序 文

 日本の再生が叫ばれて久しい。書店に行けば、日本崩壊を予言する本や日本再興を呼びかける書籍が店頭に山積されている。このような現象は、日本以外何処にも見られない特殊なことである。崩壊するにせよ、再興するにせよ日本人の多くが、今が日本変革の時にきていることを感じ取っている証左である。長い経済の低迷も解決の糸口は掴めていない。

世界も日本に最早、希望を持たなくなったように見える。経済不況に関して多くの専門家達がいろんな意見を述べているが、どれも決定的なものが出ていない。しかし一つだけはっきりしている事がある。それは、経済不況は経済自体が原因ではないということである。

日本には世界一と言われる豊富な資金があり,人材も技術もあり、世界から見れば羨ましいかぎりなのに、日本自体は不況で苦しんでいる。何かが間違っているとしか思えない。私の見解では、日本が国家として行くべき方向がはっきり定まっていないということから来るものである。すなわち、国家目標やビジョンがないということから生じる現象だということである。

それはあたかも金持ちで資産も能力もある人が、目標が無く何をして良いか分からず毎日悶々として悩んでいるのと似ている。彼に必要なのは明確な目標だけなのである。目標さえはっきりしていれば、彼はひたすら歩めば良いのである。

現在の日本に欠けているのは、国家目標であり、明確なビジョンなのである。   私は自分の無知と未熟を省みず、恥じを忍んで止むに止まれぬ気持ちでこの文を表した理由は、今の時を逃しては総てが遅きに失するのを恐れたからである。

2000年の新千年紀は人類歴史の大転換期であり、日本にとつても転換のチャンスである。物事には時というものがある。その時を逃せば、何年か何十年、いや何百年も待たなければならないかもしれない。今、日本は政治、経済、社会のいろんな面においてかつてない崩壌現象を呈している。最悪であるから今こそがチャンスとも言える。要はそのチャンスを如何に生かし切るかである。私はここ数年がその期間でありそこに賭けたい。

この提案を作成するに当たってその前提となる情勢分析等は割愛した。問題や情勢分析等に関する出版物は山積しているので、ここではそれらの分野は専門家に任せて、あえて当方からの提案事項のみを列挙した。恐らく大局から見て欠けている分野もあると思うし、又体系的に網羅されていないことを承知でここに提案したので皆様からのご判断とご指摘を賜れば本望であります。

目 次

序 文                         ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

1.日本の存在目的  国際貢献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

1) 飢餓・食料飢饉の問題の克服

   2) 疾病問題の解決

   3) 自然災害の防止

   4) 地球環境破壊問題の克服

   5) 麻薬・ドラック等の根絶

   6) 戦争・地域紛争・内乱等の防止と難民保護

   7) 犯罪・暴力・テロリズム等の防止

   8) 家庭崩壊・不倫防止・青少年の純潔保持に努める

   9) 核兵器・大量破壊兵器の廃絶に努める

  10) 南北経済格差の解消と技術の平準化に努める

2.国家目標達成のための条件           ・・・・・・・・・・・・・・・ 7

3.国家戦略の構築                  ・・・・・・・・・・・・・・・ 8  

4.戦略実現のための政策              ・・・・・・・・・・・・・・・ 9

1)戦略遂行の力

2)政治力の構築

3)強固な経済力の確立

4)先端的な国防力の建設

5)創造的な科学技術の創出

6)豊かな文化芸術の創作による精神の高揚を図る

7)その他の分野における課題

おわりに                          ・・・・・・・・・・・・・・ 34 

1.日本の存在目的    国際貢献

 日本の存在目的は何であるかと訪ねる時、誰にとっても答えは容易ではない。

しかし、敢えて言うならば、世界人類の平和と繁栄の為に貢献することによって日本自体の繁栄にもなるということであると思う。更には分かりやすい言葉に言い直すならば「国際貢献」ということになるが、ここで云う「国際貢献」は、今まで云われてきたよりももっと主体的な、新しい人類文明の創造に先導的役割を果たすという意味を含んで積極的なものでなければならない。日本の存在目的を次の三項目に置く。

1. 新しい価値観の確立と新文明の創造

2. 全人類的課題への挑戦と克服

3. 恒久平和の成就と理想世界の実現

これらを一口で言えば『世界の為の日本』ということになる。これらを具体的に実行する為に日本が取り組むべき課題は、現在人類が直面している問題に日本が国家を挙げて挑戦することである。全人類的課題とは次の10項目であると考える。

1) 飢餓食料飢饉の問題

エチオピア、ソマリア、スーダン、北朝鮮その他、現在全世界で飢餓に瀕している人々の数は、二千万ともそれ以上とも言われる。一方では飽食の人々もいる。自然災害の面と人為的な面もあるが、いずれなしても、飢餓問題は焦眉の急である。この問題が解決しないかぎり、平和の実現もあり得ない。

2) 疾病問題の解決

今日人類は、なお多くの疾病に悩やまされている。エイズ、マラリヤ、結核、ガン、その他の不治の病、風土病,その他いまだ原因不明の疾病等で多くの人々が今日も苦しんでいる。これらの解決のため、日本は人とお金を投入して人類に貢献すべきだと考える。

3) 自然災害の防止

 洪水、干害、地震、火山噴火、地すべり、竜巻、津波等ありとあらゆる災害が常に地球上の何処かで局地的に或いは大規模に起きており、人命と財産の被害は莫大なものがある。これらの予防と防止さらには復旧のために世界的規模の努力と援助が必要であり、日本は資金と技術を提供して、そのイニシャティブをとるべきだと思う。

4) 地球環境破壊問題

大気汚染による地球温暖化、世界的な気候の変調、熱帯雨林帯の急激な減少、砂漠の拡大、環境ホルモン被害の拡大、ダイオキシンの拡散、産業廃棄物の処理等問題は山積している。これらを克服するには全世界的な協力がなければ不可能であるが、日本は少なくともイニシャティブをとるべきであると考える。

5) 麻薬ドラック等の根絶

アヘン、ヘロイン、マリファナ等の麻薬が多くの人々を心身ともに蝕んでおり、特に青少年への被害は甚大である。何としても麻薬の根絶に努力すべきであると思うが、日本も最大限の努力をするべきであると考える。麻薬生産国における代替作物への転作援助、治安能力の向上、麻薬常習者の更正への支援に積極的に努力すべきである。

6) 戦争・地域紛争・内乱等の防止と難民保護

  現在、地球上の何処かで戦争や紛争がない時がないと言うほど、武力衝突の絶え間がないのが実情である。その度に何万、何十万という避難民が作り出されているのである。日本も戦争や紛争の防止や治安維持のため努力を惜しむべきではない。 またその度に生じる避難民の保護、生活安定に協力する必要がある。

7) 犯罪・暴力・テロリズム等の防止

世界各国とも犯罪、暴力、テロ等が繁殖して大きな社会不安を引き起こしている。特に02年9月11日の米国での多発テロ以降、テロ抑止は米国のみならず全世界的な課題となってきた。またロシア等の旧ソ連圏においては経済マフィアの暗躍により国家経済は破綻に瀕している。更には、インターネット時代に入って、サイバー・テロによって引き起こされる被害が社会に及ぼすインパクトは計り知れないほど大きい。サイバー・テロの防止には高度の技術力を持たなければ対処できない。日本もその技術を蓄積しておかなくてはならない。

8) 家庭崩壊・不倫防止・青少年の純潔保持に努める

如何に国が強大で繁栄していても、家庭が崩壊し、性が乱れ、不倫が蔓延すれば国家は内部から崩壊する。青少年が純潔を失い淫乱が蔓延すれば、同様に国家の未来は危うい。この問題の解決には国家的規模で取り組まなくてはならない。

9) 核兵器、その他の大量破壊兵器の廃絶に努める

今日では、超大国間の大量破壊兵器による世界大戦の危機は遠のいたとは言え、核を含む大量破壊兵器の途上国への拡散は、むしろ大量破壊の危険性を増大していると言える。日本は唯一の被爆国として、更には核武装能力を有しながらも敢えて核武装していない国家として、核兵器とその他の大量破壊兵器廃絶のイニシャティブをとるべきである。

