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評者一覧

書評

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人類の足跡10万年全史 [著]スティーヴン・オッペンハイマー
 現生人類の起源に関して、従来二つの説があった。一つは、多地域進化説である。これは世界中の「人種」は、現生人類の祖先であるジャワ原人、北京原人、ネアンデルタール人などからそれぞれ進………[記事全文]
[評者]柄谷行人(評論家)  [掲載]2007年09月30日
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リビアの小さな赤い実 [著]ヒシャーム・マタール
 本書評を執筆中に、本紙に「リビア『普通の国』遠く」という記事が載った(15日付)。リビアという国には、普通でない、反米の奇矯な独裁者の国、というイメージがつきまとう。その中心に君………[記事全文]
[評者]酒井啓子(東京外国語大学教授・中東現代政治)  [掲載]2007年09月30日
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日本の古典芸能 名人に聞く究極の芸 [著]河竹登志夫
 古典芸能の世界で「名人」と呼ばれる十人をゲストに招いた対談集である。  その道で奥義をきわめた人物は必ずしも話し上手とは限らず、そう易々(やすやす)と話が引き出せるものではない。………[記事全文]
[評者]野口武彦(文芸評論家)  [掲載]2007年09月30日
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都道府県改革論 政府規模の実証研究 [著]野田遊
 福田新内閣で道州制導入に積極的な増田総務相が再任されたことで、道州制導入に向けての議論が今後も継続していくのではないかと思われる。  この道州制については、「規模の経済性」による………[記事全文]
[評者]小林良彰(慶應大学教授・政治学)  [掲載]2007年09月30日
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喪失とノスタルジア 近代日本の余白へ [著]磯前順一
 本書は、近代日本の知識人の精神史を新たに語り直そうとした思想論集である。著者は宗教学者で歴史家だが、既存の学問の枠には収まりきらない活躍をする人である。本書ではその著者にふさわし………[記事全文]
[評者]赤澤史朗(立命館大学教授・日本近現代史)  [掲載]2007年09月30日
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共和主義ルネサンス 現代西欧思想の変貌 [編著]佐伯啓思、松原隆一郎
 共和主義は、日本の政治風土に根を下ろした言葉とは言い難い。共和主義を掲げる日本の政治家など私は知らないし、特定の党派を共和主義的だと論評する記事にもお目にかからない。多少ワケ知り………[記事全文]
[評者]山下範久(立命館大学准教授・歴史社会学)  [掲載]2007年09月30日
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楽園(上・下) [著]宮部みゆき
 ベストセラーとなった著者の代表作の一つ『模倣犯』で大活躍した女性フリーライター、前畑滋子が主人公をつとめる。前作の影が全編に落ちてはいるが、全く独立した作品として、その世界に入っ………[記事全文]
[評者]四ノ原恒憲(編集委員)  [掲載]2007年09月30日
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信長は本当に天才だったのか [著]工藤健策
 信長の天才性は、桶狭間の戦いでの不利を覆した勝利を始め、経済の時代を見越した楽市・楽座の開設、南蛮人の渡来によって大航海時代に入ったという先進世界の潮流を直感的に見抜いたことなど………[記事全文]
[評者]前川佐重郎(歌人)  [掲載]2007年09月30日
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「雲」の楽しみ方 [著]ギャヴィン・プレイター=ピニー
 暑かった夏もようやく終わり、空を見上げると、さすがに秋めいた雲が浮かんでいる。そういえば最近、呑気(のんき)に雲を眺めるなどという機会をとんともたなかったことに思いいたる。  そ………[記事全文]
[評者]渡辺政隆(サイエンスライター)  [掲載]2007年09月30日
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ザ・ニューリッチ アメリカ新富裕層の知られざる実態 [著]ロバート・フランク
 アメリカの資産100万ドル以上の世帯は、95年から03年までで倍増し、800万世帯を突破した。ただ金持ちなだけでなく、独自の価値観に従って生きる若き億万長者を、著者は金持ち国に住………[記事全文]
