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EUが猫と犬の毛皮貿易禁止を提案

動物愛護運動家たちが殺害方法の残酷さを指摘

ロバート・ネフ(2006-11-29 16:58)
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 今年9月、フィンランドの税関査察官がおもちゃの猫の出荷を見つけた。猫は非常に愛くるしく、小さな子どものご褒美になったかもしれない。ただし、おもちゃの猫に使われていた毛の部分は本物の猫の毛だった。このおもちゃだけでなく、多くの「毛皮」のコートも猫の毛を使っている。

 欧州連合(EU)の保健消費者保護担当委員マルコス・キプリアヌ氏は、「欧州では猫や犬は人間のパートナーだと考えられている」。したがって、「子どもたちが猫の毛でできたおもちゃで遊ぶことは受け入れがたい」と述べた。

 11月20日、EUは25加盟諸国間で、すべての猫や犬の毛皮の販売と輸入の禁止を提案した。こうした貿易が残酷だとする主張は、毛皮部分にできるだけ損傷を与えないように犬や猫を残酷に殺害したビデオや写真で実証された。

 幸運な動物たちはあっという間にぶたれて殺されたり、皮をはがされるが、多くはそれほど幸運ではない。犬や猫が首から吊らされてゆっくり死んでゆく様子を映し出す写真やビデオは、動物愛護団体のさまざまなウェブサイトで見つかる。さらにひどいものは、皮をはぎやすくするために、猫を熱湯の中に生きたまま投げ込む場合もあると言う。

 動物愛護団体「シリアス」のウェブサイトによると、「犬が1匹殺されると、髪がすぐに抜け落ち出す。これでは中国人が必要とする質の高い毛皮を得られないので、犬は生きたまま皮をはがされる」。

米国ではEUの提案と同様の禁止条項が定められているが、うっかりした抜け道がある。150ドル以下の品物は内容表示をつける義務がなく、簡単に監視できない。手袋、小さなおもちゃ、毛皮がついた衣服、耳隠し、また鍵も、猫や犬の毛をよく使っている。

 しかし、内容表示があることで問題は解決できない。フィンランドで猫のおもちゃが見つかったのは、猫の毛使用とするはっきりした表示があったからだ。しかし、多くの場合、品物は故意に異なる内容表示がついていたり、混乱するような表記になっている。

* * *

 米国で禁止され、欧州でも禁止の提案が出たにも関わらず、中国の多くの毛皮輸出業者には影響がないようだ。ある中国人の毛皮販売マネージャーは、『チャイナ・ポスト』紙上で、会社は韓国にウサギや犬の毛皮を輸出するだけだと説明したが、輸出量を明らかにすることは拒否した。

 最近北京では「1家族に1匹の犬」政策が実行されており、大量の犬が押収され、多くの人々は捕まった動物たちの行方に懸念を抱いている。

 北京政府は、犬は犬用避難所に連れて行かれたと発表した。ある大きな避難所には「病院、犬用カフェがあり、専門にペットの面倒を見る人やトレーニングの専門家が犬が十分によく取り扱われているように注意している」という。

 多くの動物愛護家にとって、犬が人間的に扱われているという説明は信じがたい。

 あるウェブサイトは、中国では、「ペットとなっている犬が犬の所有者によって、自宅や通りでこん棒で打たれて殺されたり、首を絞められたり、電気ショックを与えられたり、生きたまま埋められたりしている、という報告を受け取った」としている。サイトは、読者が、それぞれの地域の中国大使館に丁寧な抗議の書簡を送るよう呼びかけた。

 これと反対になるのが国際人道協会の担当官が、電子メールのやりとりのなかで、「どの動物福祉団体も、押収された犬が殺害されたという証拠を示すことができなかった」と述べている。「しかし、中国のこれまでの犬や他の動物の取り扱いの歴史を考えると、懸念を抱いている」。

 もし犬が、人間的な方法にせよ非人間的な方法にせよ、本当に殺りくされているとすれば、多くの人は犬の死体がどうやって処理されているのかと疑問に思うだろう。中国では犬は重要な収入源であり、不謹慎な官僚が自分のポケットを膨らませるためのすばらしい機会を与える。ある犬の飼育主がレポーターに2001年語ったところによると、毛皮を新鮮に保つように犬を育てれば、「豚の飼育よりも2倍以上の利益が得られる」という。利益率はもっと高く、「豚の4倍以上、にわとりの3倍以上」という団体もある。

 犬の肉で知られる中国のペイシャンでは、2001年、30万匹以上の犬が殺害されたという。半分は中国のほかの地域や韓国、北朝鮮に輸出された。動物愛護団体の一部は、犬の肉が入った缶が秘密裏に米国のアジア人のコミュニティーに輸出されたとしている。

 動物愛護団体の1つ「ホープ」の創始者アントニー・マー氏は、犬肉の缶が米国に輸出された証拠を見つけることができなかったが、媚薬として使うために粉々にした犬のペニスが入ったある種の東洋の薬を見つけたという。この薬は、世界中で見つけることができ、目覚しい効き目があるとされているが、成分や健康に与える影響にはしばしば疑問符がつく。

 欧州での猫や犬の毛皮貿易の禁止は、こうした商習慣を止める効果があるだろうか? そして、例えば、動物の人間的な取り扱いに関し、中国政府にさらに圧力をかけることになるだろうか? 北京のジャーナリストで、中国小動物保護協会の副会長のジャン・ダン氏は、『チャイナ・ポスト』紙の中で、「この(提案は)有益だと思う。中国政府に向けての非常に重要な合図であるし、中国側はこれを認識せざるを得ないだろう」、と語っている。

 しかし、おそらく、毛皮貿易商のリウ・ニング氏の発言が誰よりも真実に近いかもしれない。「もし欧州連合や米国が猫や犬の毛皮を嫌い、使わなければ、中国のビジネスマンは毛皮製品を作らなくなるだろう。しかし、もし使うと言うのなら、市場があるし、これからも作るだろう」。

 これは、米国がドラッグ撲滅や売春禁止運動で使ってきたのと同じ論法だ。つまり、消費者をなくし、品物の提供者をなくしていく、という論理だ。これがどれほど成功するだろうかと思うと疑問を感じざるを得ない。

オーマイニュース英語版から〔11月22日掲載〕)
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