10) 南北経済格差の解消と技術の平準化に努める

現在の世界の最大の問題は、南北の経済格差が大きいだけでなく、それがますます拡大傾向にあるということである。その大きな原因の一つは科学技術の開発力の差にある。科学技術は国境を超えて移転可能であるが、いくらコンピューターを持って行っても、それを根づかせるだけのインフラとマーケットがなければ、結局、切り花的に終わってしまう。要は、その根本にある教育を充実させる以外にないということである。

これ以外にも課題はあると思うが、とりあえずは上記の10項目を今日の人類が当面する課題であると見なし、これらの問題の解決に挑戦し克服することを日本の国家目標として掲げるべきである。このような国家目標に反対する如何なる国家も世界には存在しないと思われる。

勿論、このような全人類的課題は日本一国で解決出来るものではない。世界の主要国家の支持と協力が不可欠である。しかし日本が出来ることは、これを国是として取り組み、イニシャティブを取り、責任をもつことである。全国民が一つになってこれを支持して行動すれば、必ず日本は天運に乗って繁栄するようになることは間違いないと確信する。

2. 国家目標達成のための条件

如何に国家目標を掲げても、それを達成するための条件が整わなければ、絵に描いた餅に終わるしかない。では、そのための条件とは何か?下記にそれを述べる。

1. 短期間に国家目標を設定することは容易ではないが、日本をどう改革するかについては、殆ど意見が出し尽くされた観があり、どの意見も大同小異であり、一つの突破口が見つかれば決着するように思える。その突破口を見つけるため国民の英知を結集しなければならない。 

2. この国家目標実現のための価値観が大多数の国民に受け入れられ、強力な支持が得られること。

3. 国民の支持が国家社会を動かすことの出来る組織を形成し、行動力を有するようになること。

4. この価値観に基づいて国家目標を達成するために憲法を始め法体系を改正できるようにすること。

5.  新法体系に基づき政治全般の大改革を行うこと。

6. 政治改革の次には、行政組織の整理と改革を実施しなければならない。現在、行政改革が進行中であるが、これは国家目標が不明なままに行われているので再整理が必要である。

7. 国民意識の変革がなければ、如何なる改革も成功しない。国民に対して「これ以外に日本のゆくべき道はない」というとを不断に啓蒙し、教育に努めなければならない。 

8. 日本の国内の改革であったとしても、今日では関連する諸国家の理解と支持がなければ成功しない。そのためには、日本の国家目標が当該国の利益に反するものではなく、むしろそれらの諸国と世界の利益のためであることを納得せしめるよう努めなければならない。

以上の条件を満たすことは、理論を説くより何倍も難しいことであるが、これが満たされない限り何事も成就しない。特に国民の理解を得ることが何より重要不可欠と考える次第である。

3. 国家戦略の構築

国家目標が定まっても、戦略がなければ理想は実現に向かって進まない。戦略とは二階に登るための梯子のようなものである。しかし先ず、戦略を説く前に、日本の国家としての性格について述べたい。

『国際貢献』が日本の目標であるが、日本はこの他に、この目標を達成するために日本は世界に先駆けてこの使命を果たす『先導国家』としての側面がある。 更には、日本は世界の諸国家を助けるという母親のような『母性国家』としての役割があるということである。日本はこの三つの使命を歴史的に担っているものと考える。


ところで、日本の戦略としては次の諸点が挙げられると思う。

1.自由民主主義と立憲君主制という枠組みを維持する。
 
2.『国際貢献」という価値観を基本として価値体系を形成する。

3.国際協力によって全人類的課題の克服に努める。

4.全人類的課題を克服する過程において、日本は先導的役割を担う国家を目指す。

5.国益は世界益は対立するものと見做されてきたが、世界益を国益と見做すことにより、この矛盾を解決することができる。

6.日本は「母性国家」としての役割を担い、世界における母親として、特に途上国への物心両面の援助に努力する。

7.日本の国家的使命を達成するためには、それを可能にする国力と世界の中における位置を確立しなければならない。

4. 戦略実現のための政策

 

1) 戦略遂行の力

国家戦略を遂行するに当たっては、それを可能ならしめる政策がなければならない。また、日本が国家的使命を果たすためには、それに相応しい国力がなければならない。病人を助ける医者は健康でなければならないのと同様である。国力を構成する要素はいろいろ考えられるが、ここでは次の5つの要素を取り上げる。

?政治力

?経済力

?軍事力

?科学力

?文化力

健全な国家は、この五つの力がバランスしていなくてはならない。日本は経済力と科学力においては、世界でも有数の位置をしめているが、政治力と軍事力において世界的に見て極めて貧弱であることを認めざるを得ない。

政治力と軍事力における劣勢は、日本が敗戦国家であるという特殊な事情の故に、敢えて努力しなかった結果である。

文化も重要な国力の要素である。日本これからこの分野にもっと努力しなくてはならない。

この五つの力がバランスしていなければ、国家としての力を発揮できないし、世界からも相手にされなくなる。日本はこれから政治力と軍事力の発展に努力するとともに、文化力の強化にも努めなければならない。

次に参考として世界主要国の比較を示すが、これはあくまで私の主観的な評価に基づくもので、何らの科学的根拠はない。

 力の要素

? 政治力

10

? 経済力

10

? 軍事力

10

 

? 科学力

10

? 文化力

合  計

28

48

21

25

22

18

16

2)  政治力の構築

ここで云う政治力とは、日本が国際社会の中で発揮できる政治的能力をいう。

日本が政治力を高めるためには、以下の諸点を改革する必要がある。即ち

    1.国民意識の向上

2.政治体制の変革

3.外交戦略の策定

等が重要である。

1.国民意識の向上

(1) 教育の抜本的改革を計る

国民意識の形成における教育の重要性は説明を要しない程大きい。特に初等教育が子供に与える影響力は絶大である。今日まで日本の教育は、左翼日教組の偏向教育によって指導されて来た。今日の日本の諸悪の根源は、日教組に責任がある。それを放置してきた文部科学省にも責任がある。まず教育改革を断行しなければならない。日教組に対して政府は莫大なる損害賠償を求むるべきである。同時にこれに追従した文部官僚は断固厳重処罪にすべきである。

 

(2) 偏向マスコミの是正

    日本を悪化させる原因の一つが偏向マスコミである。国民の殆どがその新聞、テレビが偏向しているかを知っている。良識ある国民が力を結集して、偏向マスコミを監視組織をつくり問題報道あった場合は直ちに抗議行動を行い謝罪と訂正を求め聞き入れない場合は不買運動や裁判を起こしてでも断固処断する体制を整える必要がある。特に国民の金でまかなわれているNHKの偏向報道が多いがこの場合は法的に規制することを考慮すべきである。

(3) 偏向学者文化人の責任追及

日本を弱体化させているもう一方のグループは偏向した学者文化人である。彼等は現在日本の豊かさを謳歌しながら日本の弱体化を狙う最も悪質な輩である。良識ある国民は彼等の陰謀を見抜き、正義の鉄槌を下さなければならない。 

 2.政治体制の変革

(1) 憲法改正の断行

今日の日本の諸問題の根源に現行憲法がある。現行憲法は急変する国際情勢に対処できずに日本を国際的孤立に追いやっている。戦後半世紀の間、憲法を金科玉条の如くに奉っている国は世界の中で日本だけであろう。それも外国から押し付けられた憲法をである。護憲を叫ぶ徒輩に主として左翼が多いが、別に彼等は現行憲法が良いからというのではなく、護憲を叫ぶことによって彼等の生活が成り立っているからに過ぎない。そんなことのために憲法改正が成れず、日本が破滅の淵に沈むことになれば千歳に悔いを残すことになろう。そんな自己中心で無知な徒輩の声を聞いて必要な憲法改正を行えないとすれば、日本の将来はないことを覚悟しなければならない。改正憲法私案は別の機会に供したい。

(2) 二大政党制の導入

二大政党制の導入は以前から論議されているが、実現までに至っていない。現在のような政党乱立では安定した政治を行うことはできず、日本の国力低下を来たしている原因の一つである。現在の自民党、保守新党、自由党、民主党は殆ど政策上の差はない。これは合同に大きな政党編成すべきである。もし合同が困難ならば少なくとも日本の政界は、国民連合(保守党)と民主連合(革進系、民社党、共産党等)の二つに合同して英国や米国のように交互に政権を担うことのできるような体制に変えることが望ましい。そのために思い切って二大政党ないしは二大連合制に移行するよう努力すべきである。

