ウィザーズ社公式サイトより、シャドウムーアプレビュー。

  女王の救い

By Doug Beyer
Translated by Mori "JFK" Yohei


 シャドウムーアとは秘密が暴かれることなのです。永遠の昼は永遠の夜にとって代わりました。オーロラの裏に隠された謎は明らかとなりました。世界の種族すべてに異様な新しい個性があります。奇怪なクリーチャーや隠れていた亜神も姿を現しました。

 今日我々は、この次元でもっとも重要な秘密の一つを明かすことにしましょう――妖精の女王、ウーナの本質です。

 あなたが熱心なフレイバー・テキストの読者であれば――カード・プレビュー週間で私たちの道は交わっているとさえ思えます。それは胸を張っていいですよ――ウーナについては多くのことを既に知っていると感じるかもしれません。

 ローウィンとモーニングタイドで、数々の手がかりを残してきました。

幻触術と狡猾さに守られたエレンドラ谷は、妖精どもの女王ウーナを隠し続けている。

《人里離れた谷間》

女族長、そして女王

なぜ「ウーナ」という名なのか?
 ウーナという名前はアイルランド/ケルトの民話から直接採られています。ウーナ(資料によってはつづりが違うものもあります)は妖精たちの女王でした。見目麗しく、黄金の髪をした彼女はダイヤのようにきらめく露を散らすガウンを身にまとっていました。彼女は妖精界の王フィンヴァラの后でした。

 フェアリーはどこからともなくやってくるように見えますが、本当のところは、ウーナ自身の体にある花から生まれるのです。彼女は言うなればフェアリーの祖であり、妖精そのものの本質であり、かつそれを超える存在です。フェアリーを生み出す化身として、彼女は彼らフェアリーという種族全部を生み増やした起源的存在なのですから。単に「彼女は花のようである」と表現してしまうと、正確に言い表してはいないことになります。彼女は生ける幾千の花弁であり、周りにはフェアリーの子供に似た小さな幼生たちが舞い、エレンドラ谷の花々に受粉をして回っているのです。

 妖精はウーナと悪戯の子だ。

《スミレの棺》

 ウーナ自身からの露にのみ、犠牲者の心の中を見るのに必要な清らかさがある。

《露滴のスパイ》

Art by Kev Walker

 私としてはマジックのアート・ディレクター、ジェレミー・ジャーヴィスの考えは、フェアリーの女王は女王蜂の部分と巣そのものの部分がある巨大な花のクリーチャーであり、昆虫のようなフェアリーたちが周囲を飛び回り、彼女に受粉させているということだと思っていました。夢を収穫し、舞い戻って女王へ献上するというアイデアは基本的に1枚の絵から考えられました。


コンセプト・アート by Jeremy Jarvis

留意点:

1、ウーナはフェアリーの起源である。

黒と青(と何か)

 ローウィンに住む種族たちのなかで、フェアリーは色の割り当てが変わっていない唯一の種族です。ローウィンの頃と同じく、彼らは主に青と黒に居ます。彼らは当然飛行を持ち、瞬速持ちのものも居ます。彼らは相変わらず気まぐれで、いたずら好きで、時には残酷です。彼らは次元の隅々から他人の夢を刈り集め続けています――最近のものは今まで集めていたものよりもはっきりと闇に染まっていますが。

ローウィンでのフェアリーとシャドウムーアでのフェアリー――現在の様子

 しかし、フェアリーたちにもほんの少しだけ新しい展開はあります。上下関係や高貴な面が少しだけ多く見られるのです。昼の世界から夜の世界へと次元が変移したことで、よりいっそうウーナの力が次元の隅々にまで行き渡るようになり、自らが舵をとれるようになったのです。

 彼女は次元に害をもたらそうとは考えていません。その逆です。彼女は単に、夜の時間となったこの御伽噺の世界の筆頭としての地位を強固なものにしたいだけです。このことは、2枚のフェアリーが新しい色―現状の維持管理が得意な色に登場したことでそれを反映しています。彼らは確かに基本的には青と黒ですが、混成マナの力は彼らに新たな方面を触らせているのです。

 ですから、(たいていは女王様への忠誠ですが)ウーナのフェアリーたちはシャドウムーアでは新しい義務感を表現しています。一方、フェアリーたちは今までがそうであったように大半が邪悪です。いたずらは悪意を増し、夢を刈り集める頻度も増し、夜の闇に紛れて動きを捕らえることもさらに難しくなっています。ウーナにも同じことが言えます。結局、彼女がお手本となって種族全体がそれを真似しているのですから。巡り巡って、フェアリーたちは彼女から存在意義を得ているのです。

妖精どもの絶え間ないいたずらの裏で、密かな嘲りが響いている。隠れたる女王、ウーナの力だ。

《フェアリーの嘲り》

留意点:

1、ウーナはフェアリーの起源である。
2、ウーナは黒(と青)の部類である。

夢の貯蔵庫

 かつてはローウィンと呼ばれ、いまやシャドウムーアと呼ばれる次元は御伽噺の世界です。そして、妖精たちの女王こそがウーナなのです。特に、エルフたちが次元における美の専制君主としての地位を失った今、ウーナの領地は広がっています。野生に戻った巨人、ずる賢いプーカ、化け物のようなケルピー、畏れ多き亜神たちまでもが昼間のまどろみから目覚めてきた現在ですら、ウーナは世界でも強い勢力の一つであり続けているのです。それには一つの理由があります:情報です。


