困難なものとしている。
イ 近隣の人々とのコミュニケーションの機会の減少
 足利市では、買物等の日常生活の様式の面にも変化がみられる。
 例えば、大規模小売店舗(店舗面積が500平方メートル以上のものをいう。以下同じ。)の数は、昭和47年には6店舗であったものが、平成4年では26店舗となっており、また、いずれも多数の車両を収容できる駐車場を備えている(4年現在における26店舗の駐車可能台数の平均は約110台である。)。
 これは、市街地の拡散や自動車利用型の生活の一般化と軌を一にする現象であり、かつて主として旧市内の商店街で行われていた買物が、自動車を利用して郊外のスーパーマーケットで行われるようになってきたことを示している。
 これにより、移動に自動車を利用することが一般化し、いわゆる井戸端会議のような場が減少するなど、人々が近隣の人々とコミュニケーンョンをする機会が減少してきており、また、この結果、日常、家事や買物のかたわら、近隣の様子について細かく見聞きすることのできる機会を有する者の絶対数は減少している。
 なお、足利市の商店街での歩行者数及び自動車通行量の推移は、図1−15、図1−16のとおりである。

図1−15 足利市の商店街における歩行者等の通行量の推移

図1−16 足利市内の自動車交通量の推移

(2) 警察活動にもたらした変化
 このような生活様式の変化に伴う地域における人間関係の希薄化は、事件に関する情報の入手を非常に困難なものとしている。
 平成2年5月に足利市在住の幼女が行方不明になり、捜索中の警察官により遺体が発見された幼女誘拐殺人事件(3年12月検挙)を例に取って、こうした状況をみていくこととする。
 この事件は、足利市の旧市内の南側を流れる渡良瀬川の河川敷で、幼女の遺体が発見されたという事件であったが、同女が行方不明になった5月12日前後は、この場所は他県からの来訪者を含む相当多数の市民でにぎわっていた。
 遺体の発見された13日、栃木県警察では、足利警察署に総勢180人余から成る捜査本部を設置した。また、警察庁では、25日に、この事件について、栃木県警察を中心とした関東管区警察局内の各県警察が緊密に協力して捜査をするよう指示し、関係県警察の捜査員も含めた大量の捜査員を投入しての捜査が開始された。
 被疑者の検挙のためには市民から情報を得ることが重要であるため、遺体発見の3日後、足利市のほぼ全家庭に対してチラシを配布したのをはじめ、行方不明となった地点付近を通行する者や遺体発見現場付近の公園に出入りする者等多岐にわたる者に対する聞き込みを行ったが、有効な情報はなかなか得られなかった。また、情報の提供等を呼び掛けるため、検挙までの1年半の間、数種類のチラシ等を作成、配布し、その総数は、足利市の世帯数5万2,000をはるかに超える約53万枚に上った。

 しかしながら、聞き込みに当たっては、「警察に言うと後で呼び出されるからかなわない」、「またですか、何もわからないですよ」などと取り合わない人々が多くみられ、関わり合いになりたくないとの態度を示す者が多数を占めた。もちろん、一方では、積極的に協力しようという市民も存在したが、新興の住宅団地の家庭、共稼ぎの家庭等では、隣に住んでいる人について、その名前はおろか顔すら知らない場合が多かった。
 結果的に明らかになった被疑者(45)は、旧市内で生れ育ち、平日は旧市内に住み、週末には市南部の比較的新しく造成された住宅地の借家に滞在して一人でアダルトビデオ等を楽しむという生活を送っていた。被疑者は、この家を約15年間継続して借りており、本人の自供によれば過去にも2人の幼女を同様に殺害しているとのことであるが、周囲の住民はこの被疑者の居住実態について全く無関心であり、被疑者の勤務先、生活の実態、性格といった人間像について知っていた者は皆無であった。
 このように、この事件の捜査を通じて、明らかとなった人と人の関係の希薄化は、聞き込みをはじめとした捜査活動を一層困難なものとしている。
(3) 全国の状況
 足利市におけるスーパーマーケットの増加や女性の社会進出等による地域社会の変容は、既に述べたように警察活動にも大きな影響を及ぼしているが、このような現象は全国的にうかがわれる。
 女性のパートタイム労働者数や就業人口に占める女性の比率は全国的に増加傾向にあり(図1−17、図1−18)、足利市でみられたように、昼間の聞き込み捜査に応ずることができない世帯の数が増加している状況がうかがわれる。