(3) 首相公選制の実施

首相公選制も今日まで論議されてきたがなかなか実現には至っていない。日本の首相は密室で決められて、国民が直接関与できない。古い因習的なイメージを国内外に与えている。日本の首相は政局次第でネコの目のように変わり、10年間に13人の首相が交代している。これでは落ち着いて政策など実行できないし、対外的にも印象は悪いし、首相として海外に顔も売れない。これでは日本に対する信用も落ちるのは当たり前である。あまりにも内向きすぎる。今日の激動する国際情勢に全く対処できない。いろんな弊害もあろうが、公選制によって4年なら4年責任を持って政局を担当する制度にした方がマイナスよりもメリットの方が多いと信ずる。

(4) 道州制の導入

これも首相公選制と同じく、論議はされているが遅々として進んでいない。今日の地方自治体の課題は、経済的自立ができていないということである。これを解決する為にも現行制度を大きく変更して、自治体の広域行政化と経済の自立化を思い切って導入することを提案する。私案の一つ、

  北海道 ・・・・・・・・ 北海道 中心都市札幌

  東北州 ・・・・・・・・ 青森、岩手、秋田、山形、福島    

  関東州 ・・・・・・・・ 茨城、栃木、群馬、千葉、神奈川、山梨、埼玉、静岡

  中部州 ・・・・・・・・ 愛知、長野、石川、福井、富山、新潟、岐阜

  近畿州 ・・・・・・・・ 大阪、京都、奈良、和歌山、三重、兵庫

  中四州 ・・・・・・・・ 岡山、鳥取、広島、島根、山口、香川、徳島、愛媛、高知

  九 州 ・・・・・・・・・ 福岡、佐賀、大分、熊本、長崎、宮崎、鹿児島

  西南諸島州 ・・・・ 沖縄諸島、奄美群島

  東京都 ・・・・・・・・ 主都特別市

もしこれが実現すれば、明治維新以来の日本大変革になり、飛躍的発展が望まれる。

(5) 国の行政権の自治体への大幅委譲

   国は外交、防衛、予算、その他の国の基本にかかわる分野に集中し、その他の行政権は大幅に地方自治体に委譲し、行政の介入を極小化する。政府の規制をできる限り排除して自治体の自由裁量を計る。自治体への行政権の大幅移行では、アメリカ、ドイツ等が先行している。これらを参考にすべきである。 

3.外交戦略の策定

日本は総合的国家戦略を持たないので外交も場当たり的で、後手後手にまわり国益に反する結果を招来している。北朝鮮が米国を引っ掻き回しているのとは大きな違いである。今日、日本に必要なのは、国家戦略に基づいた外交戦略の策定である。

(1) 外交における優先順位の設定

日本の国家目標を達成する上において、全人類的課題に挑戦するにしても日本一国で果たすことは不可能であり、世界の主要国家と協力することは絶対的要件である。日本としてやるべきことは、そのためのイニシャティブを取ることであり、そのために必要な応分の資金を提供し、必要な人材を出すことである。従って外交方針も「国連中心主義」などという漠然としたものでなく、国家目標遂行のための独自の外交方針を打ち出すべきである。そのために、全世界を12の国ないしブロックに分けて、優先順位をつけ外交を行うべきだと考える。順位は下記の通りである。

?アメリカ合衆国、カナダ

?韓国(北朝鮮)

?中華人民共和国、中華民国(台湾)

?ロシア連邦(モンゴル共和国)

?アセアン諸国

?ヨーロッパ連合、東欧諸国

?中近東諸国

?インド亜大陸(インド、パキスタン、バングラデッシュ、スリランカ、ネパール、ブータン、モルディブ)

?中南米諸国

?アフリカ諸国(サハラ以北のイスラム教諸国を除く)

?オセアニア(太平洋の島嶼国家群を含む)

?中央アジア諸国

  (2) 米国との協調を最優先の基本路線とする

日本は基本的には独自の外交路線を保持するが、歴史的現実的に米国との協力は日本の生命線として最優先されなければならない。唯一の超大国たる米国との協力なしには如何なる外交も成果を上げることは困難である。これは必ずしも米国追従を意味するものではなく、日本の国際貢献に基づいて米国との共同目標を設定しその枠内における協力を惜しまないと言う明確な姿勢を貫く必要がある。

(3) アジア近隣外交の積極推進

日本は極東に存在する国である以上、アジア近隣諸国との友好善隣は、必須の要件である。しかし、近世における日本のアジア政策の結果近隣外交は成功しているとはいい難い。特に韓国、北朝鮮、中国との関係は北朝鮮を除き、いわゆる過去清算は終わっているが、事あるごとに反日の世論が起こっているということは法的にはともかく、心情的清算が終わっていないということを意味している。金銭面だけでなく心の清算をしなければならない。過去の清算は謝罪を繰り返せばいいというわけではない。反日の背後には政治的意図や、事実に基づかない単なる感情的なものも多い。我々としては事実に基づいて、主張すべきははっきり主張し双方の理解を得なければ独善的な謝罪観では真の永続的な友好関係を維持することは困難である。

(4) 日韓関係の強化

日本の安全と平和のためには、朝鮮半島の安定と発展は必須的要件である。日本と韓国とは『運命共同体』的存在として近密化を計る必要がある。しかし、過去の植民地統括から来る対日不信は完全に除去されていない。日韓は共同の運命体としての新しい歴史観と理念の構築に努めゆるぎない紐帯の確立に努める。更に北朝鮮の非核化や統括支援に共同歩調を取り、南北の平和的統一に努めなければならない。

(5) 日中関係の構築

日中関係は、一面協力、一面競争の側面を持っている。近年中国の著しい経済発展は、日本の市場拡大という点では望ましいが、他方では産業の空洞化を招き、手剛い競争相手という点では憂慮すべき点を招来している。さらにはかつての中華帝国の再現を目指してアジア覇権を狙う軍事力の増強という面では、日本には深刻な事態と受け止めざるを得ない。日本は中国に対しては、弱腰外交を行うのではなく、あくまで是々非々の姿勢で望み不当な要求に対しては断固としてノーと言える体制を整えなければならない。

(6) 親日諸国との外交強化

日本が国際社会の中で、国際貢献という国家目標を達成してゆく為には、米国、西欧、中国、韓国等との協力の必要性は云うまでもないが、それ以上に重要なことは、伝統的な親日国との外交を強化することが日本の立場を強化する上で重要である。概してこれらの親日国は途上国が多い。日本としてはODA万弁に薄くバラ撒くのではなくこれらの親日国に優先的に配分するくらいの戦略的配慮は必要であろう。親日国と目される諸国を列挙してみる。

  ・アジア

    台湾、モンゴル、タイ、ミャンマ、バングラデシュ、マレーシヤ、ネパール、ブータン、インド、スリランカ、トルコ、インドネシヤ、モルジブ、カンボジア、イスラエル

  ・ヨーロッパ

    フィンランド、ポーランド、ドイツ

  ・アフリカ

    エチオピア

  ・南アメリカ

    ブラジル、パラグアイ、ペルー

  ・オセアニア

    マーシャル諸島、トンが、パラオ、ミクロネシア

(7) 外交力の拡充と強化

日本は伝統的に外交が下手である。今まで多くの失敗を重ねてきた。国際社会に生きて行く以上、外交は必須の要件である。しかし、現在のようなやる気のない外務官僚を増やすのは税金のムダ使いであるので、もっと民間からの外交官登用を推進し、更にはNGO、NPO等を活用しなければならない。そして、もっと民間の知恵を活用すべきである。現在の外務省は一度解体するくらいの荒療治をする必要がある。

(8) 国連常任理事国入りの達成

日本の国連分担金は、2000年には20.573%になり、最高の米国の25%に次ぐ分担金である。それに対して中国は拒否権を持つ常任理事国なのに僅か2.5%で日本の十分の一しか負担していない。これは明らかに不公平である。日本は当然、常任理事国としての資格を有している。世界的使命を完遂するためにも国連常任理事国入りは果たされなければならない。

(9) 国連及び国際機関に日本人幹部の登用を推進

日本は分担金の大きさに比べて国連や国際機関(IMF、WTO等)での日本人登用が極めて少ない。重要な部署は欧米諸国が独占している。日本は、アジア地域の代表として、もっと日本人を幹部または職員として登用するよう働きかけなければならない。日本人が難しい場合には、中国人や韓国人を推薦すべきであろう。

