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A組
日本 日本
前回のWBC成績:優勝(5勝3敗)代表監督:原辰徳

 大会の初代王者として連覇に挑む日本代表。今回、原辰徳監督が率いる「侍ジャパン」として生まれ変わったチームは、前回優勝の立役者であるイチロー(マリナーズ)や松坂大輔(レッドソックス)らに加え、ダルビッシュ有(日本ハム)、涌井秀章(西武)といった若い力も結集し、さらなる進化を遂げている。

 先発投手陣はまず、松坂とダルビッシュが2枚看板。松坂とともに現役メジャーとして期待されていた黒田博樹(ドジャース)こそ辞退したが、今回は捕手に城島健司(マリナーズ)がいるのは大きい。ダルビッシュも含め、涌井や昨季21勝の岩隈久志(楽天)ら前回大会を経験していない面々にとっては、特にメジャーリーガーとの対戦が増える第2ラウンド以降、心強い限りだろう。一方でメジャーの打者を知る抑え候補、斎藤隆(レッドソックス)の辞退は痛手。藤川球児(阪神)の奮闘が求められそうだ。

 野手陣は前回大会を経験しているメンバーが多く、主力の顔ぶれは変わらない。イチロー、川崎宗則(ソフトバンク)らを中心とする走ってつなぐ「スモールボール」に、松中信彦(ソフトバンク)や村田修一(横浜)といったスラッガーの長打力が融合する打線は今回も健在。さらに、メジャーリーガーとして経験を積んだ岩村明憲(レイズ)、福留孝介(カブス)の2人にも期待が集まるが、前回王者として他国からのマークが厳しくなるのは覚悟しなければならないだろう。
韓国(KOREA) 韓国
前回のWBC成績:準決勝敗退(6勝1敗) 監督:金寅植

 前回のWBCでは、1次リーグと2次リーグでともに日本を撃破。無敗で準決勝まで勝ち上がったものの、準決勝で3度目の対戦となった日本に敗れて初代王者を逃した。しかし対戦成績では2勝1敗で、北京五輪でも準決勝で日本を下すなど、その実力は日本にも引けを取らない。

 ただし、今回は第1回WBCや五輪と違い、優勝しても兵役免除の特権は与えられないことが決定済み。これまでは特権取得済みのベテランが「若手にも恩恵を」とチームをけん引し、若手も自分やチームのために死力を尽くしてきただけに、選手のモチベーションが低下する可能性は否定できない。また、この決定が影響したかどうかは分からないが、現役メジャーリーガーの参加はわずか1人と、前回よりもスケールダウンしている。

 その唯一のメジャーリーガーであるチュ・シンス(インディアンス)が打線の鍵か。キム・ドンジュ(斗山)が1次登録から外れ、大砲イ・スンヨプ(巨人)も辞退の意向を示しているだけに、機動力としぶとさで得点チャンスを生かす攻撃が必要になる。投手陣ではキム・グァンヒョン(SK)、リュ・ヒョンジン(ハンファ)の両若手左腕ら北京五輪の金メダル組が中心。投打ともに世代交代の感が強いメンバーとなっている。
台湾(CHINESE Taipei) 台湾
前回のWBC成績:1次リーグ敗退(1勝2敗) 監督:葉志仙

 第1回WBCは1次リーグ敗退だったものの、韓国とは0対2の競り合いを展開するなど、随所で善戦を見せた台湾。今回は、日本と韓国の2強のうち一角を崩しての第2ラウンド進出を目指す。

 とはいえ、前回に続いて実績抜群のメジャーリーガー、ワン・チェンミン(ヤンキース)は不参加。打線も代表常連だった大砲のチェン・チンフェン(ラニュー)を欠き、スケールダウンは否めない。10人近くが1次選考メンバーに名を連ねた若手マイナーリーガーや、リン・ウェイツゥ(阪神)ら日本でプレーする選手たちが中心となるが、投手陣が全員20代と経験不足の不安は残る。

 ただし前述のリン・ウェイツゥや、そのチームメイトで新人の蕭一傑らを筆頭に代表に対するモチベーションは高い。日本と韓国にとっては、直接対決もさることながら台湾との一戦が第1ラウンド突破の鍵となるだけに、キャスティングボートを握る台湾の動向には注意を払う必要がある。
中国 (CHINA) 中国
前回のWBC成績:1次リーグ敗退(0勝3敗) 監督:テリー・コリンズ

