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2004.4.30(金)更新
【東京シネマのぞき見隊】(20)
ピンク映画界のアカデミー賞ともいうべき<ピンク大賞>に潜入
エロだけじゃないピンク映画の“底力”を体感レポート!
【東京シネマのぞき見隊】(20)ピンク映画界のアカデミー賞ともいうべき<ピンク大賞>に潜入エロだけじゃないピンク映画の“底力”を体感レポート!
毎年<ピンク大賞>開催に合わせて発行される“PG”ベストテン号(写真は作品賞第1位『猥褻ネット集団 いかせて!!』)。創刊10年目を迎える“PG”は、インタビュー記事も盛り込んだ、ピンク映画の今が分かる情報誌だ(“PG”ホームページからも購入可能)。同誌の林田義行編集長に、2003年のピンク映画について話を聞くと「国沢実監督を始めとするオーピー(大蔵)映画の中堅どころや、城定秀夫監督や森山茂雄監督といった若手の活躍が目立ちましたね。あと個人的には、作品賞第1位作品と第6位の『美乳暴行 ひわいな裸身』も大きな収穫でした」
【東京シネマのぞき見隊】(20)ピンク映画界のアカデミー賞ともいうべき<ピンク大賞>に潜入エロだけじゃないピンク映画の“底力”を体感レポート!
どーです!この盛況振り!!! 開場直後のロビーを激写したのだが、溢れんばかりの人・人・人…。またイベント中は人気俳優らが劇場内をウロウロしているのも、同祭の特徴。「さっきまでスクリーンにいた人が、今、自分の隣りにッ!」なんてこともしばしばで、実に気軽に握手やサインなどにも応じてくれるのだ
【東京シネマのぞき見隊】(20)ピンク映画界のアカデミー賞ともいうべき<ピンク大賞>に潜入エロだけじゃないピンク映画の“底力”を体感レポート!
新人女優賞を獲得した美しき女優たち(写真左より、麻白、三上翔子、山口玲子)。毎年、表彰式には、シャツにGパンなどラフな服装で訪れるゲストが多いが、鮮やかなピンクのドレスやシックな黒のドレスを身に纏った彼女たちの登場で、壇上はさすがに華やかな雰囲気に。その年にデビューした初々しい新人女優たちの登場は、まさに同祭の目玉というだけあって、客席のあちこちからフラッシュがたかれ、一気に場内の雰囲気がヒートアップ!
【東京シネマのぞき見隊】(20)ピンク映画界のアカデミー賞ともいうべき<ピンク大賞>に潜入エロだけじゃないピンク映画の“底力”を体感レポート!
「味見したい人妻たち」の城定(秀夫)組と「悩殺天使 吸い尽くして」の国沢(実)組の面々。国沢組に助監督として参加したこともあるという城定監督だが、デビュー作にして「味見したい人妻たち」の完成度の高さにはビックリ! “PG”の林田編集長も今後気になるひとりという注目株だ。(実をいえば今回上映された5作品のうち、筆者が一番面白いと感じた作品です。ああ、ソフト化されないかなぁ…)
【東京シネマのぞき見隊】(20)ピンク映画界のアカデミー賞ともいうべき<ピンク大賞>に潜入エロだけじゃないピンク映画の“底力”を体感レポート!
表彰式終了直後の橘瑠璃をキャッチ! 2002年度の新人女優賞に続き、今回、女優賞を獲得した今もっとも旬な注目女優だ(22歳!)。八頭身かつ、“ボン・キュッ・ボン”のダイナマイトボディの持ち主である彼女は、主に「悩殺天使 吸い尽くして」の国沢(実)組のレギュラー的存在だが、同作では生傷の絶えないハードなアクションも披露している。「ちょっと有り得ないハチャメチャさを楽しんで下さい」とは彼女の弁
●ピンク映画 5月イベント一覧●
■<池島ゆたか ワンダーランド>
日時:5/1(土)・5/4(火)各日23:30開映
上映作品:「不倫妻の淫らな午後」「OL性告白 燃えつきた情事」他2本(5/1)/「美人秘書 パンストを剥ぐ!」「猥褻ストーカー 暗闇で抱いて!」他2本(5/4)
料金:1800円均一
会場:中野武蔵野ホール
◎オススメポイント◎エンターテインメントの王道をゆくベテラン、池島ゆたか監督作を各日4本ずつ上映。シャーリーズ・セロン主演の「スウィート・ノベンバー」('01)を彷彿とさせるラブストーリー「OL性告白〜」や、清楚なビジュアルで女性にも人気の高い葉月蛍主演の「猥褻ストーカー〜」など必見作ぞろい。当日は監督他、出演者も多数来場予定!
■<ピンクのダイヤを採掘せよ! vol.3
       SHOCKING PINK NIGHT>