[評者]香山リカ(精神科医、帝塚山学院大学教授)  [掲載]2007年09月30日
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渾身 [著]川上健一
 島根県の隠岐島では20年に一度、夜を徹して古典相撲が神社に奉納される。地区の誇りをかけて男たちがぶつかるその晴れの一日に、地域に根ざして生きる老若男女の思いを凝縮させた小説。親が………[記事全文]
[掲載]2007年09月30日
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明日がくる [編]松本宏樹、朝日学生新聞社
 言葉の暴力を受けてリストカットを繰り返した過去を持つ高1女子、「いじめられるのはその人自身のせい」と主張する生徒……。中学生向け週刊全国新聞で7年間続く「いじめ伝言板」への投書を………[記事全文]
[掲載]2007年09月30日
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嬉しうて、そして… [著]城山三郎/城山三郎が娘に語った戦争 [著]井上紀子
 作家・城山三郎は、この3月22日に茅ケ崎の病院にて亡くなった。享年79。遺稿集『嬉しうて、そして…』のあとがきで、最後の2カ月を一緒に過ごした娘の井上紀子さんは「一番心配していた………[記事全文]
[評者]高橋伸彰(立命館大学教授・日本経済論)  [掲載]2007年09月23日
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靖国戦後秘史―A級戦犯を合祀した男 [著]毎日新聞「靖国」取材班
 現在の靖国神社は、A級戦犯被告の合祀(ごうし)を正当化する立場に立ち、神社本庁も同様の地点に立っている。しかし本書はこれとは逆に、戦後の靖国神社や神社界では、A級戦犯の合祀に慎重………[記事全文]
[評者]赤澤史朗(立命館大学教授・日本近現代史)  [掲載]2007年09月23日
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イエズス会宣教師が見た日本の神々 [著]ゲオルク・シュールハンマー
 真言宗の信者はデウスを大日(だいにち)といい、禅宗では方便といい、浄土宗は阿弥陀といい、法華宗は「妙」という――イエズス会の宣教師が日本人の宗教的な寛容さから受けた印象を語って、………[記事全文]
[評者]野口武彦(文芸評論家)  [掲載]2007年09月23日
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タタド [著]小池昌代
 なにかにふっと持っていかれそうになる感覚の狂おしさが、この短編集をうっすらとおおっている。引き潮、引力、堰(せき)を切って溢(あふ)れるもの……。川端康成文学賞作の「タタド」を含………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年09月23日
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アリスの服が着たい [著]坂井妙子
 アリスが大好き。むろん、ルイス・キャロル原作の「不思議の国」や「鏡の国」に出てくるあのアリス。  ウエーブのかかった長い髪。小さな襟とちょうちん袖のワンピース。ふんわり広がったス………[記事全文]
[評者]久田恵(ノンフィクション作家)  [掲載]2007年09月23日
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映画篇 [著]金城一紀
 五つの小説が収められた短編集を読むことは、すなわち五つのラストシーンに出会うということである。小説をその点のみで語ってしまうことの乱暴さは承知しているが、しかし、本書で描かれた五………[記事全文]
[評者]重松清(作家)  [掲載]2007年09月23日
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メディアのなかのマンガ [著]茨木正治
 新聞が政治や世相を批判する際に、長い文章を連ねるより一コマの諷刺(ふうし)画を掲載する方が読者に訴えることがある。本書は、そうした政治漫画や、世相諷刺画(カートゥーン)の歴史や読………[記事全文]
[評者]小林良彰(慶應大学教授・政治学)  [掲載]2007年09月23日
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エルヴィス、最後のアメリカン・ヒーロー [著]前田絢子
 ロックの帝王エルヴィス・プレスリーが42歳で世を去ってから、今年の8月で30年。ゆかりの地・テネシー州メンフィスでは追悼企画が行われ、いまもアメリカ合衆国にはエルヴィス生存説を信………[記事全文]
[評者]巽孝之(慶應大学教授・アメリカ文学)  [掲載]2007年09月23日
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「愛されたい」を拒絶される子どもたち [著]椎名篤子
