マルシン製ワルサーPPK/S
紹介するのは、最近再販されたHW製キットを組み立てたものである。ワルサー社公認ということで、スライドには麗々しく鮮やかに刻印がなされている。発火の方も刻印並みに鮮やかであればよいが・・・。
キットだけあってパーティングラインはしっかりと残っているのでこれをまず処理する必要があるが、そちらの話はもっと手先の器用なほかの方に任せておこう。私はカッターの刃を立てて粗方バリを削った後、800番のペーパーで表面の皮むきをし、真ちゅうブラシでならした程度である。それでも結構金属感が出て個人的には気に入っている。
小さなボディにダブルアクション機能を設けているので、各パーツ間がタイトであり組み立てにはちょっと気を使った。キットモデルがはじめての人だとちょっと戸惑うかもしれない。
気をつけたいのはスライドストップのリターン用スプリング。フレームとスライドストップの両方に引っ掛けるのだが、オリジナルのままだとスライドストップからスプリングの先端が飛び出してしまう。そうするとスライドを内部から削ることとなり、スムーズな作動が望めなくなる。そこで、様子を見ながらスプリングの先端をカットする必要がある。ただしカットしすぎると、今度はリターンが効かなくなるので注意が必要である。
また、スライドとバレルの関係がタイトなため分解組立にかなり苦労する。そこで、スライド先端内部、バレルがくぐるホールの下側を斜めにちょっと削るとよい。ちょっと削るだけでも結構違う。
ただ、気をつけて組み立てても作動させてみると結構抵抗があると思う。私も油をつけずに組み立てた後、いたるところにコンパウンドを付けかなりの回数手動ですり合わせ作動をさせた。それとマガジンにもバリがあるので、フロアーとか気になるところにペーパーをかけた方がよい。
使用したカートはオリジナルの5ミリキャップ使用のセンターファイアPFカート。作動状況はムービーのとおり。キットの割にはかなりよく動く。
なお、途中雑音の入るのはエジェクトされたカートがカメラに当たったせいである。
バレルも短いのでガス抜けやフラッシュの抜けもよく、音も大きい。スライドのストロークが短く、動きも早いので手に来る反動はビシッと強烈で、発火していて相当面白い。キットなら比較的安く購入できるので、組立・調整に自信のある方にはぜひお勧めである。