日程:5/21(金)〜5/23(日)
上映作品:「OL日記 あえぐ牝穴」(監督:森山茂雄)、「悩殺天使 吸い尽くして」(監督:国沢実)、「発情娘 糸ひき生下着」(監督:吉行由実)
料金:1500円(1ドリンク付)
会場:シネマバー“ザ・グリソムギャング”(読売ランド前駅)
◎オススメポイント◎2002年にデビューしたばかりの注目株・森山茂雄監督や、女性監督ならではのソフトな恋愛ものがウリの吉行由実監督らの作品を上映。林由美香、橘瑠璃、佐々木日記といった今をときめく人気女優と監督を招いたトークもあり。またフードとドリンクが全品350円というバーと一体型のオシャレな会場も入り易い雰囲気だ。
■<NIPPON EROTICS DV-THEATER 2003
        PINK FILM ARCHIVES>

日時:5/24(月)〜27(木)連日19:00開映
上映作品:「隣のお姉さん 小股の斬れ味」他1本(5/24)/「変態熟女 発情ぬめり」他1本(5/25)/「悩殺天使 吸い尽くして」他1本(5/26)/「猥褻ネット集団 いかせて!!」他1本(5/27)
料金:1200円均一(1ドリンク付)
会場:アップリンク・ファクトリー(渋谷)
◎オススメポイント◎バーカウンターやソファなどを配した会場の居心地の良さもさることながら、連夜テーマ別に行なわれるトークに要注目だ。トークショー:切通理作(文化批評)他(5/24)/柳下毅一郎(特殊翻訳家)他(5/25)/国沢実(監督)他(5/26)/中野貴雄(監督)他(5/27)
>> ピンク映画専門誌「PG」公式サイト
>> 中野武蔵野ホール
>> アップリンク・ファクトリー
>> シネマバー“ザ・グリソムギャング”
>> Movie Walkerレポート(4/1更新分)
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ピンクファン待望の一夜…
狂喜乱舞(?)のピンク映画の祭典に潜入!!


 毎年4月に開催されるピンク映画の祭典<ピンク大賞>が、2004年度も新文芸坐(池袋)にて4/17に行なわれた。今回で16回目を数える同祭は、壇上に上りきらないほど大勢のゲストを迎える表彰式や、その年を代表する傑作ピンク5本が一挙に堪能できるとあって、毎年“春祭り”のごとき盛り上がりを見せる満員御礼必至の大好評イベントだ。
 前年度の<ピンク大賞>を席巻した「美女濡れ酒場」のDVD発売記念イベントにも潜入したシネマのぞき見隊(Movie Walkerレポート4/1更新分)だが、その会場となったアップリンク・ファクトリー(渋谷)しかり、私のような女性にとっては、一般の劇場のようにリラックスして映画に没頭できる空間というのは、ピンク映画を鑑賞するうえで欠かせないポイントだ。ましてや<ピンク大賞>は、成人映画館になかなか足を踏み入れられない“にわかファン”にとって、その年のピンク映画が総括できる、またとない機会。私自身も第13回より毎年欠かさずに行っているのだが、実のところ、私のまわりの女性陣や同僚たちの間では、毎年前売券が発売される3月の時点で「ねぇ今年も“アレ”行くでしょ?」という会話が囁かれだすほど、ピンクファンの間では認知度の高〜いイベントなのだ。当日は夜10時半に始まり翌朝6時までぶっ通しの長丁場…、前夜はたっぷり睡眠を取って、待ちに待った<ピンク大賞>にいざ行かん!
同祭最大の目玉“表彰式”に
何と30数名のゲストが登壇!


 第15回という節目の年だった前回の<ピンク大賞>は、立ち見も出たほどの盛況ぶりだったが今年はと言えば…、昨年の動員を上回る大盛況!(来場者が場内に入りきらず、後方の扉から溢れ出てしまったほど) 改めて<ピンク大賞>の認知度の高さに、シネマのぞき見隊一同、感心してしまった。ちなみに同賞は、ピンク映画専門誌“PG”の読者がみずから投票し選出する映画賞で、作品部門(ベストテン)、女優賞、男優賞、監督賞、脚本賞…と全9部門に分かれている。表彰式はまずデビューしたばかりの新人女優賞4名(まいまちこ、麻白、三上翔子、山口玲子※左の写真参照、まいまちこのみ欠席)の受賞からスタートされた。ピンク女優にはアダルトビデオ(=AV)界出身の人も少なくないと聞くが、三上翔子と山口玲子の2人は、AV界では100本以上ものキャリアを持つ人気女優として知られている。そんな彼女たちをしても、受賞の感想を尋ねられると「映画として求められる演技が多くて…、やっぱり難しかったですね」という本音がポロリ。ピンク映画とAVが“別物”とは認識していたが、両方の現場を体験した彼女たちの言葉に、「現場の雰囲気も違うんだ」と妙に納得してしまった。娯楽としてのポルノ的な描写はキッチリ押さえつつも、35mmフィルムならではの表現にこだわり、映画としての完成度を目指す、ピンク映画のプロ根性を感じるじゃありませんか!
SFあり、禁断の愛憎劇あり…
2003年を騒がせたピンク映画はコレ!