 昨年の北京五輪では、8チーム中最下位に終わったものの、台湾から歴史的な1勝、金メダルに輝いた韓国を相手にも、敗れはしたが延長10回まで0対0という死闘を演じた中国。アジアラウンドに出場する4チームの中では、依然として実力で一歩も二歩も劣るが、初戦で当たる日本としては油断できない。

 長年に渡って代表を率いてきたジム・ラフィーバー前監督が五輪後に退任し、今大会は元オリックスのテリー・コリンズ監督が指揮を執る。しかし、監督就任が昨年12月と、情報の少ない中国代表を率いるうえでは、準備期間の短さが心配される。一方で日本の野球を知っているという点は不気味でもある。

 前回大会は、2002年に発足した国内プロリーグの選手で固められていた中国代表。だがここ数年、ヤンキース傘下のマイナーに所属するリィウ・カイ投手やジャン・ジェンワン捕手など、潜在能力の高さを買われて海外に渡る選手も出始めている。また、小学生のころに来日し、日本の高校を経て西武へ入団したシュ・ダイエイ投手にも注目したい。
B組
オーストラリア オーストラリア
前回のWBC成績:1次リーグ敗退(0勝3敗) 監督:ジョン・ディーブル

 前回は1次ラウンド3連敗で、大会から姿を消したオーストラリア。今大会も1次ラウンドは、前回準優勝のキューバ、地元開催の強豪メキシコと同居し、簡単に勝たせてはもらえなそうだ。そんなオーストラリアだが、メンバーには日本とつながりのある選手が多い。

 本国には通称“オーストラリアン・メジャーリーグ”と呼ばれるプロ野球リーグが存在するオーストラリアだが、実際には多くの選手が副業を持って生活しており、代表の主力はほとんど本場米国のメジャーやマイナーリーグのほか、日本や韓国に活躍の場を求めている。現役メジャーリーガーでは、イチロー外野手、城島健司捕手の同僚であるライアン・ローランドスミス投手(マリナーズ)、岩村明憲二塁手の同僚グラント・バルフォア投手(レイズ)が代表の主力となりそう。

 また今大会は、同国国籍を持つ巨人のマイケル中村投手、阪神のジェフ・ウィリアムス投手が出場を辞退したが、エイドリアン・バーンサイド投手(巨人)、現在は韓国でプレーするクリス・オクスプリング投手(元阪神)といった日本球界にゆかりのある選手も名を連ね、日本と対戦する可能性がある2次ラウンド進出を狙う
キューバ キューバ
前回のWBC成績:準優勝(5勝3敗) 監督:未定

 前回大会では日本に次ぐ準優勝、昨年の北京五輪でも決勝で韓国に敗れこそしたが銀メダルを獲得。国際大会で常に安定した結果を残し、「アマチュア最強」の名を欲しいままにしているのがキューバだ。今年1月、過去4年の国際大会の成績を基に、国際野球連盟が史上初めて発表した世界ランキングでも、堂々の1位にランクされている。

 今大会のメンバーには、前回大会ベストナインのユリエスキー・グリエル内野手とヨアンディー・ガルロボ外野手、4度の五輪を経験しているペドロ・ラソ投手ら“おなじみ”の面々が健在。さらに、昨季の国内リーグで本塁打、打点のシーズン記録を樹立し、北京でも大活躍したアレクセイ・ベル外野手といった若手がWBC初見参となる。

 国際大会での活躍の一方で、相変わらずメジャーを目指す有力選手の亡命も相次ぐキューバ。実際、前回のWBCで大会ベストナインに選ばれたヤデル・マルティ投手も、昨年12月に亡命したと伝えられている。それでも、野球を“国技”とするだけあり、その選手層の厚さは世界随一。まだ日本では知られていない隠れた才能が、次々に現れるのがこの国だ。
メキシコ メキシコ
前回のWBC成績:2次リーグ敗退(3勝3敗) 監督:ビニー・カスティーヤ

 前回は2次リーグで敗退したものの、米国を破る金星を挙げ、結果的に日本の準決勝進出をアシストしたメキシコ。当時の主砲だった元メジャーリーガーのビニー・カスティーヤが新監督に就任した今回は、またも台風の目となれるか。

