『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の道
〜Pのニキニキ日記・最終頁〜(全然更新しなかったくせに偉そうですが)


《人がなにかを目指す時には そこにかならず 道が見えるさ》

エンディング曲『道(タオ)』の歌い出しです。
ここで大事なのは、道はそこに“見える”のであって、決してそこにあるわけではない、というところです。

新しく作品を作るってことは、道無き道“前人未到エリア”を歩いていくことだったりします。企画準備から数えて約2年前、僕はたしかに、色んな“なにか”を目指していました。

“なにか”とは、
「新時代のカンフーアクション」であり、
「独自の世界観を構築するデザイン」であり、
「善と悪の対立物語を大河ドラマで描く試み」であり、
「『学ぶ』というテーマを子供たちに伝えること」であり……
うーん。際限なく色々目指していた「欲しがり屋さん」でした(笑)。
でも、僕にどれくらい道は見えていたのでしょうか?

真っ暗闇の中、だいぶぼんやり…
でも、色んなムニムニやキュイキュイが
「僕」を、やがて「僕ら」を、
「ときに」、あるいは「ずっと」、
暖かい光で照らしてくれました。
そのおかげで、ぼんやりでも道が見えていたんだと思います。

色んなムニムニやキュイキュイとは例えば、
過去30作の戦隊シリーズの歴史———
個人的に参考にした内田樹先生の本や燃えるマンガの数々(『北斗の拳』『ドラゴンボール』『スラムダンク』『柔道部物語』『らんま1/2』『シグルイ』etc…)———
取材させていただいたアシックス本社と研究室のみなさん———
フィギュアスケート、フライフィッシング、中国舞踊、色んな劇中修行のための指導をしていただいたみなさん———
サモ・ハン・キンポー、ジェット・リー、ジャッキー・チェン、ドニー・イェン、ミシェール・キング、ユン・ピョウ———
そして、
中澤監督を始めとするスタッフの情熱———
鈴木くんをはじめとするキャストのやる気———
そしてそして、みなさんの暖かい応援————です。

おかげで僕らは歩いてくることが出来ました。
本当にありがとうございます。

《誰も知らない場所へ行くなら キミの後ろに 道が生まれる》

『道(タオ)』2番の歌詞です。
“誰も知らない場所”を行った僕たちですが、『ゲキレンジャー』の物語をひとまず全て作り終えた今、振り返るとそこには道が生まれていました。
気付いたら道を作っていたようです。道っていうのはどうやらそういうものみたいです。藤林聖子さんの書いてくれた歌詞は実に深いです。

藤林さんにこのエンディングの歌詞を書いていただく発注にあたり、僕は相当色々思いのたけをぶつけたのですが、漠然として膨大な僕のモワモワに藤林さんは困惑気味なようでした。
ですが、最後帰り際に僕が香港土産のブルース・リーの絵葉書を「こんな感じで」的に渡したら、藤林ねえさんは「なにか見えたような気がする」的にニカッと笑い、その後、作品の行く道を指し示すこの『道(タオ)』という最高の詞をあげてくれたのです。

とすると、この『獣拳戦隊ゲキレンジャー』という道も、やっぱり偉大なるブルース・リー師父から始まっていたのでしょうか?ズンズン続いているんでしょうか?
そう思うと、なんだか胸が熱くなります。
怪鳥音で叫びたいキモチです。

さて、チームとしては大きくひとつの道を進んできた僕たち『ゲキレンジャー』ですが、スタッフもキャストも、ここから先の道はまた色々分かれています。
何人かのスタッフは『ゴーオンジャー』をGO−ON!し、あるいは『キバ』にウェイクアップしていたりします。
また、キャストには『ゲキレンジャー』のスカイシアター公演が、そして全国でのファイナルライブツアーがまだまだあります。ぜひ見にきてください!

いずれにしても、それぞれの新しい“大胆不敵ジャーニー”のはじまりです。
ニキニキです。ニキニキの上のニッカニカの旅です!
みなさん、またどこか道の途中でお会いしましょう。

(文責・塚田英明)



これが修行だ! その49(48含む)

ゲキレンジャー最終ライン中澤組。
最終ラインのお約束、パーマネントセットからの撮影となります。理央・メレが初めてスクラッチに登場! いつものセットなのに、妙に新鮮、もしくはちょっと違和感。撮影は深夜にまで及びましたが、みんな楽しい最後のセット撮影でした。。



最初にオールアップを迎えたのは真咲母娘。二人とも劇中のラストカットがラストカットになりました。
桑江咲菜ちゃんには、鈴木くんから花束贈呈。ぼろぼろ涙する咲菜ちゃんがまた可愛い。今度は絶対変身すると力説する咲菜ちゃん。数年後の○○イエロー(ピンクかな?)、是非宜しく!
そんな咲菜ちゃん、今度はお母さん役の伊藤かずえさんに花束を渡します。
一年間、あたたかい目で新人俳優たちを見守り、また、彼らの成長を我が子のように喜んでくれた伊藤かずえさん。まさにゲキレンジャーのお母さん。本当にありがとうございました。