図1−17 女子のパートタイム労働者数の推移(昭和50〜平成元年)

図1−18 女子就業者数の推移(昭和45〜平成2年)

図1−19 大規模小売店舗の数の推移(昭和54〜63年)

図1−20 都道府県別大規模小売店舗数の伸び率(昭和54〜63年)

 また、都道府県別の大規模小売店舗数の推移は、図1−19、図1−20のとおりであり、大都市圏以外の地域においては、乗用車保有台数の増加もあいまって、足利市と同様の状況が進行していることをうかがわせる。

4 外国人の大量流入

(1) 足利市における変化
 足利市における外国人登録者数の推移は、図1−21のとおりであり、ここ2、3年で急増している。また、外国人登録により把握されていない者の数は更に多く、総数で7,000人とも8,000人ともいわれており、人口の約5%を占めるに至っている。この比率は、単純労働者を受け入れ

図1−21 足利市における外国人登録者数の推移(昭和59〜平成3年)

ている欧米諸国における外国人の比率に匹敵する高さである。
 足利市において、外国人が急激に増加することとなったのは、中小企業等の人手不足が深刻化した平成元年ごろからである。これらの外国人は、主として市内の中小工場に勤務し、プラスチックのプレス等の業務に従事しているが、その実態は完全には把握できない状況にある。
 足利市役所では、4年度に国際係を設置して外国人に関する行政需要に対処しているが、アパートの1部屋に5、6人の外国人が居住している場合も多いなどのため、国際係の業務には多くの困難が伴っている。また、生活習慣の違い等から、外国人と地域住民との間には、ゴミの出し方をはじめとしたささいな事柄をめぐるトラブルも生じている。
(2) 警察活動にもたらした変化
 来日外国人の増加は、足利市における警察活動に次のような変化をもたらしている。
ア 来日外国人による犯罪の増加と捜査の困難化
 足利市に居住する外国人の増加に伴い、外国人による犯罪の発生が目立つようになった。足利警察署で検挙した来日外国人による犯罪は、平成2年は4件、3人、3年には8件、6人である。
 これらの外国人による犯罪の捜査に当たっては、通訳の確保が必要であり、また、通訳を介して行う取調べには通常よりも相当の時間が掛かるなどの問題がある。
 また、最近では、中南米等の外国人が増加する傾向にあるため、ポルトガル語(ブラジル)やスペイン語等の通訳の需要が高まっているが、例えば、
○ スペイン語の通訳が必要であった事件において、取調べの期間中、1人の者に継続して通訳を依頼することがその者の仕事の都合等により不可能であったため、足利市内の語学教師のほか、群馬県太田市の人材派遣会社にも通訳の派遣を依頼せざるを得なかった
○ ペルシャ語の通訳が足利市内にいなかったため、栃木県警察本部捜査第一課を通じて宇都宮市内の者に通訳を依頼せざるを得なかった
など、通訳の確保には多くの労力を割かなければならない現状にある。
イ 実態把握と来日外国人保護の困難化
 来日外国人は、言語上の問題から日本人とのコミュニケーションに困難を伴うほか、先述のように、市内のアパートの1室に5、6人が集まって住む例が多いなど、警察においても、正確な居住実態等を掌握することが困難である。
 このため、外国人が犯罪や事故の被害に遭った場合に、警察への届出がなされなかったり、その身元確認が難しいなど、外国人の保護に関しては種々の困難が生じている。
(3) 全国の状況
 足利市の人口に占める外国人の割合は、推定不法就労者数まで含めた場合、全国的にみても高い水準にあるといわれており、これまで述べてきた足利市の状況が、そのまま全国のその他の地域に妥当するとは言い難い。しかしながら、後でみるように来日外国人の数は全国的に増加の一途をたどっており、足利市における警察活動上の問題は、今後、全国に拡大していく可能性がある。
 なお、来日外国人の増加に伴う警察活動上の問題点については、第2節2において詳しく述べる。


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