2008年03月14日 08時00分更新
iLifeの秘密
iMovie '08には、読み込んで編集したムービーをさまざまなソフトで利用したり、DVDメディアやファイルとして受け渡したりするための方法が多数用意されている。そういった作業を請け負うのが「共有」メニューだ。iPodやApple TVで見るための「iTunes」、iLifeの各ソフトでスムーズにビデオを共有するための「メディアブラウザ」、YouTubeに直接投稿できる「YouTube」、.Macに書き出すための「.Macウェブギャラリー」、ファイルとして受け渡すための「ムービーを書き出す」といった多彩な書き出しメニューを備えている。
しかし、実はこれら5つのメニューは保存先が異なるだけで、基本的に選択肢に違いはなく、画質も同じなのだ。そのため、書き出しサイズを選ぶことで画質やファイルサイズも決まってしまい、最高画質の「大」でも960×540ドットのH.264。これはiDVDで作るDVDビデオや、パソコン画面上で見るムービーとしては十分な品質といえるが、「Final Cut Express」などのほかのソフトで再加工するための中間ファイルとしては劣化損失が大きすぎる。
「共有」メニューのどの項目でも書き出しサイズの選択肢は共通。用途別に推奨解像度が出ているのでわかりやすいが、「大」でも960x540ドット、コーデックはH.264に限定される |
そんなときに利用したいのが「QuickTimeを使用して書き出す」という機能だ。標準ではコーデックがH.264になっているが、これもユーザーが自由に設定できる。iMovie '08の取り込みコーデックに合わせて「Apple Intermediate Codec」(AIC)に変更すれば、HD系素材を1920×1080ドットもしくは1440×1080ドットで書き出せる。これなら、書き出しサイズのプリセットである「大」に比べて4倍以上の解像度を持つ点に加えて、圧縮に関してもフレーム間圧縮ではなくフレーム内圧縮のため、再加工に有利なファイルとなるのだ。
ほかのソフトに渡して加工したいときは「Apple Intermediate Codec」がベスト。「HDV 1080p」は本来の「HDV 1080i」に比べてファイル容量が約3分の2になる |
書き出しサイズによってファイルの解像度は異なる。「メディアブラウザ」や「ムービーを書き出す」では「大」が限界だが、「QuickTimeを使用して書き出す」なら素材を生かした高解像度での書き出しが可能だ |
解像度やコーデックによって、画質にも相応の差が生じる。ただし、高画質にしたぶんだけデータサイズも飛躍的に増加するため、配布用のムービーなどでむやみに高解像度書き出しを選択するのは考えもの。通常は書き出しサイズの「大」までの画質で十分だろう |
ほかのソフトでの利用や受け渡しには標準のメニューから、目的や用途を吟味して最適な書き出し方式を選択したいならQuickTime形式で書き出そう。
(MacPeople 2008年3月号より転載)
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最終更新日 2008年3月19日2時
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