 スター級の選手は少ないものの、メジャーリーガーの数は投打ともにまずまず。中でも目を引くのは、昨季36本塁打、119打点のエイドリアン・ゴンザレス一塁手(パドレス)と、29本塁打を放ったホルヘ・カントゥ内野手(マーリンズ)。2大会連続の出場となるこの2人が打線の軸となるのは間違いない。特にカントゥは前述の米国戦で2打点を稼ぎ出して勝利の立役者となっただけに、今回も大舞台での大仕事に期待したい。

 投手陣では、レイズのア・リーグ優勝に貢献したマット・ガーザや、母がメキシコ人で代表資格のあったダイヤモンドバックスの16勝右腕ダン・ハレンらが辞退したのが痛手。先発では故障あがりながら潜在能力の高い若手右腕ヨバニ・ガヤルド(ブルワーズ)くらいしかメジャーで実績のある投手はおらず、昨季ア・リーグ2位の42セーブを挙げたロイヤルズの守護神ホアキム・ソリア投手までどうやってつなぐかが、勝利の鍵となりそうだ。
南アフリカ 南アフリカ
前回のWBC成績:1次リーグ敗退(0勝3敗) 監督:ドノバン・ヘンドリックス

 アフリカ大陸から唯一参加する南アフリカ。第1回大会では3連敗に終わっただけに、悲願の初勝利へ向けて3年間でどこまでチームとして熟成してきたかが問われることになる。

 その前回は、米国戦こそロジャー・クレメンス投手(前ヤンキース)にまったく歯が立たず、0対17と大敗。しかしカナダ戦では8対11の善戦を見せるなど、勝利の可能性が全くないわけではない。

 あいにく南アフリカ出身のメジャーリーガーはいまだ1人も誕生していないが、今回の1次登録メンバーには、数人のマイナーリーガーが含まれている。彼らの活躍次第では米国でプレーする選手も増え、それが将来の野球発展の礎となってくれるはずだ。
C組
カナダ カナダ
前回のWBC成績:1次リーグ敗退(2勝1敗) 監督:アーニー・ウィット

 前回大会では、メキシコ、米国といった強豪国との接戦の末、1次リーグで敗退したものの、多数のメジャーリーガーを輩出している。しかし、先日の1次メンバー発表後に、その主力となるメジャー出身の投手たち数名が出場辞退を表明。今大会で上位を狙うには厳しい状況となっている。

 打線の核となるのは、何といっても2006年のア・リーグMVP、ツインズの主砲ジャスティン・モアノー一塁手だ。3年連続20本塁打、100打点の大砲の前にどれだけランナーをためられるかが勝利のポイントとなる。そのほか、昨季2チーム合計で30発、100打点の大台を突破したレッドソックスのジェイソン・ベイ外野手、昨季ナ・リーグ新人王投票で2位につけたレッズのジョーイ・ボット一塁手の打撃に注目したい。

 出場辞退者が続出したのは先発投手。ライアン・デンプスター、リッチ・ハーデンといったカブスの2投手に加え、ロッキーズのエース左腕ジェフ・フランシス投手も故障で不参加が濃厚となっている。ブルージェイズ期待の若手右腕スコット・リッチモンド投手や、昨季1Aなどで計15勝を挙げたスコット・ダイヤモンド投手などがその代役を務める可能性がある。リリーフにはサイ・ヤング賞右腕のエリク・ガニエ投手(前ブルワーズ)など経験のある選手が名を連ねており、ドジャースの正捕手ラッセル・マーティンとのバッテリーも楽しみだ。
イタリア イタリア
前回のWBC成績:1次リーグ敗退(1勝2敗) 監督:マルコ・マッツィエリ

 メンバーがほぼイタリア系米国人選手で固められているイタリア代表。前回は昨年現役を引退した大砲マイク・ピアザ捕手などのメジャーリーガーを擁し、1次リーグで強豪オーストラリアから1勝を挙げた。今回は果たして。

 前回大会で主軸としてプレーしたピアザが打撃コーチに就任。また、レンジャーズのベテラン、フランク・カタラノット一塁手の2大会連続での出場が濃厚だ。そのほか、ツインズの正遊撃手ニック・プントや、クリス・デノルフィア外野手(アスレチックス)といったメジャー選手も顔をそろえているが、パンチ力不足は否めない。

