常設展示紹介

線刻釈迦三尊等鏡像

Mirror with engraved figures of Buddhas
日本平安時代 国宝
径(D) 15.1cm、重(W) 777g

 鏡像とは、鏡面に仏菩薩等の図像を表現したもの。研ぎ澄まされた鏡面に表現された聖なる図像は、光の反射によって、様々な表情を見せ、神秘的な趣をもつ。鏡像は、特に日本では神仏習合思想に基づいて独自の発展を遂げ、優品が少なからず残っている。国宝に指定されている本作品もその一つで仏諸尊を鏡面いっぱいに毛彫で表現している。

 まず、中央には多重の豪華な蓮華座に座す如来像をおき、その左右に菩薩像、その下に各々象・獅子にのる普賢・文殊の両菩薩像、さらに、最下段には二童子をしたがえた不動明王と毘沙門天の護法神二体も配されている。諸尊の上部には散華の花片が舞い、下部には草木を置くなど、細部まで丁寧に表現している。線刻には抑揚があり、平安末から鎌倉初にかけての白描図像を彷彿とさせるものがある。