 続いて男優賞(本多菊次朗、白土勝功)、女優賞(佐々木基子、酒井あずさ、橘瑠璃)の受賞へと進行。そのひとりひとりに、協賛の富士フィルムよりデジタルカメラと賞状が司会者より手渡されていく。そして中盤を過ぎた頃、作品賞第3位の「味見したい人妻たち」(城定秀夫監督)と第4位の「悩殺天使 吸い尽くして」(国沢実監督)の関係者一同が登壇した。今回監督賞も獲得した国沢実監督の「悩殺天使 吸い尽くして」は、性(?)超能力者たちのバトルを描いた破天荒なSF。コメディではないのだろうが、セックスによって人類を破滅させたり覚醒させたり…と、ハチャメチャな対決シーンには思わず吹き出してしまう娯楽アクションだ。また「味見したい人妻たち」は、城定秀夫監督のデビュー作ながら、新人監督賞をも受賞したという注目作。元教師の新妻とかつての教え子との禁断の関係を描いた“ありがち”な題材なのだが、貞淑な妻を装う一方で、心惹かれる教え子に対してサディスティックに振る舞ってしまう…、そんなアンバランスな新妻の心情を表す演出がとにかく秀逸! そして表彰式のトリには、栄えある作品賞第1位に輝いた「猥褻ネット集団 いかせて!!」の上野(俊哉)組が登場。“集団自殺”という現代社会の闇を描きつつ、絶望した人間の心の再生を丁寧に綴った同作は、“PG”の林田義行編集長も「2003年度一番の収穫」と賞賛する秀作だ。その林田編集長が、最後を締めくくるべく壇上で挨拶すると、飛び入りゲストの乱入により(?)30分以上もオーバーした表彰式が盛況のうちに終了した。
若い女性ファンの本音とは…
来場者に“ピンク映画”について聞く


 昨年同様、女性客の多いことにもびっくりしたが、20代半ばの女の子の姿も存外目立った今回の<ピンク大賞>。彼女たちは友達と連れ立って複数で来ているケースがほとんどだったが、来場の理由を聞いてみると「日活ロマンポルノとかピンク映画に詳しい友達に勧められて…」といった子や、「『盲獣VS一寸法師』を観に行った時に、渋谷シネ・ラ・セットに置かれていたチラシで知って、ちょっと興味本位で来ちゃいました…」と笑いながら話す“ピンク映画初体験”の女の子たちも。そんな彼女たちの率直な感想を聞いてみると、「絡みのシーンは正直キツかったけど(笑)、思ったよりも映画として楽しめたし、女教師と教え子が登場する『味見したい人妻たち』が一番面白かった」となかなか好感触! また「ピンク映画のイベントがあったらどうしますか?」という我々シネマのぞき見隊の質問に、「また来たい!」という嬉しい答えを残してくれた(ただ、少し恥ずかしげに感想を語ってくれた彼女たちは、我々の写真撮影を頑なに拒んで立ち去ってしまったが…)。
 伝説の名画座“亀有名画座”や新宿のイベントスペース“ロフトプラスワン”で回を重ね、新文芸坐に会場を移して4回目となる今回の<ピンク大賞>だが、PGの林田編集長によれば、毎年尻上がりに来場者数を増やしているという。ただこの“新文芸坐”という場だから来る人、この場以外でも観に来る人のふた通りのファンがいるだろう(成人映画館に行けない私も間違いなく前者だ)。しかし、興味本位でイベントに来る“にわかファン”しかり、ピンク映画の灯を守るべく成人映画館にも足繁く通う“コアなファン”しかり、今回の盛況ぶりと上映作品の完成度の高さには、満足したのではないだろうか。筆者自身も、「味見したい人妻たち」と「猥褻ネット集団 いかせて!!」を見て、正直心が離れ気味だったピンク映画が再び気になりだしてしまった…。思えば、神代辰巳監督の傑作と誉れ高い日活ロマンポルノ「赫い髪の女」('79)に感激して以来、“性”映画の魅力にはまっていった私。当たり外れが多いのは確かだが、時にはメジャー会社“日活”ロマンポルノをも凌駕するリアリズムを、ピンク映画に感じることもあった。見続けてさえいれば、何か思わぬ一作に出会える…そんな底なしの魅力がピンク映画にはあるのだ。とりあえずセックスシーンばかりが延々続く底の浅いポルノと思い込んでいる人は、左記の成人映画館以外でのイベントでまず試してみてはいかがだろうか。
取材・文/戸田美穂(ワークス・エム・ブロス)

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