(10) 経済協力推進とODA活用

日本のもてる力の一つは経済力である。経済協力を通じての友好推進と且つ国益の増進を企る。ODAは戦略的に活用し、中国のような経済大国に援助し軍事力の強化に私用される愚を避け、弾力的活用を推進する。

3) 強固な経済力の確立

人類救済という遠大な国家目標を立てて、それにチャレンジしてゆくためには、これにふさわしい経済力を持たなければならない。現在日本は米国に次いで世界第二位の経済大国であることは間違いないが、それも既にピークを過ぎて下降線をたどりつつある。少子高齢化という不可抗力直面して減少する生産人口に対し増大する消費人口と言う逆調により今日まで蓄えられた国富は急激に消失しつつある。それに加えて経済力で日本を追い越しつつある中国の登場、アメリカに匹敵するEU経済圏の出現、ブロック化する世界経済等日本の前に立ちはだかる壁は大きい。日本が先導して世界の問題解決のイニシアチブを取るには現在以上の経済力を構築しなければならない。そのための若干の提案をしてみたい。

(1) 世界的視野に立った経済政策の策定

今日までの日本の経済政策はあくまで、日本一国の経済をどう扱うかという視点で行われてきた。これは主権国家として当然のことではあるが、これから世界を対象にして、どのように経済を運営するかという視点に立ってゆかない限り日本の国家的使命を果たすことはできない。勿論その際は日本の国益と経済繁栄を損なうものであってはならないことは当然のことである。そのための経済基本法のようなものを策定する必要があろう。

(2) 弾力的な財政金融政策の執行

財政金融は経済活動における血液に相当する最重要分野である。世界的視野に立った大胆な運用が必要である。特に予算の配分に当たっては万辺なばら撒き政策はやめて、必要分野に集中投資する弾力的且つ大胆な政策が必要である。金融機関もも今までのような護送船国方式を撤廃し、銀行に対する過保護は一切なくする。国際金融の荒波にもまれて勝ち抜く力量を備えるようにさせる。

(3) 新しい時代に即応する税体系の再編

現行の税体系は時代に即応し得なくなっている。現行税体系は国民に資産を形成して豊かにするよりも悪平等的に徴税して国民を貧乏に導く結果を来たしている。間接税を増やして、法人税、所得税、相続税等を減税にする思い切った施策が望まれる。その他技術開発投資への減税等、国の経済力を向上に資する税体系を実施する必要がある。

(4) 構造改革の推進と金融機関の早期健全化

   小泉内閣の最優先課題は構造改革の推進である。これを早期に完了して本来の日本再建に取り組むべきである。そのためには日本経済の足を引っ張っている金融機関の不良債権の清算を早期に完了して、もっと高所大所から日本国家百年の計に取り組み、日本を根本的に再建することを要請する。

(5) 先導的な産業構造の確立に努める

日本は中国、韓国、台湾等の追い上げによって、かつて日本が独占していた最先端分野の競争力を失いつつある。これは時代の流れであり、これを止めることはできない。日本がより一層の産業競争力を持つためには、中国、韓国、台湾、インド等が追いつくことのできない先端技術を開発し産業構造をその分野シフトしなければ日本の生き残る道がない。そのための思い切った投資や減税等の施策が急がれる。

(6) <![endif]>“物づくり”体制の維持に努める

日本の経済開発を支えてきたものは“物づくり”へのこだわりと努力である。如何に時代が変わっても商品の存在がある以上は“物づくり”は消えることはない。米国のように“物づくり”を諦め、情報、金融工学、サービス業に移行してしまえばいざという時に足元を救われ経済は崩壊の危機に瀕してしまう恐れがある。“物づくり”は日本経済の原点である。日本の“物づくり”は主として中小企業によって担われてきた。中小企業の“物づくり”への支援は日本の生き残りにとって必須の要件である。後継者の育成、技術者職人の養成、“物づくり“大学の設立等適切な施策を実施しなければならない。

(7) 日本発のグローバルスタンダードの普及を企る

経済産業活動の総ての分野にグローバル・スタンダードを導入して世界をリードする積極果敢な政策をとる。欧米諸国によって定められたグローバル・スタンダ−ドを受け入れるのではなく、日本がこれを作るようにならなければならない。多くの商品分野においてデファクト・スタンダード(事実上の標準規格)を確立するように努める。かつて米国によって阻止されたコンピュータ言語『トロン』の再復活を企り世界に普及させる国家的支援が必要。

(8) 世界一の情報大国を目指す

現在はアメリカが世界一の情報大国であることに異論はないが、これから携帯電話でインターネットとつなぐ時代になると日本が優位にあるので、これが逆転 するチャンスが来る。日本はこれを機に経済のソフト化とインターネット大国を目指すべきである。

(9) 世界最大の個人資産の活用を計る

現在、日本には1200兆円の個人資産と、3000〜5000兆円といわれている公共資産があり、在外資産も68兆円、外貨も30兆円等、膨大な資産があるが、これが活用されていない。かなりの部分がアメリカを助けるために使われている。日本の資産はアメリカを助けるために在るのではない。この資産は世界人類の救済のために使わなければならない。そのために、これを活用できる人材の養成と機関を設立すべきである。

(10) 円を世界の基軸通貨の一つにする

    円をドル、ユーロと並ぶ世界の三大通貨の一つにする必要がある。そのためには強い円の維持に努力し、円による貿易決済を拡大し、各国が円で外貨を保有し易いようにしなければならない。財政政策も日本だけを考えるのではなく常に世界を念頭において行わなければならない。

(11) 円高政策の維持に努める

円高には賛否両論がある。多少のマイナスがあったとしても円高はドルベースで日本の国富が増加したことを意味する。円高で輸出競争力が減退する一時的マイナスはあったとしても、円高によって増加した富のメリットの方が遥かに大きい。じっとしていて国富が増えることをしないとすれば大バカである。国の政策として円高を維持すべきことを提案する。

(12) 輸出を増加し貿易黒字の拡大に努める

日本は無資源国であり輸出以外に生きる道はない。一時輸出中心の経済発展を欧米からたたかれて輸出罪悪論が支配的になり内需中心の経済成長が正論のきているが、これは欧米による陰謀である。日本の輸出は、経済全体に占める比率から見ればまだ低い。全体の10%位になってもおかしくない。内需による成長などにとらわれてはいけない。更に米国から批判によって貿易黒字も悪の根源の如く云われてきたがこれも間違っている。貿易黒字が悪いのではなくて、その使い方が問題である。使い道はいくらでもある。それこそ人類が悩む分野のために使えば世界は大歓迎であろう。稼げるうちに稼ぐのが賢明である。欧米の嫉妬から来る黒字批判などに心を惑わされて黒字を貯めるチャンスを失ってはならない。貿易黒字を貯めることが非難されるべきことではなく、その黒字をどう使うかこそ批判されるべきであると思う。この日本国民の血と汗と涙の結晶は世界人類の救済のために使われなければならない。それこそが日本が世界から受け入れられ尊敬される道である。

(13) 農業の近代化と食糧自給力の向上を企る

日本の農業は過保護政策によって国際競争力を全然持っていない。このままでは日本の農業は自滅を待つしかない。農業の近代化と自由化を推進し、企業として成立する体制をつくる。それとともに食料自給率の向上を計り、更には工業製品と同様輸出産業に育成しなければならない。

(14) 流通産業の近代化による生産性向上

流通産業も日本が遅れている分野である。外国人には分かりにくい流通過程を合理化し、中間利益をなくし商品のコストダウンと適正な流通経路の確立によって外国からでも参入しやすいように努力すると共に、この分野における生産性の向上を計る。

(15) 観光大国を目指そう

  日本は美しい自然、豊かな文化遺産、発達した産業、充実した観光施設いずれをとっても観光大国たるにふさわしい条件に恵まれている。しかし現実的には、日本を訪れる観光客の数においては、フランスの年間7000万人はいうに及ばず、近くの中国、韓国、台湾等より遥かに少ない。日本の観光産業は、国内旅行者が中心のマーケット。訪日外国人は年間477万人(2001年)と日本からの出国者1621万人(2001年)の1/3にも満たない。この内外の不均衡の原因の一つは世界一の物価高であるが、それよりも日本は伝統的に外国から観光客増大に熱心でなかったということが言える。日本には十分過ぎるほどの観光資源はあるし、自動車や家電のように輸出洪水を起こして問題になることもない。日本の誇る先端産業を見学したいという外国人は多い。産業観光も日本が推進すべき分野である。それよりも日本をよりよく理解してもらうことができ友好の増進にも役立つ。それに特別の投資をしなくても外貨の獲得に寄与できる等多くのメリットがある。観光大国の条件は整っているのにこれをほおっておく手はない。政府は積極的な観光産業の復興に取り組むべきである。