Art by Chippy

 ウーナはオーロラを迎えてもなおかつての記憶を有している数少ない存在のひとつです。光と闇の次元全体への策を練るには有利となるものですが、同時に失ったものもたくさんあるようです。彼女の計画を脅かす特定の反乱分子を探すために、フェアリーの手先の手をさらに伸ばし、次元を厳しく取り締まり始めました。彼女のフェアリーたちは次元のいたる所から夢を持ち帰ってきます。そして、彼女の内面に世界中の出来事を溜め込む夢の貯蔵庫とでも言うべきものを作り上げています。その結果、フェアリーたちは彼女の目となり耳となり、彼女は虚飾で守られたエレンドラ谷に居ながらにして外の世界のことがわかるのです。

エレンドラ谷の花の下深く、妖精の女王ウーナは、秘密を糧に育てられ、盗まれた夢で子を成している。

《ウーナのうろつく者》

ウーナの歌は、奇妙な夕食のベルのようだ。妖精はすべて住処に帰るが、ご馳走にあずかるのはウーナ自身だ――彼らが持ってきた盗まれた夢や噂話をいただくのだ。

《遠くの旋律》

留意点:

1、ウーナはフェアリーの起源である。
2、ウーナは黒(と青)の部類である。
3、ウーナは究極の夢盗人である。

おとぎ話の最大勢力

 マジックのなかでもウーナは強力な存在といえます。虚飾の達人であり、それ以外の魔法でも世界から姿を隠すにはちょっとしたものです。もしその場所から追い出されたり、魔法が使えなくなったとしたら、シャドウムーアでは劇的に変化が起こるでしょう。損なわれることのないローウィンの記憶、フェアリーの情報網が毎夜彼女にもたらしてくれる情報、魔法の操りかた、ウーナは次元のなかでももっとも物を見通している存在なのかもしれません。


Art by Thomas Denmark

留意点:

1、ウーナはフェアリーの起源である。
2、ウーナは黒(と青)の部類である。
3、ウーナは究極の夢盗人である。
4、ウーナは非常に強力である。

女王に道を開けよ

 前置きはこのくらいにして、高貴なる彼女を紹介させていただきましょう。

 さて、あなたは留意点を全部覚えていましたか?

 1、ウーナはフェアリーの起源である。

 そうです。彼女はフェアリー・ならず者トークンを生み出します。彼女の花の体から小さなフェアリーが育っているのが見えますか?彼女は次元にいるフェアリーの本当の生みの親なのです。そのカードもフェアリー生産能力を明確に示しています。

 2、ウーナは黒(と青)の部類である。

 そのものズバリ。彼女のコストは{3}{U/B}{U/B}{U/B}で、青のデッキでも黒のデッキでもその組み合わせでも、プレイすることが可能です。混成マナの力は偉大ですね。他の色をあまり多く要求しないところも、彼女のマナ・コストから彼女のが属する色を説明しています。

 3、ウーナは究極の夢盗人である。

 ウーナはフェアリーを生み出しますが、それは対戦相手のライブラリーを破壊するときだけです。「削る」力は、対戦相手にカードを使いきらせて勝つ勝ち方ができるということでもあり、単にデッキの内容を覗き見ることにも使えます。ウーナは、自分の世界で起こるすべての秘密を知るのが大好きです。そのライブラリー破壊能力を使って対戦相手の作戦を曝し、その秘密を夢の貯蔵庫にしまいこむのです。

 4、ウーナは非常に強力である。

 彼女は6マナ飛行で5/5ですよ。ドラゴンに殴られるのと変わりません。彼女はタップしていてもフェアリー生産能力は使えるので、攻撃するか能力を使うか迷わなくていいのです(君の事を言ってるんだよ、《戦慄をなす者ヴィザラ》)。


妖精の女王、ウーナ art by Adam Rex

お手紙コーナー

 今回のお手紙はインドジフさんから頂きました。オーロラ後の変わり身の行方についてです。

 あなたの記事、「影の振り子」読ませていただきました。ところで変わり身についてなのですが、彼らはなぜシャドウムーアで姿を消してしまったのでしょうか?

 ―インドジフ・K

 インドジフさん、いい質問をありがとうございます。ほかにもたくさんの人がこの事について質問を寄せてきています。オーロラは多くの種族を捻れさせ、彼らの暗黒面へ変化を引き起こした宇宙的な出来事でした。それとともに、プーカ、ケルピー、亜神、後に目にすることになる伝承に出てくる奇妙なものといった、かつてのローウィンでは見かけなかったクリーチャーたちが姿を現しました。ローウィンがシャドウムーアになることで姿を現したクリーチャーがいるように、姿を消したものもいます。我らが変わり身たちはその姿を消したのです。

 それは完全に消滅したということなのでしょうか?それとも何か別のものに姿を変えたのでしょうか?彼らはカメレオンのように姿を変えることができますから、新しい姿でシャドウムーアのどこかに潜んでいるのでしょうか?この***検閲済***は変わり身が生まれ来る場所、ヴェリズ・ヴェルを描いていますが、シャドウムーアのそれは水で満たされていてその表面には忘れ去られた、日が照らし緑の木と青い空がある世界の魔法的な「反射」が映りこんでいます。どこにも姿は見えませんが、おそらくは文字通りか比喩的な意味で、どこか深いところに行ってしまったのでしょう。

 これだけは言えます。オーロラは殺しつくすものではなく、変化をもたらす力でした。シャドウムーアの景色は根本的に違うものになっていますが、そこに生きるものたちの多くは過ぎ去りし世界、ローウィンを反射する「目のきらめき」を持っているのです。もう少ししたら、変わり身が新たな不吉な姿で生きているヒントをお伝えできるでしょう。

 来週はシャドウムーアの全く新しいクリーチャー・タイプを掘り出します。そのときにまたお会いしましょう。


シャドウムーアの発売日は5月2日。それが待ちきれない皆のために、シャドウムーアのプレリリース・トーナメントが4月19日と20日に全国各地で開催されます!


HOME 原文(英文記事)