会社トピックス

東宝・ヴァージン共同記者会見(要旨)
東宝株式会社はヴァージン・シネマズ・ジャパン株式会社の全株式を取得することについて、同社と共同記者会見を開きました。以下にその模様をお伝えいたします。


日時:2003年2月25日(火)
場所:帝 国 ホ テ ル
出 席 者

東 宝 株 式 会 社
代表取締役会長 松岡  功
代表取締役社長 高井 英幸
常務取締役経理・財務担当 三屋 秀明
ヴァージン・シネマズ・ジャパン株式会社
ヴァージン・エンターテインメント・グループ
取締役会長 兼
グループ社長兼CEO
サイモン・ライト
(Simon Wright)
ヴァージン・シネマズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 山本  豪


松岡
 本日はお忙しい中、お集まりいただきまして、本当にありがとうございます。
 当社は本日開催の取締役会において、ヴァージン・シネマズ・ジャパン株式会社の全株式を買収することを決議しました。同社の親会社のヴァージン・ホールディングSAとの 間に買収基本合意書を締結しました。この案件は、昨年、野村證券様よりご提案があり、ヴァージン側と当社の意向がタイムリーに合致し、今日を迎えることになりました。
 買収金額は約100億円です。これから買収のための監査がありますので、その結果次第では調整される場合があります。監査終了後、2003年3月末日までに正式の株式売買契約書 に調印し、買い取りを完了する予定です。
 これにより、東宝はヴァージン・シネマズ・ジャパンを100%子会社として東宝グループの一員に迎えることになりました。同社は現在、全国で8サイト、81スクリーンのシネコ ンを展開しています。いずれのサイトも基本的には東宝の既存館と重なっておらず、またどのサイトも好調に稼働していることから、今回の買収を決断しました。ヴァージン・シ ネマズ・ジャパンの社名は変更する予定ですが、社長は引き続き山本さんにお願いする予定です。
 現在、東宝グループは284スクリーンを保有していますが、この度の買収分を加え、365 スクリーンとなります。さらに3月4日に東宝が札幌駅前に松竹・東映と共同ですが12スクリーン、4月25日にヴァージンが六本木ヒルズに9スクリーン、9月にヴァージンが川崎 で9スクリーンをオープンしますので、395スクリーンになる予定です。
 東宝株式会社にとり、ヴァージン・シネマズ・ジャパン株式会社をグループ内に迎え入れることにより、興行網の効率的な展開、基礎的な配給網の充実が期待され、相乗効果に よる収益性の向上、長期的には株主価値の増大を目指しています。今期、創立70周年を迎えました当社のグループに、映画産業において革新的な活力のあるヴァージン・シネマズ・ ジャパン株式会社が加わることにより、両者の長所を合わせて、お客様により良いサービスを提供していきたいと思っています。

ライト
 ヴァージン・シネマズ・ジャパンは、こちらの山本とともに3年ほど前に立ち上げたものです。その事業モデルとなりましたのは、当時のイギリスの映画事業でした。
 ヴァージン・シネマズ・ジャパンのビジネスの発展にあたりましては、ヴァージンの掲げています価値である「革新」と「エネルギー」の組み合わせを旨に進めてきました。山 本と彼のチームはビジネスを非常に成功させてくれて、昨年も利益は倍増しています。
 私どもは東宝と組ませていただくことにより、大きなシナジー効果を期待しています。 今後ともヴァージン・シネマズ・ジャパンが大きく成長していく上でも、これが糧となると考えています。また映画興行では日本でナンバー1になり、私どもにとりましても東宝 とともに次のビジネスの段階へ、これから組み上がっていきたいと思っています。
 4月に新しいシネコンが六本木ヒルズにオープンします。これはヴァージンブランドの革新性と東宝の持てる優れた資源が相まって、世界で最も収益性の高いシネコンとなるで しょう。これにより、ヴァージンは日本の映画界に大きな遺産を残せると思っています。



−−−−−−−−−−−−−−−−質疑応答−−−−−−−−−−−−−−−−


Q:六本木にはヴァージンのブランドを残されるということですが、それ以外でもヴァージンブランドを残すことはあるのでしょうか。また新しい社名の案がありましたらお願い いたします。もう1つ、シネコンの既存の映画館への影響はどうだったのでしょうか。
次にヴァージンにお伺いします。これは実質日本からの撤退とも受け止められるのですが、ヴァージングループにとって、どういう経緯での今回の決定なのでしょうか。

松岡
  六本木以外は、それぞれの地域名を頭につけた“TOHOプレックス”という名前に変更する予定です。新しい社名は、まだ考えておりません。それから、シネコンによる既存館への影響ですが、ゼロとは申しません。しかし大都市ではシネコンに車で行くお客様のみではなく、電車を利用したお客様のほうが多いわけで すから、我々の持っている都心型の映画館は設備・内容・サービスを充実していけば、郊外型のシネコンに十分対抗できると考えています。