(16) 新エネルギー資源の開発に努める

  日本には国産のエネルギー資源が殆どない。将来に渡って日本の経済活動を維持していくためにはエネルギー資源の確保は政治的にも重要である。しかし、原油や石炭、天然ガス等には限りがある。そのために新エネルギーの資源の開発に注力する必要がある。原子力は将来にわたって主力となる資源なので開発に努める。その他風水力、地熱、潮力等の自然のエネルギーにも重点的に努力すべきである。又燃料電池太陽光発電、特に宇宙における太陽発電による地球への送電等の先端的エネルギー開発において日本は世界に先駆けて進んでいるのでこの実用化に努める。

(17) 国際ハイウェイの建設を推進する

日本は島国であるので、何かにつけて孤立化しやすい傾向があるので、アジア大陸と国際ハイウェイに結ばれることによって、人と物の往来を活発にして産業経済の活性化を図ると共に文化の交流を容易にすることによって、新文明の形成に寄与する道が開かれる。既に九州の長崎から韓国に向けての海底トンネルの試掘りが行われているが、これを日韓両面の国家的プロジェクトとして取り上げるべきであろう。

(18) 新千年紀相応しい社会基盤の構築

少子高齢化が進行する日本では環境が急変している。新しい事態に対処できなければ、社会は生命力を失い急速に破綻に向かうことは必須である。それを準備できる時間は多く残されていない。少しは余裕のあるここ数年のうちに手をつけないと取り返しのつかないことになろう。以下の点を指針として社会の基盤の整備を行う必要がある。

   ? 自然と調和した美しく豊かな国土の建設

   ? 高度に組織化され安全で快適な交通体系の確立

   ? 革新的で経済的な情報通信網の整備

      ? 国土の高度利用と都市の再開発及び快適な居住環境

   ? 自然災害の阻止と環境保全及び国土の科学的管理

4) 先端的な国防力の建設

将来国境がなくなり、世界政治ができて平和な世界が実現すれば軍事力は必要でなくなる。早くそういう時代が来て欲しいものである。しかし現実的には国家が存在し国境がある以上は国防ということは国家存続の最も重要な要素である。日本は軍事大国を目指す必要はないが近隣に脅威となる国家が存在する以上は国防という任務をなおざりにすることはできない。日本が国際社会に対して応分の責任分担を果たし、かつ国際貢献という国家目標を遂行してゆく為には、更には国民の生命財産を守る為にも適切な軍事力を保有することは必要なことである。

(1) 国防の基本方針の改定

日本は、「専守防衛」をもって国防の基本方針としており、他国から侵略された場会、自衛隊が初期防戦に努め、その後は米軍の来援を待ってその支援により敵を撃退するという戦略をとっている。しかし、このような受身の防衛戦略ではいざと言う時に敵を撃退するということ期待できない。攻撃は最大の防御であるという言葉があるように、必要に応じて先制攻撃によって敵を撃退する戦略をとらない限り多大な損害を蒙るばかりでなく、国防の任を果たすことは困難である。 「専守防衛」などという姑息な方針を捨てて「先制攻撃」を基本戦略にした方針に早く転換し、通常戦力によって敵を自力で撃退できる戦力を保持する方針ををとるべきである。

(2)憲法を改正し防衛庁の国防省えの昇格を行う

現行憲法を改正して、自衛隊を国軍として改編し、防衛庁を防衛省または国防省に昇格させなければならない。先進国のなかで軍隊が独立した省でなく、省より一段下の庁組織に属しているのは日本だけである。かって防衛庁の省昇格が自民党内で議論されたことがあったが、党長老の一部からそれでは中国を刺激するから良くないという意見がでて取りやめになったといういきさつがある。よその国に気兼ねして国防組織の改革をやめる国など聞いたことがない。あいた口がふさがらないとはこのことであり、全くもって言語道断である。

(3) 集団的自衛権の行使の認定

現行憲法は集団的自衛権の行使を禁止している。そのため日本の生命線であるシーレーンを防衛する為に海上自衛隊が米国海軍と共同作戦を行うことができない。たとえば、日本は最先端のイージス艦を保有しながら、集団的自衛権の行使を禁止されている為活用することができない。イージス艦を保有しているのは、世界で日本と米国だけである.日本が緊急事態に一国だけで対処できないとすれば、米軍との共同作戦できなければ自滅するしかない。

(4) 日米共同で核弾頭防衛網の構築する

核攻撃に対抗するには、核武装することが理論的には最善の選択であると考えられるが、日本の事情としては内外ともにそれが許されないのが現実である。故に次善の策としては、核攻撃を防御できるミサイル網を構築する必要がある。日本独自でミサイル網を構築するには、技術的にも資金的にも無理がある。米国が日本に呼びかけているTMD(戦域弾道ミサイル防衛網)に積極的に参加するべきである.中国は、日本がこれに協力することに強く反対している。中国が反対すると言うことは、それだけ効果が大きいということを証明しているわけであるから、日本としては断固として実行しなければならない。しかし、日本は資金だけを提供して製品だけをブラックボックスで買わされる愚は絶対避けられなければならない。参加する以上は初期設計段階から加わり、製造も日本で分担しなければならない。効果を疑問視する向きも多いが、最初から完全なものなぞあり得ないのが常識である。研究開発する過程で得られる技術習得のメリットが大きく是非やる価値はある。

(5) 自衛隊の海外派遣の自由化

現在、地球上の何処かで常に局地的紛争が起こっている。その紛争地に自衛隊をPKF(平和維持軍)として派遣できるよう、法の整備を急ぐべきである。海外に派兵して戦争の抑止に努めるのは世界平和実現のための重要な貢献である。 現在の国連のPKFの場合は、国連が経費を負担しており、多くの途上国からの派兵は資金稼ぎの感が強い。日本が自費で派兵すれば世界から歓迎されよう。  また自衛隊としても実地教育になる。勿論生命を危険にさらすことになるがそれを恐れるようであるなら、始めから自衛隊に入るべきではないのである。

  (6) 諸外国との軍事協力を推進する 

平時から軍事協力を行うことによって、戦争の抑止に資することができる。アメリカとの軍事協力は当然のこととして、その他の主要国や友好諸国とは必要に応じて軍人の派遣、軍事訓練、武器供給、兵器の共同開発等を積極的に行う必要がある。これらの行為は現在の法のもとでは出来ないが本当に平和を望むのであればそこまでしなければ平和実現など絵に描いた餅である。

(7) 武器三原則を廃止するべきであると考える

これほど愚かしい原則は見たことがない。三木内閣の時の閣議決定であって、正式に国会の議決を経たものでもないので、閣議で廃止できる。これほどの自己満足的な原則はない。日本が供給しなくても、兵器を輸出したい国はごまんとあるので、それらの国を喜ばせているだけである。“兵器を輸出したから戦争が起こる”などという幼稚な理論に呪縛されるほど愚かしいことはない。戦争をするためではなく抑止するための目的の方が大きい。日本は兵器輸出を自由化することによって兵器の量産化が可能になり、高い国産兵器の単価を引き下げることができる。それは税金の節約になり、国民の税負担を減らすことができる。日本の優秀なハイテク兵器を買いたいという外国もおおいのに真にバカげたことである。 我々は深く議論もされていない無知な過去の呪縛から解放されなければならない。

(8) 情報戦力の強化に努めるべきである 

現在は情報戦の時代である。日本は強大な軍事力を保有できない以上、情報戦能力を高度化しなければならない。偵察衛星等を保有して全世界の軍事情報を収集する能力を保有しなければならない。アメリカに依存しない情報戦力の構築に努めなければならない。現状では北朝鮮の工作船の日本領海侵犯もアメリカからの情報に依存している状態では適切な対応ができない。日本としてはやっと自前の偵察衛星を打ち上げることになったが、能力的には米国のものより劣るといわれている。更に情報戦能力の向上を図るべきである。