 投手陣には、メジャーで2ケタ勝利を挙げるようなスターはいない。2007年にアスレチックスで8勝を挙げたレニー・ディナード、前回大会では先発も務めた救援右腕ジェイソン・グリッリ、昨季ブルワーズでメジャーに昇格したマイク・ディフェリスなどで先発枠が構成されると見られる。
アメリカ アメリカ
前回のWBC成績:2次リーグ敗退(3勝3敗) 監督:デーブ・ジョンソン

 大会を立ち上げた“張本人”でありながら、国内でのWBCへの関心は高くない米国。その世相が影響したか、第1回大会ではまさかの2次リーグ敗退を喫した。それにもかかわらず、今回もトップクラスの選手たちの出場辞退は相次いでおり、モチベーション不足は解消されていない。

 とはいえ、1次登録メンバーに名を連ねた選手たちだけでも十分におつりがくるほど豪華な布陣であるのは否定できない。打線ではデレク・ジーター遊撃手(ヤンキース)、チッパー・ジョーンズ三塁手(ブレーブス)ら実績十分のベテランをはじめ、昨季のア・リーグMVPに輝いたダスティン・ペドロイア二塁手(レッドソックス)やグレイディ・サイズモア外野手(インディアンス)などスターぞろいだ。

 出場辞退の影響が大きいのは、先発投手陣。前回に続いて出場予定のサイ・ヤング賞右腕ジェイク・ピービー(パドレス)、アストロズのエース右腕ロイ・オズワルトが2枚看板となる見通しだが、3番手以降やブルペンは、打線と比べるとやや見劣りがする。それでも戦力的に上位なのは間違いなく、あとは選手たちのやる気しだいか。
ベネズエラ ベネズエラ
前回のWBC成績:2次リーグ敗退(3勝3敗) 監督:ルイス・ソーホー

 第1回大会では中南米のライバルであるドミニカ共和国に1次リーグ、2次リーグで連敗。さらに2次リーグではキューバにも敗れて準決勝進出を逃した。戦力的にはドミニカに勝るとも劣らないが、前回大会で采配を疑問視されたルイス・ソーホー監督の続投に一部の選手が反発していたのが気がかりだ。

 打線の中軸を担うのはタイガース勢。2007年の首位打者マグリオ・オルドニェス外野手をはじめ、ミゲル・カブレラ一塁手、カルロス・ギーエン内野手の3人はいずれも名うての強打者だ。さらに前回は起用法が原因で代表を辞退したメルビン・モーラ三塁手(オリオールズ)もいる。

 投手陣はヨハン・サンタナ(メッツ)、カルロス・ザンブラーノ(カブス)のエース級2人の出場が微妙。辞退の場合はフェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)、アーマンド・ガララーガ(タイガース)の両若手が中心となり、抑えには年間62セーブのメジャー記録を持つKロッドことフランシスコ・ロドリゲス(メッツ)が控える。これで内紛などが起きなければ、上位進出も狙える豪華なメンバーとなっている注目国のひとつだ。
D組
ドミニカ ドミニカ共和国
前回のWBC成績:準決勝敗退(5勝2敗) 監督:フェリペ・アルー

 数々の大物メジャーリーガーを輩出し、第1回大会では本命視する意見も多かったドミニカ共和国。その前回は準決勝で、2次リーグでは下したキューバのリベンジを許して敗退したが、雪辱を期して参戦の意向を示している大物選手も多く、戦力と戦意を兼ね備えた最強チームになりそうな勢いだ。

 最大の武器は、メジャーでも屈指のスラッガーが並ぶ超重量打線。アルバート・プホルス一塁手(カージナルス)、ウラジーミル・ゲレロ外野手(エンゼルス)、アルフォンソ・ソリアーノ外野手(カブス)がすでに出場に同意しており、さらに前回は米国代表で参加したAロッドことアレックス・ロドリゲス三塁手(ヤンキース)も、今回は両親の出身地であるドミニカの代表を選択した。そのうえ、指名打者デビッド・オルティス(レッドソックス)、マニー・ラミレス外野手(前ドジャース)らの参戦もあり得るのだから、対戦投手としてはたまらない。