 児童虐待防止活動に取り組む著者が、傷ついた子どもをケアする現場を追った。  取材先は、虐待を受けた乳幼児を育て直す「ペンギンハウス」、児童精神科の入院病棟を持つ「あすなろ学園」な………[記事全文]
[評者]多賀幹子(フリージャーナリスト)  [掲載]2007年09月23日
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ピースメイカーズ―1919年パリ講和会議の群像 [著]マーガレット・マクミラン
 20世紀はいつ始まったのだろうか。自由主義、民主主義、国際主義といった、現代国際政治の有力な指導原理が決定的な意味を持って浮上したという意味では、1919年に第1次大戦を終結させ………[記事全文]
[評者]奈良岡聰智(京都大学准教授)  [掲載]2007年09月23日
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昭和の子供は青洟をたらしていた [著]池田敏秀
 著者は「高度成長の時代を好きなように生き、そのくせ今頃になって青春時代に悔悟の念を抱」く団塊の世代。幼い妹と弟を連れて授業を受けた小学校の同級生、差別やいじめのなか、心を閉ざし小………[記事全文]
[掲載]2007年09月23日
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面白半分BEST随舌選 [編]佐藤嘉尚
 まだバブルも平成の世の到来も知らなかった1970年代に「面白半分」という月刊誌があった。その創刊(72年1月号)から終刊(80年8月号)まで続いた企画が「随舌(ずいぜつ)」。イン………[記事全文]
[掲載]2007年09月23日
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官邸崩壊 安倍政権迷走の一年 [著]上杉隆
 朝日新聞の世論調査によれば、発足時の2006年9月に63%もあった安倍内閣の支持率は、参議院選挙に大敗した直後の2007年7月末には26%に急落していた。  当初「戦後レジームか………[記事全文]
[評者]野口武彦(文芸評論家)  [掲載]2007年09月16日
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ヒバクシャの心の傷を追って [著]中澤正夫
 相撲協会から厳しい処分を受けた横綱・朝青龍は、「解離性障害」と呼ばれる心の病に陥ったという。協会の処分が、心の崩壊の危機を招くほどの心的外傷になったというのだろうか。にわかには信………[記事全文]
[評者]香山リカ(精神科医、帝塚山学院大学教授)  [掲載]2007年09月16日
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国のない男 [著]カート・ヴォネガット
 本書は、現代アメリカの偉大な作家カート・ヴォネガットの最新エッセイ集にして遺作である。大好きな作家の新作がもう期待できないというのはなんとも悲しい。だが、ともかくも新作が読める幸………[記事全文]
[評者]渡辺政隆(サイエンスライター)  [掲載]2007年09月16日
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ハル、ハル、ハル [著]古川日出男
 きみはもう読んだ? 『ハル、ハル、ハル』。マジやばいっすよ、この小説は。読むとテンションの高さがうつるからね。あと口調も。本を読みながら息がハアハア上がるって、あんまりない体験だ………[記事全文]
[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)  [掲載]2007年09月16日
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神の法vs.人の法 スカーフ論争からみる西欧とイスラームの断層 [編著]内藤正典、阪口正二郎
 8月末、イスラーム主義を掲げる公正発展党出身の新大統領が選出されて、トルコ国内が揺れている。大統領本人より、大統領夫人が髪を覆うスカーフを被(かぶ)っていることが、大論争の種だ。………[記事全文]
[評者]酒井啓子(東京外国語大学教授・中東現代政治)  [掲載]2007年09月16日
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シャンパン歴史物語 その栄光と受難 [著]ドン&ぺティ・クラドストラップ
 現在日本のワイン業界は、ちょっとしたシャンパンブームに沸いている。ただの発泡性ワインではない本物の「シャンパーニュ」ブームだ。ここ10年ほどワイン全体の消費量が横ばいのなか、シャ………[記事全文]
[評者]山下範久(立命館大学准教授・歴史社会学)  [掲載]2007年09月16日

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