2007/7/30
「砂漠に水湧きてその2.」
4万9千年前,エンキは,アヌンナキと人類との雑婚によって生まれた「半神半人」をシュルパックの総督に任命した。アヌンナキと人類の雑婚を「堕落」と考えていたエンリルは「半神半人」の増加を懸念し,密かに人類の絶滅計画を画策した。想像力豊かに知的空間を彷徨えば,エンキをゼウス,エンリルをプロメテウスと考えればロックフェラーセンター前のプロメテウス像の意味がわかる。それは「わたしは人を創造したが,これを地上から拭い去ろう。人だけでなく,家畜も這うものも空の鳥も。わたしはこれらを造ったことを後悔する」<創世記第6章7節>からも伺い知ることができる。
さっきまでギリシャ悲劇詩「アイキュロス」を読んでいた。その中にプロメテウスの独り言がある。「私にとってゼウスなんかは,ふん,眼中にない。勝手にさせておけばよいし,威張らせておけば,棺おけに片足を突っ込んだ身ゆえ,そう長くはないであろうし,好きなようにさせておけ」と。
誤解されることを承知で言えば,ゼウスはヤハウエでプロメテウスはダヴィデといえなくもない。あるいはその逆でもあろうか。そう言えば,「パンドラの箱」はゼウスの仕業でもあり,希望というものを底に仕掛けたのはプロメテウスである。その希望が「盲目の希望であった」ところにミソがあるし面白すぎてくる。困ってしまうくらい面白いのだ。これらの物語に黄金の林檎も登場するが,西の楽園ヘスペリデスの園にも通じてくるから寝ている暇はない。ですから,ギリシャ神話は面白い。
アテナ・アクロポリスの丘とパルテノン神殿
プロメテウスが人間と神々(アヌンナキ)との間で獣の生贄儀式を行った際,一方は骨,もう一方は肝臓などを獣の皮で包み,ゼウスに選ばせたところ骨を選んでしまった。ゼウスの思惑に反して,人間の骨格が完成してしまった。半神半人を造ろうとしていたゼウスの怒りを買ってしまった。ゼウスはある時,ポセイドンと共に海の女神テティスにプロポーズをしていたが,プロメテウスの預言により彼女を諦めた。その預言とは,ゼウスとテティスの間にもし子が生まれるならば,その子はゼウスをしのぐ存在になるであろう,と。ゼウスはポセイドン経由で預言を伝えたプロメテウスに腹を立てたんでしょうね。
絵はゼウス
ゼウスはもともと父クロノスを殺害し王位についていたが,一方ポセイドンはカルカスという預言者の姿になり,ギリシャ軍勢を励まし応援した結果,トロイ軍を追い払うことができた。この辺のいきさつは辻邦夫(故人)の「ポセイドン仮面祭り」に間接的に書かれている。結局海の女神テティスから生まれる子は父よりも強くなるというプロメテウスの預言により,ゼウスは求婚を諦めた。ギリシャ悲劇詩には縛られたプロメテウスの姿が登場する。大鷲が肝臓を食べるシーンもある。このオオワシは須弥山(チベット語でカンリンボチェ=SUMERU=シュメール)の頂上に聳え立つ長さ数百キロの怪鳥でもある。鳥葬シャーマニズムとギリシャ神話がどちらが古いかは議論の分かれるところであるが,肝臓を食べさせたところは,ゼウスがプロメテウスの預言に腹を立てていたことに由来する。
しかし,ゼウスとアルクメネとの間に出来た子は,ヘラクレスであった。そのヘラクレスがなぜプロメテウスの鎖を解いたのかは,助言を求めてのことであった。それはヘスペリデスの黄金の林檎も絡んでくる。
ヘラクレスは半神半人でオリュンポスの神となったが,オリンピアンズ(300人委員会)の原型でもある。
ゼウスが造りたかった人頭牛身のエンキドウのような半神半人は,ギルガメシュ叙事詩イシュタルの冥界下りによると,<叙事詩>の本筋は半神半人の英雄ギルガメシュの物語で,半神半人と言われながら実に人間的でもあったわけでヘラクレスは人間的でもあったのであろう。また前の記事で書いたGottapardaのサロンはGattopardaの間違いでした。
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投稿者:農婦
大変、面白みのあったビデオ、ありがとうございました。