 強いてアラ探しをするならば、投手陣か。サイ・ヤング賞3回のペドロ・マルティネス(前メッツ)に往時の力はなく、アービン・サンタナ(エンゼルス)、エディンソン・ボルケス(レッズ)ら若手が先発陣を形成。抑えにはナ・リーグのセーブ王ホセ・バルベルデ(アストロズ)がいるが、磐石といえるほどの安定感はない。それを補って余りある強力打線が火を噴けば、順当に勝ち上がっていくのは間違いないだろう。
オランダ オランダ
前回のWBC成績:1次リーグ敗退(1勝2敗) 監督:ロッド・デルモニコ

 前回大会では、ドミニカ共和国、プエルトリコ、パナマの3か国相手に、1次リーグでわずか1勝しか挙げらずに敗退したオランダ。今大会もメジャー経験者は少ないものの、わずか1勝に終わった前回より上の成績を目指したい。

 勝利の鍵を握ると思われる投手陣では、昨季ブレーブスで13勝を挙げたジェイアー・ジャージェンス、前回大会でパナマ相手にノーヒットノーランを記録したナショナルズのシャイロン・マルティス、マーリンズの若手右腕リック・バンデンホーク投手あたりが先発の3本柱となりそうだ。特にジャージェンスは、前回のプエルトリコ戦で1回3安打、3失点で敗戦投手となっているだけに、リベンジに燃えていることだろう。

 打者ではメジャー経験のある選手はほとんどおらず、苦戦を強いられることが予想される。昨季ナショナルズでメジャーデビューしたロジャー・ベルナディナ、マリナーズのマイナー組織で最も有望との声もあるグレグ・ハルマン両外野手が中軸を任される可能性が高い。また、前回チームトップの5安打を放ったシドニー・デヨング捕手もメンバーに名を連ねており、活躍が期待される。
パナマ パナマ
前回のWBC成績:1次リーグ敗退(0勝3敗) 監督:アニバレル・レルス

 前回大会では1勝もできずに終わったパナマ。今大会はドミニカ共和国、プエルトリコ、オランダと1次ラウンドを戦うことになり、苦戦が予想される。WBCで悲願の初勝利を挙げることはできるのか。

 バッターでは、メジャー屈指の大砲カルロス・リー外野手(アストロズ)が1次登録メンバーに選ばれた。昨季左手を故障したことで不安もあるが、2007年まで5年連続で30発、昨季まで4年連続100打点のスラッガーの存在は心強い。そのほか、昨季フィリーズの正捕手として、世界一に貢献したカルロス・ルイスの活躍にも期待したい。なお、日米通算175本塁打(日本158本、メジャー17本)のフェルナンド・セギノール外野手(楽天)は代表を辞退した。

 投手陣では、2007年にロッキーズで抑えを務めたこともあり、球団初のナ・リーグ優勝に貢献したマニー・コルパス投手や、ブレーブスの救援右腕マニー・アコスタ投手、オリオールズなどで先発を務めたブルース・チェン投手などがいる。メジャー歴代2位の通算482セーブを誇るマリアノ・リベラ投手(ヤンキース)は、オフに右肩の手術を受けたこともあって、1次メンバーから外れている。
プエルトリコ プエルトリコ
前回のWBC成績:2次リーグ敗退(4勝2敗) 監督:ルー・メレンデス

 前回は1次リーグを3戦全勝で突破。2次リーグでは後に準優勝するキューバに勝ったものの、ドミニカ共和国とベネズエラという南米2強の壁に準決勝進出を阻まれた。今回も組み合わせ的に両国と対戦する可能性は高く、リベンジを遂げたいところだ。

 名捕手を輩出することで知られるプエルトリコらしく、今回の1次登録メンバーもパッジことイバン・ロドリゲス(前ヤンキース)や昨季の新人王ジョバニー・ソト(カブス)、ベンジーとヤディアーのモリーナ兄弟(ジャイアンツとカージナルス)などがずらり。彼らの使い分けが鍵となりそうだ。これにカルロス・ベルトラン外野手、カルロス・デルガド一塁手(ともにメッツ)らが主軸を形成する。

 投手陣はメジャーでの実績のあるハビエル・バスケス(ブレーブス)とイアン・スネル(パイレーツ)が柱。ただし一線級のメジャー投手は少なく、捕手陣には彼らをリードするという、ある意味で打撃以上に重要な役割が求められる。
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