(9) PKF用緊急展開部隊を編成すべきである 

世界各地の紛争処理のためにPKF専用の緊急展開部隊の編成が必要である。 日本が真剣に世界の平和を希求するなら、これくらいのコミットメントは必要である。 軍事力は両刀の剣である。正しく使うことによって平和を確立に寄与できる。“良く切れる包丁は、人を殺すことも出来るので、なくせ”と言う者は愚か者であるが、悲しいことに日本にはこの手の良心家が多い。

(10) 国防研究開発を強化すべきである 

小兵力で大軍に打ち勝つためには敵より優れたハイテク兵器を保有しなければならない。日本はハイテク兵器の開発のためにもっと研究開発予算を増加しなければならない。予算の飛躍的増大と共に重要なのは優秀な研究者の確保である。 自衛隊の中だけで確保できない場合、国立研究機関や大学等と協力して開発する体制を築く必要がある。

(11) 法的整備を図り有事即応性を高める

自衛隊法を改正し、自衛隊の有事即応性の強化を図るとともに、電波法道路交通法関連法規の調整、機密保護法等必要法規の制定等、各種有事法制の整備を急ぐ。

  (12) 文民統制を実効あるものとする

   文民統制とは、いわゆるシビリアンコントロールのことである。シビリアンコントロールは主して米国で発生した概念であると思われるが、その根本は軍人が国民を支配するという危険を排除するために、選挙によって選ばれた代表即ち議会が軍事力を統制するということである。しかし、日本ではこれが違った意味に解釈されており、防衛庁の事務官が制服組みを統制するような仕組みになっている。これは完全に間違った解釈である。事務官も制服組みも含め全体が選挙によって国民から選ばれた国会議員即ち政治家の統制に服しなければならない。事務方と制服組み壁を破って、例えば統募議長が直接防衛庁長官を補佐にして部隊の作戦指揮を出来る体制にしなければならない。

5) 創造的な科学技術の創出

科学技術は今日の急激に発展する世界を動かす原動力である。従って科学技術能力を持たない国家は世界の潮流から取り残されるだけである。戦後の日本の経済発展も科学技術の進歩によってもたらされたもので在る事は議論の余地がない。今後とも日本が高水準の経済発展を維持するためには、科学技術の開発は不断に継続されなければならない。

(1) 創造的な科学技術の開発に努力を傾注すべきである 

諸外国からは「日本の技術は創造性に欠けており、欧米諸国の物真似が多い」 と批判され続けてきた。為にする批判もあるが、言われるだけの理由のあることも事実である。日本人に全く創造性が無いわけではない。創造的な発明発見があっても、それを育てる土壌が豊かでなかったのである。創造的な技術開発に全国民的に取り組まなくてはならない。

 (2) 研究開発投資の飛躍的な増加を図ることが大事である 

日本は景気を刺激するために直ぐ公共投資をするが、何とかの一つ覚えもいい加減にしろと言いたい。鉄道や道路に投資するより、インターネットを普及させて低料金にするとか、情報ハイウエイを建設するとか、もっと大学の実験設備を最先端のものにするとか、国家的な研究プロジェクトを組むとかもっと工夫があってしかるべきだと思う。将来的にはGNPの3%くらいは開発投資にまわすべきだと思う。

(3) 民間ではやれない研究は国家のプロジェクトで推進する 

現実的には既に多くプロジェクトが進行している。宇宙開発や原子力開発、ヒトゲノーム解読等、枚挙に暇がないほどである。しかし問題はチャレンジ精神に欠けた官僚的体質である。最近、宇宙開発事業団がH−2型ロケットの打ち上げに失敗して、尾羽うち枯らしているが、如何なる開発も100%成功を保証されてはいない。 失敗はつきものである。原因をよく見極めて次の失敗をしないようにすればよいのである。

 (4) 国際協力による研究開発を促進する

これも何も新しいことではなく、始められてから既に久しい。最近の研究プロジェクトは一国だけでは負担できないものが増えている。宇宙基地等がその代表的なものである。技術開発は国益が絡むので競争的側面が多いが、同じに、協力しなければ負担が大きくなる。日本も一面協力、一面競争で積極的に国際協力に参加すべきだと思う。

 (5) 大学を知的想像の中心として世界レベルに引き上げる 

日本の大学のレベルは世界的にみて高く評価されていない。研究者の質やレベル、研究施設、世界的権威の不在等色々な課題が多い。これらの改善には時間が必要だが、大胆な抜本的改革が必要である。

 (6) 各分野に世界的権威者を育成する 

日本にはある分野における世界的権威者という人が少ない。欧米特に米国の大学特定分野の世界的権威者が多い。これが世界の研究者を米国に惹きつける最大の理由である。日本もこの様な世界的権威者を多く育成しなければならない。日本にノーベル賞受賞者が少ないのも同じ原因によるものである。

 (7) 創造的研究に対する評価と知的所有権を確立する 

日本では創造的研究に対する評価制度が確立されていない。また知的所有権に関する観念も成熟していない。このような環境のなかでは、優秀な研究者は育ち難い。青色レーザーを世界で始めて開発した徳島の日亜工業の中村博士は、日本を捨ててもっと自由なアメリカの大学に行ってしまった。一事が万事である。これでは日本に一流の科学者は育たない。大学の改革は焦眉の急である。

(8) 各大学と防衛庁との研究交流を推進する

   現在では大学における防衛研究は殆ど行われていない。アメリカでは国防総省の研究開発を大学や民間の研究機関に膨大な予算を配分して行っている。これが大学の研究推進を高める大きな要因になっている。アメリカのMITは国防研究において全米トップの産にある。これは各国どこでも行っていることであり、日本だけが取り残される愚を冒してはならない。

  (9) ベンチャービジネスの創出と育成

大学を中心としてベンチャービジネスのスピンアウトを計る。日本ではベンチャーに対する理解が低く、銀行でも資金を貸さない。日本の銀行は安全な企業だけにしか融資しない。ベンチャーとは冒険ということであるからリスクがあって当たり前である。大学も積極的に知的創造に参加することが必要である。

  (12) 途上国への技術移転の推進を図る

科学技術における『持てる国』と『持たざる国』との格差は拡大する一方である。これが貧困の格差を生む原因である。理想世界の実現のためには、科学と技術の平準化に努めることが不可欠であり、これは先進国としての日本の重大な使命である。そのために途上国からの留学生や研究者の受け入れ枠を拡大しなければならない。

 (13) 研究者の育成と社会的地位の向上を目指す

   日本は将来的にみて、少子高齢化により理科系学生の減少方向にあることは目に見えている。特に若年層において理科系志望者の減少は、技術立国の方針に鑑み憂慮されるところである。将来予想される研究者の減少に備えて研究者の育成プログラムは早急に着手しなければならない。更には技術者研究者の社会的地位が向上しなければならない。従来日本では技術者は管理職につかなければ社会的地位も認められず給与も増えないという傾向があった。今日ノーベル科学賞をを受賞した田中幸一氏が島津製作所内で管理食で無い研究専門の最高職であるフェローに任命されたがこれは一つの良い刺激を特に企業に従事している研究者に与えることになって非常に良かったと思う。研究者の育成と同時にその社会的地位の向上に国をあげて取り組む必要があると考える。 

) 豊かな文化芸術の創作による精神の高揚を図る

文化・芸術も重要な国力の一つである。文化は人間精神を豊かにし、潤いを与え次ぎなる創造を生み出す力の源泉である。文化・芸術を疎かにする国家は永続できない。歴史上の偉大な国家は素晴らしい文化や芸術を残している。ギリシャ、ローマ、ルネッサンス期のイタリア、近世の西欧等枚挙に暇がない。

(1) 日本文化の世界化を図る 

文化は本来、民族に固有なものが多く、他の国に移転が難しい場合が多い。しかし、人間精神の感情は世界共通であるので、言語を超えて感動を呼び起こすことが可能である。音楽や絵画、小説、演劇が世界の人々に国境を超えて影響を与えている。モーツアルト、ベートベン、シェクスピア、ミケランジェロ、ダビンチなど私が語る必要もない。日本から世界に残るべき文化や芸術は出ていない。せいぜいカラオケ、ニンテンドー、アニメ等である。しかし、歌舞伎、浮世絵、茶道、華道、陶器等いろんなものがある。これらを世界的価値に高めるのは現代に生きる日本人の課題であろう。