ライト
 ヴァージンブランドについてですが、ご承知のようにヴァージン航空は、大きなグループとして日本にも拠点を設けています。またヴァージンメガストアは、日本でも30店舗ぐ らいの展開をしています。
 それからフィットネスクラブについても、できれば日本で積極的に展開したいと考えています。ヴァージンのフィットネスグループは世界第4位で、この事業モデルは日本でも 上手くいくと思っています。
 またヴァージンは携帯電話事業を、既にアメリカ、イギリス、オーストラリアに展開しています。日本でもチャンスがあれば、ぜひ参入したいと思っています。ですから撤退は 一切考えていません。


Q:日本でのヴァージンのシネコンの直近の売上高は、いかほどだったのでしょうか。また今のヴァージン・シネマズ・ジャパンの株主構成はどうなっているのでしょうか。

ライト
 売上は100億円以上で、大株主はヴァージンが50%以上保有しています。また経営陣も持っています。

Q:今回映画興行事業から撤退ということは、ヴァージンのビジネスモデルが上手くいかなかったということなのでしょうか。

ライト
 今回の売却条件を見ていただければ、私どものモデルが全然失敗などしていなかったことが十分お分かりいただけるかと思います。事実、この3〜4年、日本では大きな成功を 見てきました。急成長を果たしたといっていいかと思います。
 それから東宝との関係ですが、これからの映画興行の運営にあたって、ヴァージンの持つエネルギーと革新性を、東宝の中にもビジネススタイルとして取り入れていかれたいと いうことがあるのかと思います。ですから長期的に見て、私どもは日本の映画産業にもインパクトを与えることができると感じています。
 また、ヴァージンはブランドをもとにしたベンチャーキャピタルと自らを位置づけています。ですから、いろいろな企業に投資し、その企業のチームと一緒にビジネスを作り上 げていくことを常にやっていますが、今回のような機会が出てくれば、当然ながらベンチャーキャピタルとしては判断せねばならないので、今回は売却の決断をしました。

Q:東宝以外の映画会社との交渉を考えたことはありましたでしょうか。

ライト
 もともとは株式上場を目指しており、他のオプションはありませんでした。

Q:事業が成功していたのであれば、自ら続けるという選択肢はなかったのでしょうか。

ライト
 こちらの取引をしたほうが、より正当化できる条件であると判断しました。

Q:今回東宝が持たれるヴァージンのシネコンと、もとからある東宝のシネコンとで運営方法等はだいぶ違うと思いますが、統一されていくのでしょうか。また来年 度以降の業績に与える影響を教えて下さい。

松岡
 おっしゃるように、我々もシネコンをやっていますので、我々のシネコンの良いところと、ヴァージンさんの良いところを取り入れて、両方がますます良くなるようにしていこ うというのが今度の買収の1つの大きな目的です。
 来期の連結業績に関しては、これから一ヵ月間の買収監査が終わらないと、どういう形になるか、今、申し上げることはできません。

Q:今回の買収劇には大変驚いたのですが、この件が日本の映画の興行・配給にもたらす意義についてと、あと映画を愛する一般のお客様にどう影響するのでしょうか。

松岡
 両社の劇場を足しても13%にしかならないですし、既にヴァージンの劇場はあったわけですから、映画興行界に与える影響は、そう大きくはないと思います。
 お客様への影響は、これからは、どんどん新しく、映画を見る環境を良くしていこうということです。シネコンも、日本では10年前にできたわけですが、今年六本木にできるシ ネコンは全く違うと思います。相当進歩していますので、お客様にとっても非常に見やすい、良い環境の映画館がたくさんできていくので、非常にプラスになるのではないかと思 っています。

Q:六本木ヒルズに新しくできるシネコンは、他の地域より料金が高く想定されていると思いますが、運営時間も平日は深夜まで、週末が朝の5時まで、そういう想定だったと思 いますが、この運営形態は変更されるお考えはないのでしょうか。


山本
 価格設定のほうは、一般料金は1,800円ですから、それはずっと前から同じです。深夜営業のほうは、たまたま森ビル様が夜間の人口を増やしていきたい、夜中に健全な遊びがで きる新しい街をつくりたいというご趣旨に、今回ヴァージン・シネマズも喜んで営業時間を合わせて、深夜遅くまで営業することになりました。日本の大勢の人々が新しいライフスタ イルを体験できるために、新しい発信地を作るという方針で、六本木ヒルズの営業時間を決めています。



Q:今回の買収で、東宝の既存館の統合なり再配置はお考えでしょうか。

松岡
 ヴァージンさんの映画館は、我々の既存館とあまりバッティングしないところに大多数がありますので、これによる影響は非常に少ないと考えています。

Q:今回投じる金額の回収方法について、株式公開等を考えているのでしょうか。

松岡
 金額設定に関しては、いろいろな方法を取り入れ、将来性も加味して決めさせていただきましたが、公開は考えておりません。

Q:東宝は直営のシネコンと、地域の興行会社で運営されているものがありますが、今後、新会社にシネコンの運営を一本化されるお考えはないのでしょうか。

松岡
 今のところありません。将来は分かりません。

司会
 本日はありがとうございました。(了)


ヴァージン・シネマズ・ジャパン(株)の全株式取得に関する発表資料はこちら

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