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2008年2月6日発行版
 
朝鮮学校が生き続けたのは何故か
 
 

 本紙が1月23日に報じた「枝川朝鮮学校売却」に関する記事で、学校側と地元総連関係者たちの抗議が相次いだ。「そんな事実はないのに」という本紙への批判の声だった。
 本紙は、売却の動きを事実と確信するだけの情報と証言を得ている。
 重要なことは、売却問題それ自体もさることながら、枝川の頭越しに問題が進行していたことである。


なにも知らぬ間に

 先例がある。2000年に廃校した品川「東京朝鮮学校第七初級・中級学校」跡地の売却話が、03年、日本の大手警備保障会社の系列企業と総連中央との間で密かに進められ、これが発覚して父兄たちから猛反発されるということがあった。
 枝川もやはり、何も知らぬ間に事が運ばれていたようだ。もし、売却の話が「寝耳に水」であったのだとすれば、本紙の報道に怒る学校側の気持ちも理解できるし、記事がきっかけとなり、売却話が頓挫することになれば、報道する甲斐があったというものだ。
 「枝川」が、民族学校の象徴的な存在であることは言をまたない。関東大震災時の「朝鮮人虐殺」の地で、民族学校は生き続けた。
 本紙は学校の存在そのものを否定するような報じ方をしたことはない。朝鮮学校に対して疑問を質すということはあった。教育のありようについてである。たとえばカリキュラムだ。「民族教育」の割合は35%と高いが、ほとんどすべての科目は金日成・金正日に対する忠誠教育が施されていると言っていい。少なからぬ卒業生が「非常識な教育だった」と吐露している。卒業後、自分が一般の教育レベルから落伍し、常識面でも適応できなかったと告白する人たちは少なくない。
 朝鮮学校に通う子女は最盛期の4万6000人から現在1万1000人へと激減していると伝えられる。
 少子化の時代である。学校の統廃合はやむを得ないにしても、学校運営や教育方針が、なぜ、総連の政治方針に追随するのか合点がいかないのである。
 文科省の集計によれば、外国人学校の認可数は111。朝鮮学校73、インターナショナルスクール26、韓国学校4などとされている。このうち、「白頭学院」、「金剛学園」、「京都国際学園」などの韓国学校と大阪中華学校を除いては、一条校適用外の「各種学校」であ
る。
 偏差値教育のご時世でものを考えるならば、朝鮮学校に子女を通わせるメリットはほとんどないといえる。国立大学の受験資格はなく、教育助成金もおりない。にもかかわらず、なぜ、そうまでして朝鮮学校に通わせるのか、という疑問がつきまとう。


爪に灯をともすがごとく

 16年前、広島朝高の取材で出会ったある在日2世の父兄の言葉を思い出す。
 「2世は1世の土台もろて生きとる。ワシは感謝しとるが、在日朝鮮人はさすらいの民族じゃけ、子供には民族的な常識、習慣、言葉を身につけさせたい。ワシみたいに日本語しかしゃべれん男がどうやってそんな民族教育ができよろうが。朝鮮学校に行かせるほかあるまいに。ほかのどこで教えてくれる」
 韓国系の民族学校は全国に4校しかない。「ほかのどこで教えてくれる」という言葉には父兄たちの実感がこもっている。
 朝鮮学校のほとんどは、総連の政治的意図とは関わりなく、在日朝鮮人1世たちの、爪に灯をともすがごとき努力によって建てられた。生徒数が激減したとはいえ、彼らの学校に託す思いは生き続けている。「子供を政治の道具にするのか」とか、「思想教育を受けさせているではないか」とかという批判の声がある中、純粋に民族教育という一点にかけて子供の将来を憂い、学校に送っている人々が少なからずいるのは事実だ。
 枝川朝鮮学校はそうした人々の思いをシンボライズしている学校なのだということを言っておきたい。

 

 
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