 (2) 文化を国力の一部と認識して予算を投与する 

日本の文化の予算は米国は当然のこと英国、仏、独、に比しても少な過ぎる。経済大国でありながら、お金がないというわけでもないのに、要するに文化等は票にならないのであろう。しかし、音楽、絵画、映画、演劇、創作、デザインあらゆる分野において日本人は秀でた実績を上げている。若い文化芸術方面の学生達に積極支援すべきである。


(3)先端技術と芸術の結合に注力する

文化芸術にもっと先端技術を融合させ新しい分野を開発する。米国でコンピュータグラフィックを使用してセットなしで映画を作成したりしているように最先端の技術と結合することによって独自の分野を切り開くように努める。

(4) 工業デザインの振興を図る 

日本の工業製品の品質は優秀であるが、デザインにもう一工夫が必要に見受けられる。欧米の自動車を見ていると品質は日本より優れているとはいえないが、そのデザインと色がなんともいえない美しさを持っている。特にフランス、イタリア、ドイツ等の車のデザインと色は素晴らしい。日本はもっとデザイン研究に活力しないといけないと思う。

(5) 日本文化と日本語の世界への普及に努める 

日本人は外国語の習得に努力する必要があるが、同時に日本語と日本文化の世界への普及に努力する必要がある。そのためドイツのゲーテ・インスティテュート、英国のブリティッシュ・カウンセルのような普及機関を全世界に配置する必要がある。更には世界の人に日本文化に接する機会を持ってもらうようにする。

(6) ラジオ、TVの海外放送の拡大強化を図る 

CNNやBBCのTVは全世界どこでも視聴できる。ヨーロッパが東西に分かれていた当時、東欧の多くの国民がBBCやVOAのラジオ放送によって世界の情報を知り勇気づけられていたと言う話を聞いたことがある。日本は豊かな貿易黒字を使ってNHKによるラジオ、TVの海外放送を拡大し世界に対する情報の発信地になるべきである。


(7) 近隣諸国の言語の普及に努力する
 

従来は日本の必要上、英、独、仏語の学習が中心であらざるを得なかった。しかしこれからは、近隣友好のみならず、通称・学術上も、韓国語、中国語、ロシア語を学ぶ必要が増加していくでだろう。そのような時代を先取りして中学くらいからこれらの言語の教育を始めたら如何であろうか。そして、大学の入試にも組み入れることを提案したい。

  (8) 文化芸術の経済性を高める

    いくら文化芸術を高めるといっても文化芸術に携わる人達がそれで生活できない場合は永続しないし発展しない。文化芸術を創作品が高い市場性と流通性を持つように企画し、文化芸術に携わる人々が豊かに生活できるような配慮をしなければならない。更には文化芸術が世界のマーケットに輸出される競争力を持つようにしなければならない。

)  その他の分野における課題

(1) 教育の抜本的改革を図る 

    今日の教育基本法に一番かけている点は、人間の精神面の教育である。教育の基本は従来知育徳育体育にあるといわれて来たが、現在の教育は知育に偏重し、体育が無視されている。バランスの取れた人格形成を目指した教育基本法の改正が望まれる。

  (2) 教育全般に宗教道徳教育を導入する

現行憲法下においては公教育の中で宗教教育は排除されているが、各宗教を公平に教育する機会を与えどのように受け入れるかは学生に任せるべきである。宗教を排除したことにより、子供の心は荒廃しいじめや暴力、不純行為を生じせしめている。公教育における宗教の動員は絶対に必要である。

  (3) 家庭倫理の確立と青少年の純潔教育を推進する

如何に国家が強大で繁栄していても、家庭倫理が崩壊し、青少年が純潔を守らず淫乱が横行すれば、間違いなく国家も崩壊に赴くことは必定である。欧米諸国の場合、キリスト教という一つの歯止めがあるが、日本は宗教があっても実生活にほとんど影響はなく、際限なく崩壊に傾くのである。最近の日本の少年達による凶悪犯罪は、これを如実に示している。これを解決するためには、家庭、学校、社会において天倫道徳の徹底教育が必要である。

  (4) 偏向マスコミに強力な規制を

    今日の日本社会の崩壊の原因を作っているのは偏向マスコミである。彼等の責任は重大であり、その罪万死に値するが誰もこれをコントロールするものがいない。彼等はいいたい放題、やりたい放題無責任極まりないが規制する方法がない。しかし、良識ある国民による偏向マスコミの監視と、彼等の規制を法制化し、問題ある場合発行禁止、放映禁止、又場合によっては閉鎖等の強い措置をとる必要がある。

  (5) 偏向司法の是正の必要性

    偏向マスコミと並んで問題なのは裁判の偏向である。司法の独立性の建前上、公権力でこれを是正することは難しいが、司法も国民のために存在するのであるから、国益を害する偏向裁判には強力な対処する方法を考えるべきである。 

  (6) 国力の基本たる大学教育の改革

    日本の大学で世界のトップ100にはいるのは存在しないといわれている。日本の最高峰と目される東京大学でさえ世界のトップ100には入っていない。大学の改革こそ日本の国力強化の中心である。その改革の為には、米国のように徹底的に実力主義を採用し、年齢、経歴に関係なく企業経営と同じく実績実力主義の導入を図る必要がある。従来のように年功序列と終身雇用制の上にあぐらをかいているボス教授たちは反対するだろうが、彼らこそ大学のガンである。又大学間の競争と統合をもっと自由化し実績のない大学は倒産させて淘汰を図るべきである。

  (7) 官僚に対する統制の強化を

    今日の日本の荒廃を招いた原因の一つは官僚の跳梁跋扈である。日本の官僚は優秀であるという一般的風評があるが、それは正しくない。官僚は国家の主人ではなく、国民の公僕である。使用人であるものが何時の間にか主人に成りすまして国民をアゴで使っている。それを許した国民にも責任がある。公務員はすべからく国民の使用人である。本来は国民から選挙された議員達が彼らを国民に代わって働かせるべきであるが、政治家も不勉強で役人に頭が上がらないので、結果は役人に任せきりになり、彼等は国民を自分達の配下のように扱っている。官僚の人事権は官僚に持たせるのではなく、国民から選挙された政治家に付託されなければならない。現在は、公務員の中立性という建前によって政治家が人事に介入しないのを良いことに国民を見下してやりたい放題をやっている。これに対し、正義の鉄槌を加え、法的規制を強化しなければならない。

 (8) 外国人労働者の移民受け入れを図る

    日本は少子高齢化により若年労働者は減少している。近い将来労働力不足をかこつことになろう。それを考えれば、外国人労働者の受け入れは必然のこととなろう。勿論いろんな国から移民労働者が増えて日本人との軋轢が増大し社会不安や犯罪が増えることは許容できない。既にヨーロッパの英国、フランス、ドイツでは数百万の外国人労働者がいて問題を起こしている。日本でも100万人の中国労働者が流入すれば社会不安や犯罪の増加は避けられまい。しかし、条件を厳しくし留学生や技術者等は、日本の国富形成に寄与できるのであれば歓迎すべきである。いずれにしても、日本は従来からの単一民族文化から多様な文化を受容できる国家にならないと世界を先導することなどどだい無理な話であろう。

(9) 世界の人々が住みたい国にする 

世界中の人達に 「どの国に住みたいか?」 と尋ねてみるとき、「日本に住みたい」と答える人がどれくらいいるだろうか。あまり多くはないと思う。多分、米国、カナダ、オーストラリア、西欧諸国が該当する国となろう。これは生活水準だけの問題でなく心の問題であろう。お金があっても心が貧しければ人は寄って来ない。 人が集まって来ない所は発展しない。アメリカが発展を続ける原因は、世界の人を惹きつける魅力があるということである。日本にはこれが欠けているのである。 如何すべきか、我々の宿題である。

(10) 海外青年協力隊を拡充する 

日本には兵役がないので、その代わり、同年代の青年に、兵役に行くつもりで、海外にボランティア活動を行うことを提案したい。基本的には給与はなく、生活費と渡航費は政府が支給する。派遣前には教育期間を設けて厳しく訓錬する必要がある。年間10万人を世界185ヶ国に派遣すれば、かなりの影響を世界に与えることになろう。