07年最後の撮影は臨獣殿。臨獣拳が激獣拳にリンギを伝える… 二つの獣拳が一つに還るシーンです。三拳魔のスーツアクターさんが、文字通り師匠となって、弟子にリンギを伝えます。
ちなみにこの日は中澤監督の誕生日。現場スタッフのケーキの差し入れに、ちょっと恥かしがる監督でした。


年があけて、激闘大アクション篇!
次回作とダブっているJAEさんですが、ゲキレンジャーに対する熱意と、息(中澤組)・加藤(ゴーオンジャー渡辺組)両チーフ助監督のスケジュール調整で、ほぼ自らの役を演じて貰えました。でないとあんなノンストップアクションはできません。
さらに、どうしても調整つかないところは、なんと鈴木くんら本人が(写真は出せませんが、川野くんも龍ロンを)演じてます。こんな奇跡ってあるんですね〜。
日没迫るなか、理央・メレのクライマックス。初号試写では涙腺が決壊したスタッフ多数です。


合成大会、その1。
まずは、ロン役の川野くんがオールアップです。諸悪の根源であるラスボスを見事に演じてくれた川野くん。役柄上、このサイトで紹介することは少なかったですが、彼の「悪」に徹した演技で作品は完成しました(京都のイベントでは子供が泣き出したと聞きました。役者冥利につきる、かな?)。まさに「影」の大功労者、本当にお疲れ様でした。
そしてOPタイトルバックがつかない最終回、メインタイトルに登場する5人のカット。これにて未菜ちゃん、万平くん、三浦くんの3人がオールアップとなりました。人見さん、竹内さん、清家さん、二人で一人を演じた3人から花束が渡されます。
ゲキレンジャーの紅一点。女の子一人でとても大変だったと思いますが、弱音を吐くことなく、いつも笑顔で作品も現場も癒してくれた未菜ちゃん。
絶妙なキャラクターで視聴者にも共演者にもスタッフにも一番愛された万平くん。その素直で真摯な態度をいつまでも忘れないでね。
そして、途中参加でありながら、一瞬で自分の立ち位置を作り上げた三浦くん。彼の登場で、彼の力でゲキレンジャーは大きく変わりました。3人とも本当にお疲れ様でした。


そして中澤組最終日。長かった1年の、最後の最後の日がやってまいりました。
まずは、劇中のラストシーンから。少年時代の理央役だった江原省吾くんはこのシーンでオールアップ。彼の出演日はなぜか寒く、にもかかわらず、毎回ずぶ濡れにさせてホントにゴメン(実はこの日も極寒でした)。
続いてスクラッチマイスターズで鈴木くん、聡太郎くん、井端珠里ちゃんがオールアップ。福沢さんと渡辺さんもわざわざ駆けつけて、鈴木くんと聡太郎くんに花束を贈呈。
ジャンという超難役を一年間やり遂げた鈴木くん。本当にお疲れ様でした。君がいなければゲキレンジャーは成立しなかった。本当に有難う… といいつつ、鈴木くんはこのまま九州のイベントに直行、余韻を味わう間もなかったね。
ヒゲのヒーローという新境地を開いてくれた聡太郎くん。レギュラーのなかでは最も短い出演期間だったかもしれませんが、最もインパクトを残したのは聡太郎くんだと思います。また一緒にお仕事しましょう。
実は3回しか出演してなかったと聞いて、逆に驚きの珠里ちゃん。今年成人ということで二重におめでとう。一緒にお酒でも飲みましょう。
さらに、場所を移動して最後のロケは48話、光の中に消える理央とメレ。デイで消える二人を撮影してからカメラを固定。ナイターでその前を撮影します。
そして合成大会、その2。
頬を流れる涙が砂になる超ドアップが裕香ちゃんの、最後の臨獣拳を使う黒獅子リオが荒木くんのラストカットとなりました。蜂須賀さんと今井さんからそれぞれ花束が渡されます。
本作は正義と悪の二つの主役たちを描くことが狙いでした。悪の主役として立派に作品を引っ張ってくれた荒木くんと裕香ちゃん、本当に感謝しています。理央・メレの最期には涙した人も多かったはず。それも二人の魅力、二人の演技力のおかげです。


今度はアフレコで多くの声優さんとお別れです。
まずは、バエ役の石田彰さん。おそらく、レギュラー声優さんのなかで最大の難役を見事に演じて頂きました。
続いて7拳聖のみなさま。永井一郎さん、池田秀一さん、石丸博也さん、田中敦子さん、草尾毅さん、大友龍三郎さん、そして水島裕さん。戦隊史上最高のキャストが揃ったと思います。作品中の師匠としてだけでなく、若い主役たちに声の演技の大切さ、声の演技の難しさ、声の演技の楽しさを教えてくれました。本当に有難うございました。
幻獣拳の四幻将として最後まで人をくった演技で楽しませてくれた梅津秀行さん。そして最後の最後にオールアップしたのが、ナレーションを務めて頂いたケイ・グラントさん。収録し終えたレギュラー陣も最後の瞬間まで待っていてくれました。
みなさん、本当に本当にお疲れ様でした。

(文責・宇都宮孝明)


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