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中南米 政党 IPS
2006−07年の課題:ラテンアメリカ左派政権を定義
2007/01/15

【リオデジャネイロIPS=マリオ・オサヴァ、06年12月27日】

 毎年ラテンアメリカ18カ国で世論調査を行うチリのNGOラティノバロメトロ(Latinobarometro)のマルタ・ラゴス(Marta Lagos)氏は、ラテンアメリカの多くの新興左派政権は保守的経済政策を採用し、社会的セーフティネットを形成しようとする「社会民主主義」だと定義している。60年代の革命を想起させる「左派」というブランドは人々を混乱させると指摘した。

 ラゴス氏によれば、ブラジルのルイース・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ政権、アルゼンチンのネストル・キルチネル政権、チリのミチェル・バチェレ政権、ウルグアイのタバレ・バスケス政権は「社会民主主義」。ボリビアのエボ・モラレス政権は、より左派的な目的を掲げるが民主主義のシステム内に留まっている。ベネズエラのウゴ・チャベス政権は極左でも社会民主主義でもなく、「ポピュリスト政権」だという。

 サンパウロ州立大学(UNESP)のトゥロ・ヴィジェヴァニ(Tullo Vigevani)教授は、どの政権にも特色があり、同等のものとして比較できないと述べた。また、中国とベトナムのような共産党支配国家があっても、アジア全体では左傾化が起こることはないという現代史のパラドックスを指摘した。さらに、ラテンアメリカ左傾化の根底にあるネオリベラリズムの強さを説き、ラテンアメリカ各国のただ1つの共通項は、今まで弱者とされた人々が国家権力を得て、政治的発言力を増したことであると語った。

 ブエノスアイレス大学のマルコス・ナヴァロ(Marcos Navaro)教授は、現左派政権に2つの潮流を見出す。チャベス、モラレス、メキシコ大統領選に落選したオブラドール氏を反米の「ポピュリスト」、ブラジルやチリなど経済運営の効率がよい政権を「穏健的社会民主主義」と分類した。キルチネル政権は曖昧な態度で、双方の利点を利用しようとしている。

 ブラジルのNGO社会経済分析研究所(IBASE)のパンドルフィ(Dulce Pandolfi)代表は、30年間に及ぶ独裁政権を経て、民主主義の枠組みの中で富の平等配分を目指すのが諸政権の特徴であるとした。ラゴス氏も、この地域の抱える貧困、不平等、失業といった問題に対処するうえで「社会民主主義」は都合がよいと同意する。

 「ラテンアメリカ」と一括りにするのが憚られるほど国情の異なるラテンアメリカで、次々に誕生した左派政権の分析について報告する。(原文へ) 

翻訳/サマリー=角田美波(Diplomatt)/IPS Japan山口響

IPS関連ヘッドラインサマリー:
ベネズエラ:再選したチャベス、「新時代」を宣言
ボリビア:新生ボリビア、華やかな門出
革命民主党のロペス・オブラドール:左派は痛みの伴わない改革を約束
ラテンアメリカの反米感情

(IPSJapan)

リオデジャネイロIPSのマリオ・オサヴァより、ラテンアメリカで次々に誕生した左派政権を分析したIPS記事。(IPS Japan 山口響)


















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