(11) シルバー人材の海外派遣を拡充する 

これから日本では定年退職したシルバー世代の人が急増するが、彼等の多くは未だ健康で働く意欲もあり、技術を身につけている人が多い。彼等の中で希望する人達を彼等の技術や経験を必要としている途上国に派遣する制度をもっと拡充すべきだと思う。基本的にはボランティアであるが(彼等の大半は年金生活者であると思うので)日本で生活するより購買力が大きくなると思う。医療面の配慮があればかなり実現性があると思う。

(12) 留学生10万人の早期達成を図る 

かつてこの中曽根内閣の決定は、まだ達成されていない。2000年までに10万人が現在のところ半分の5万人にしかなっていない。留学生の招請は日本が成し得る世界貢献の一つである。少なくとも30万人ぐらいは招請すべきだと思う。日本は少子化で大学生が減少しつつあるので、その分、外国人留学生を迎えることが可能になると思う。世界の若者を日本に迎えて温かく教育するのが、母性国家日本の使命ではないだろうか。

 (13) 人口増加のための政策を推進する

   日本の少子高齢化はもはや既定の趨勢であり、此れを変えることは難しいとは思えるが、ここで諦めてはいけない。人口は国力の重要な要素であり、人口の減少は国力の衰退に直接関連している。ここで日本としては、人口増加の為の積極的政策を取るべきであると思う。かってフランスは、第二次大戦後人口が減少に転じ将来が憂慮されたが、積極的な人口増加政策をとり、それに成功している。

日本もそれに倣って人口の増加政策を打ち出すべきであると思う。例えば、生まれた子供一人につき一定の年齢に達するまで金銭の援助を行うとか、結婚した若い夫婦に住宅を支援するとか、或いは減税そちをとるとかいろんな政策が考えられる。

 (14) 社会福祉政策を見直しと社会の健全化をはかる

現在の社会福祉政策は、あまりにも弱者過保護に走りすぎているように見える。弱者保護は必要なことであるが、もつと必要なことは、社会的な落ちこぼれを出さない社会を建設することに努力を傾注することである。勿論どんなに努力しても必ず落ちこぼれはでるものである。それはそれでやむを得ないことであり、最大限の社会保証をすなければならない。しかし、原則として自助努力を重んじる社会にしなければならない。全てを国や公共団体に頼る思考方式からの転換が必要である。

 (15) 医療保険政策の抜本的改革をはかる

現在の医療保険制度は殆ど破綻にひんしている・理由は簡単である。医療保険の収入より、支出の方が大きいからである。これから少子高齢化が進めば進むほど医療保険収支の逆調化は激化する事は必定である。そうなれば医療保険の破綻は時間の問題である。医療保険は国民の福祉と安寧のためには絶対必要である事は云うまでもないことである。しかし問題はその基本的発想の転換が必要だということである。国民が病気に罹らないように健康の増進のほうにもっと努力をするべきである.そのためには国民がもつと気軽にスポーツに親しめるような施設をつくるとか,もっとお金をかけないでスポーツをやれるような政策を行うべきである。更に必要なのは体の健康よりも心の健康である。なによりも心身一体の健康が必要である。そのためには人生の目的が明確でなければならない。今の日本には人生の目的を明確にできるような教育がなされていない.人生の目的を教えるのは学校よりむしろ宗教の使命であると思うが、日本では宗教がその使命を果たしていないのがもんだいである。

(16) 宗教間の協力と社会的使命の達成

宗教の本来の使命は,人間の救いと社会や国家の救済である.救いとか救済とは何を意味するのであろうか。それは,個人や全体の抱えている問題を解決すると言うことを意味する。しかし今日の日本の宗教は残念ながらその使命を果たしているとは言い難い.宗教にもいろいろあるが、殆どの宗教は近代科学が高度に発達した現代社会の諸問題を解決できる力を持っていない。なぜ若者達が宗教から離れてゆくかその理由は,彼らの問いに答える事ができないでいるからである.その問題を解決する一つの道はいろんな宗教が小異を捨てて大同に付き協力しながら現代の諸問題の解決の為協力することが必要ではないかと考える。基本的には宗教は,自己の信じるところを絶対視するので諸宗教が一致することは困難であることは理解できるが、どの宗教も善を勧め悪を退けると言う点では共通しているはずである。

社会を正しく導くと言う使命はあるはずであるが、現状ではそれが果たされていないことは否定できない.本来の使命達成のため協力すべきである。

(17) 悪平等の排除と英才教育の推進

現在の日本の教育においては,皆が平等でなければならないという脅迫観念にとらわれている.優秀な子供を特別に教育したりすることは,差別であり、出来ない子供に寂しい思いを抱かせるので悪であると言う幼稚に価値観に基ずいている。これは日教組の左翼的な人道主義の価値観に根ざすものである。だから日本では英才教育というものが成されていない。 人間には能力の差があることは当然の理である.能力がある子供は最大限にそれを引き出してやることこそ社会に貢献することである。それを伸ばさせずに、能力の低い子供に合わせて才能を殺すことこそ国と社会に対する大きな損失である.世界の先進国では何処でも英才教育は当然のこととして行なわれている.このまま行けば、日本は凡才だけの国になり世界の競争場裏から排除されて没落の悲哀を見ることは火を見るより明らかである.無定見な左翼の唯物論に基ずいた、悪平等主義に根ざした教育論に呪縛されて,英才教育を怠れば、日本は亡国の憂き目をみることになる.諸悪の根源である左翼唯物思想の価値観を早期に根絶しなければならない。

(18) 浅薄なヒューマニズムを排除し天の思想を確立しょう

日本の戦後の価値観の中心をなす物は,人道主義であり、ヒューマニズムである。人間を唯一最高のものとする思想は,万民に受け入れられ易いが,しかしこの世界には明らかに人間以上の存在を否定することは出来ない.古来天とか神とか呼ばれてきた存在がそれである.人類はその始めから宗教を持ってきた.今日の世界でも、宗教を信じている人の方が、信じていない人の数より遥かに多い.世界の先進地域である欧米諸国は,殆どキリスト教文明に依って成り立っている.日本は多宗教の国であるが、残念ながら現実の生活に根ざしていない。実体は無宗教に等しい。

特に戦後は、無宗教化が進み,その代わりニヒューマニズムが価値観の中心を占めるようになっている。日本の首相が「人命は地球より重い」という名句を残して,ハイジャック犯人の言うとおりに大金まで与えて逃がしてやったのもこういう誤った価値観に基ずいたものである。ハイジヤック犯人に殺された被害者の生命は地球より重くなかったのかということになる。かかる軽佻浮薄なるヒューマニズムが日本を死に導く「ガン」であることに気が付かなければ,日本は座して死を待つことになろう。

「ガン」克服の最良の方法は早期発見早期治療以外にない.日本再生の根本方針は,浅薄なヒューマニズムを克服して神中心の思想を早く確立する以外にはない。

おわりに

 この提案を書き終わってみて、一国の行くべき方向を示すなどということが、如何に大それたことかと言うことがわかって後悔した。私は日本全体のことなど何一つ把握していないことを痛感した。

しかし既にサイは投げられたのである。私はルビコン川を渡るしかないのである。それは私が決意したことをやり遂げるしかないという事である。

これは序文にも書いてあるように、体系的にまとめられたものではない。個人には個人の限界があり、全知全能でない限り必ず何かが欠けているものである。

私には政治、経済、外交等の基本的知識が欠けているので、日頃から日本がこうあって欲しいと願う観点のみを取り上げたので、むしろいろんな方からのご批判やご意見または、ご教示を賜りたいと願っている。

私はこれを完成したものとは考えておらずこれを叩き台にして色々な方の知識と経験を集めて実行可能なものにしたいと考えているので宜しくお願いいたします。

特に小泉首相にお願いしたいことは、この提案のなかから、小泉内閣の課題である構造改革を早く全うして、もっと大所高所に立って、国家百年の計の策定に努力して欲しいということである。そうすれば小泉首相として歴史に残ることになろう。小泉首相は自民党内に国家戦略本部を設けた本人である。国家戦略の策定こそが日本を救う焦眉の急である。我々の提案を是非参考にして欲しいものである。ここに掲げた殆どのことは、既に誰かが、何処かで述べている事が多いと思いますが、しかしまた新しい観点もあると自負していますので、その点をご理解して頂ければ幸いです。

2003年1月13日           日本国家戦略研究所所長  阿部 正寿