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» 2009年03月27日 16時32分 UPDATE
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これも“時代の寵児”? 5年分で18万円からの1週間別荘シェア

景気低迷の影響を受け、国内旅行やリゾート関連市場を取り巻く環境はよくない。こうした逆風下でも、別荘を1週間単位でシェアリングできるリゾート会員権事業は好調のようだ。

[FujiSankei Business i.]


FujiSankei Business i.

 景気の減速によって国内旅行は低迷、リゾート関連市場を取り巻く環境は決してよくない。こうした中、昨年4〜12月の累計成約数が前年同期比で8%も上回り、今年2月には前年同月比で約20%増を記録するなど好調を持続しているのが、東京急行電鉄グループが展開する「ビッグウィーク」。別荘を1週間単位でシェアリングできるリゾート会員権事業だ。

5年分で18万円から

yd_hotel.jpg 「金沢エクセルホテル東急」最上階の会員専用フロアにある「ビッグウィーク金沢」

 ビッグウィークは1年間・51週に分割された別荘1戸の利用権のうち、毎年使いたい1週間の利用権「マイウィーク」を5年間、または10年間分まとめて購入する仕組み。リゾート先進国である欧米では何十年も前から普及している、合理的なシステムだ。

 1戸当たりの広さは70平方メートルからで、軽井沢(長野県)や箱根強羅(神奈川県)、伊豆高原(静岡県)など計11カ所の著名リゾート地で事業を展開している。

 生活に必要な備品がそろっているため、食材さえ持ち込めば長期滞在が可能。また、ホテルレベルの掃除や運営管理といったサービスを提供しているため、他人とシェアをしているといった感覚がわきにくい。

 価格は施設や時期に応じて幅広く設定している。

 例えば、5年利用権だと18万9000〜294万円。最も安いのが蓼科(長野県)の第4〜6週(1〜2月)などで、高いのは斑尾(同)の第1週(1月)となる。これに管理費や清掃料などが加わる。

利用権“交換”も

 こうしたリゾート地の別荘を購入するには、軽く数千万円の出費が必要。販売代理を行う東急ビッグウィークステーション(東京都渋谷区)の幹部は、別荘市場について「景気がよいときは所有にこだわる傾向が強いが、不景気の時は『いかに楽しむか』といったスタイルが目立つ」と分析する。その意味で、マイウィークは“時代の寵児(ちょうじ)”とも言える。

 その理由の1つは、リーズナブルな価格で別荘に手が届く点。また、マイウィークを3泊と4泊に分けた上で、他の時期や施設と交換できるシステムを導入していることも、会員から賛同を得ている。

 “物々交換”を支えているのが、コールセンター。自動案内ではなく専任のスタッフが会員の事情を聴きながらマンツーマンで対応するため、80%という高い交換率を実現している。

 現在の会員は55〜62歳の団塊世代が中心で、孫も加えた3世代で利用するケースも多いという。現在の会員口数は約3500件。東急ビッグウィークステーションでは「自分のライフスタイルに応じて選べ、重荷にならない商品」という理由で景気にかかわらずニーズが高まるとみており、数年後には5000〜6000件まで伸ばす計画だ。

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