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移住グループが始めた『ワンランク上の安宿』


●石垣島に遊びに行ったらぜひ体験したい遊び&スポット。「るるぶ 沖縄こだわり体験スポット2007」では、マングローブの川をカヌーで漕いだり、伝統のみんさー織りを体験したりなどの観光案内をご紹介。
 沖縄への移住がブームだが、フィーチャーされるのは“青い空、青い海、のんびりした暮らし”ばかり。最近特に人気が高い離島(沖縄本島以外の島々)では、アルバイトの口はあっても腰を据えて取り組むような仕事は見つかりにくい、という事実はあまり知られていない。

 いい仕事がないならどうするか? 自分たちでおもしろいことしようよ! ということで、移住先で知り合った5人が始めたのが、石垣島の素泊まり宿「美ら宿(ちゅらやど)石垣島」だ。

 市街地のど真ん中に160坪のフロアーを借り、目指したのは“ワンランク上の安宿”。限られた資金を有効に使うため、内装は自分たちで手がけることにした。10年放置されていた元スーパーには、陳列棚などが残っていて、まずはそれを片づけることから開始。傷んだ天井を修理し、ぼろぼろの壁にしっくいを塗り、建築基準法、消防法、旅館業法など開業に必要な法律をクリアするよう、壁を作ったり、壊したり。作業は遅い午後に集まって、おしゃべりしながらなんとなくを始めては、夜中まで。

 「とはいえひとりひとりがマイペース。気分が乗って朝までやることもあれば1〜2時間で終わったり、ときには数日間さぼったり、なんてこともお互い許されましたね」
 そう話すのは、安宿をやろうといいだしたひとり、佐々木真樹さんだ。

 こうして4ヵ月かけて完成した宿は、ゆったりしたコミュニケーションスペースがウリ。無料のインターネットと充実したマンガのコレクションを見て、「マンガ喫茶みたい!」と喜ぶお客さんもいる。
 キッチンランドリー完備で、ユニットバスにはなんと、沖縄では珍しくバスタブもある。

 「若いころ、自分もあちこち旅をしていたので、安くて快適な宿を提供したいと思ったんです。今の人たちって、旅先で一緒になった人とおしゃべりして知り合いたいと思う反面、プライベートな空間も大事にしたい。それを実現できるよう、ベッドも工夫しました」
 というのはリーダー格の横田勇さん。この宿では二段ベッドのドミトリーや個室タイプもあるが、人気が高いのは横田さんがデザインしたカプセルタイプ1畳半ほどの空間にはライトとコンセントがあり、本が読め、ケータイの充電もできる。布団をしいてもカプセル内に荷物まで置けて、入り口のカーテンを閉めれば秘密基地のような完全個室に。天井の高さもそこそこあり、圧迫感なくゆったり眠ることができる。人恋しくなれば、コミュニケーションルームに出ていけばいい。

 宿は順調にスタートし、満室になることも珍しくない。スタッフはみな気軽にお客さんに声をかけ、自分たちのお城で楽しそうにおもてなしをしている。しかしメンバーの紅一点、桜井知代さんによると、プロジェクトはこれで完成ではないという。
 「私以外みんなコンピュータの知識があるし、会社組織にしたこともあるので、これからもっと、そういう仕事を受けていくことになるかもしれませんね。みんなが集まれるたまり場ができたので、ここをベースに仕事を発展させられたらいいな、なんて話しているんですよ」

 島の生活を楽しみながら、自分たちらしい仕事を生み出していく若い移住者たち。すばらしい生活環境と充実した仕事の両方を手に入れるのが、ワンランク上の移住だ。

(ライター/山下 智菜美)


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◇◆DATA◇◆
『美ら宿石垣島』
場所:石垣島あやぱにモール内タウンパルやまだ(山田書店)2階
料金:ドミトリー 1泊1500円
   カプセルタイプ 1泊1800円
   個室タイプ 1泊2600円
電話:0980-84-2611
HP:http://www.churayado.com/



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